テント泊には2種類あります。
- 登山口から数時間以内の場所にテントを設営した後、軽身で山頂を目指す「ベースキャンプ型」
- 全区間で幕営用具を背負う「縦走型」
の2種類です。
テント泊初心者の方は、縦走型のテント泊を行える体力はまだ付いていないかと思います。そこで、ベースキャンプ型のテント泊がおすすめとなります。今回の記事では、ベースキャンプ型のテント泊ができるテント場と山を紹介します。
目次
テント場の探し方
山では、どこでも自由にテントを張っていいわけではありません。旺文社「山と高原地図」にて、テントマークが記載されている箇所(テント場)でのみ幕営することが可能です。

尚、山と高原地図は全61冊あり、山域によって分かれています。昭文社のサイトの右上の検索窓に自分の行きたい山を入れて検索すると、どの「山と高原地図」を購入すべきかがわかります。
稀に、テント場マークが無くてもテント泊が可能な場所もあります。有名な例としては平標山の家や、飯豊山の各山小屋などです。幕営可能かどうかはホームページを見て確かめる必要があります。山と高原地図でテント場マークが表示されていないのは、テント場の数が少なく、テントの数を増やしたくないということが理由のようです。
「ベースキャンプ型」オススメテント場の紹介
今回の記事では、ベースキャンプ型のテント泊ができるテント場を7つ紹介します。
以下の観点で選びました。
- テント場まで4時間以内で到着可能
- テント場から空身で山頂に往復可能
高谷池ヒュッテ(火打山、妙高山)

高谷池ヒュッテは、火打山と妙高山の中間地点に位置します。笹ヶ峰登山口から入山し、所要時間3時間40分で高谷池ヒュッテに至ることができます。
高谷池ヒュッテからは、大迫力の北アルプス北部の山並みを間近に見ることができます。特に、朝焼け、夕焼け、夜景は一見の価値有りです。
高谷池ヒュッテにテントを張ったのちは、初日に火打山、二日目に妙高山に登るとよいでしょう。(近くに黒沢池ヒュッテもありこちらにも幕営可能ですが、幕営可能数が15張りと少なく、北アルプスを眺めることもできません。よって、個人的には高谷池ヒュッテをオススメします)
登山口~テント場までの所要時間…3時間40分
アクセス可能な山…火打山、妙高山
幕営可能数(1泊1人当たり)…30張
幕営料金…¥410
無雪期の目安(年により異なります)…7月上旬~11月上旬

福ちゃん荘(大菩薩嶺)

福ちゃん荘は、大菩薩嶺に位置します。登山口から25分で福ちゃん荘に至ることができます。
初日に大菩薩嶺に登ることも可能ですが、ぜひ二日目の早朝に大菩薩嶺に登りましょう。見晴らしのよい稜線から、富士山と朝日があなたを出迎えてくれます。
登山口~テント場までの所要時間…25分
アクセス可能な山…大菩薩嶺
幕営可能数(1泊1人当たり)…100張
幕営料金…¥400
無雪期の目安(年により異なります)…4月~12月
富士見平小屋(瑞牆山)

富士見平小屋は、瑞牆山の麓に位置します。登山口の瑞牆山荘から、所要時間50分で富士見平小屋に至ります。
テント場に幕営した後は、初日に瑞牆山、二日目に金峰山に登るのが良いでしょう。山頂では、まるで中国の古絵に出てくるような岩の絶景があなたを出迎えてくれます。
登山口~テント場までの所要時間…50分
アクセス可能な山…瑞牆山、金峰山
幕営可能数…10張
幕営料金 (1泊1人当たり) …1,000円
無雪期の目安(年により異なります)…4月下旬~12月上旬

燕山荘(燕岳)
燕山荘は、北アルプスの燕岳頂上直下に位置します。燕岳登山口から入山し、コースタイム3時間半で燕山荘まで登ることができます。燕山荘からは間近に大迫力の燕岳を眺めることができます。さらに、遠景には北アルプスの大展望を見渡すことができます。
燕山荘からは、往復1:30で燕岳(標高2,763m)に登ることが可能です。燕岳や、燕岳に至る登山道は登りやすい道で、初心者の方でも比較的簡単に登りやすいです。

登山道には雪はなかった。
燕岳の登山道最新状況はこちらから
燕岳登山口へのアクセス方法はこちらから
登山口~テント場までの所要時間…3時間半
アクセス可能な山…燕岳
幕営可能数…30張
幕営料金(1泊1人当たり)…1、000円
無雪期の目安(年により異なります)…7月上旬~10月上旬

長衛小屋(甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳)

長衛小屋は、南アルプスに位置します。芦安駐車場、奈良田駐車場、仙流荘駐車場のいずれかから市営バスを乗り継ぎ、登山口の北沢峠までアクセスします。(マイカー規制のため、マイカーで北沢峠までアクセスすることはできません)
北沢峠からは、わずか徒歩10分で長衛小屋に到着できます。長衛小屋からは、甲斐駒ヶ岳や仙丈ケ岳に登頂可能です。一泊二日すれば両方の山に十分登頂可能でしょう。
甲斐駒ヶ岳は岩稜が特徴的な鋭鋒です。一方で仙丈ケ岳はなだらかな稜線が特徴的な、通称「南アルプスの女王」です。対照的な両峰です。甲斐駒ヶ岳や仙丈ケ岳は、甲斐駒ヶ岳に直登する破線ルートを除き、難易度は高くありません。
登山口~テント場までの所要時間…10分
アクセス可能な山…甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳
幕営可能数… 100張
幕営料金(1泊1人当たり)…500円
無雪期の目安(年により異なります)…6月中旬~11月上旬



頂上山荘(木曽駒ケ岳)

頂上山荘は、中央アルプスの木曽駒ケ岳直下に位置します。菅の台バスセンターから公共バスに乗りしらび台まで移動し、ロープウェイで標高2,612mの千畳敷カールまで一気に登ります。
千畳敷カールから登山開始となり、頂上山荘までは1時間40分の行程です。頂上山荘からは、わずか往復35分で木曽駒ケ岳の頂上に至ることができます。 登山道は登りやすく、初心者の方にもおすすめできます。頂上山荘のテント場からは、駒ケ根市街地や南アルプス・北アルプスを見渡すことができます。
登山口~テント場までの所要時間…1時間40分
アクセス可能な山…木曽駒ケ岳
幕営可能数…80張
幕営料金(1泊1人当たり)…900円
無雪期の目安(年により異なります)…6月中旬~11月上旬

行者小屋(南八ヶ岳)
行者小屋は、南八ヶ岳に位置します。美濃戸口から入山し、所要時間2時間30分で行者小屋まで登ることができます。
行者小屋からは、南八ヶ岳の主峰・赤岳(標高2,899m)や、鋭鋒・阿弥陀岳(標高2,805m)に登頂可能です。一泊二日で両方に山に十分登頂可能です。尚、赤岳や阿弥陀岳ではやや難易度の高い鎖場登りがあります。三点支持をしっかりマスターしてから挑戦するようにしましょう。当然、ヘルメットが必須となります。
登山口~テント場までの所要時間…2時間30分
アクセス可能な山…赤岳、阿弥陀岳など
幕営可能数… 50張
幕営料金(1泊1人当たり)…1,000円
無雪期の目安(年により異なります)…6月中旬~11月上旬

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