他社製カメラで富士のフィルムシミュレーションを再現する方法【DxO FilmPack6】

富士フイルム製のカメラでは、フィルムシミュレーション機能を使うことでフィルムを再現した美しい色を楽しむことができます。「富士フイルムの色に興味があるけれど、今使っているカメラを手放したくない」と悩んでいる方は多いと思います。そこで、DxO FilmPack6(以下、FilmPack)を使うことで、ソニー、ニコン、キヤノン、オリンパス、パナソニック、シグマといった他社製のカメラで撮影した写真に各種フィルムシミュレーションを適用することができます。今回の記事では、オリンパス製カメラで撮影した写真にFilmPackのフィルムシミュレーションを適用した例を紹介します。

DxO FilmPack6とは

FilmPackとは、デジタル写真データをわずか数クリックでフィルム写真のようにレタッチすることができるソフトです。19世紀から2020年に至るまで、11社84種類のフィルムを使うことができます。これらのフィルムは何となく再現したというレベルではなく、DxO のラボで各フィルムの実物を精細に観察し、デジタルに落とし込むことで色や粒状感をデジタルで再現したものになります。この機能の派生版として、富士フイルムのフィルムシミュレーションを適用できる機能が付属しています。

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適用可能なフィルムシミュレーションの紹介

FilmPackでは、以下のフィルムシミュレーションを適用することができます。高彩度が特徴なVelvia, 標準的な発色のProvia, モノクロのacrosは使用することができません。Classic Chrome+は、Classic Chromeを強化したFilmPackオリジナルのプリセットです。

DxO FilmPack6のフィルムシミュレーション一覧
・ASTIA
・ETERNA
・Classic Chrome
・Classic Chrome+
・Classic negative
・ProNeg. Hi
・Proneg. Std



Velvia, Provia, acrosについては、フィルムシミュレーションではなくフィルムそのもののプリセットがFilmPackにて用意されています。(フィルムシミュレーションとはデジタルに特化したプリセットで、フィルムとはアナログフィルムを模したプリセットです)。ASTIAについてはフィルムシミュレーションとフィルムの両方が用意されています。フィルムによっては2~4種類のプリセットが用意されていることがあり、色味が微妙に違います。各フィルムを写真に適用しながら、ベストとなるフィルムを探すと良いでしょう。

DxO FilmPack6のフジカラー製フィルムの一部
・Fuji Velvia 50
・Generic Fuji Velvia 100

・Fuji Provia 100F
・Fuji Provia 400F
・Fuji Provia 400X
・Generic Fuji Provia 100

・Fuji Neopan Acros 100

・Fuji Astia HS
・Fuji Astia 100F
・Generic Fuji Astia 100

各フィルムシミュレーションの彩度と階調(コントラスト)の相関図


適用例の紹介

前項で紹介したフィルムシミュレーションやフィルムのプリセットを、オリンパス製カメラで撮影した写真に適用した例を以下に紹介します。いずれの作例でも、左側がjpeg撮って出しで、右側がRAWデータに各種プリセットを適用した例です。

ETERNA

富士フイルム公式サイトの説明では、ETERNA(エテルナ)では落ち着いた発色と豊かなシャドウトーンが特徴とされています。

劔岳の写真に対して、FilmPackでETERNAを適用した例を以下に示します。山の彩度が下がることで劔岳のギザギザとした形が相対的に強調されています。また、空のマゼンタ(青)が低下して存在感が下がり、相対的に山の存在感が上がっています。これぞETERNAという描写です。

尚、右と左でわずかに写真の形が違うのは、レンズの補正プロファイルが完全に同一ではないからです。これはどちらがうまく補正できている/できていないということではありません。どちらも問題なく補正できています。

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Velvia

富士フイルム公式サイトの説明では、Velvia(ベルビア)では鮮やかな原色再現で風景・ネイチャー撮影に最適とされています。

月山の紅葉写真に対して、FilmPackでVelvia 100(注:フィルムシミュレーションではなくフィルムのプリセット)を適用した例を以下に示します。赤やオレンジといった紅葉のみではなく、周囲の緑や青空の彩度も高くなっています。lightroomなどで彩度を上げてしまうとギトギトした写真になりがちですが、Velvia 100では自然な範囲にとどまっています。



ピンク色の高山植物に対して、FilmPackでVelvia 50(注:フィルムシミュレーションではなくフィルムのプリセット)を適用した例を以下に示します。先ほどと同様に、自然な範囲で彩度が高くなっています。

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ASTIA

富士フイルム公式サイトの説明では、ASTIA(アスティア)ではやわらかさと高彩度を両立したモードとされています。

曇天の雪山写真に対して、FilmPackでASTIAを適用した例を以下に示します。コントラストが弱くなり、さらにやや青みが掛かったことで雪山の冷たさを表現することができました。これぞASTIAといった写りです。



月に照らされるスノーモンスターの写真に対して、FilmPackでASTIAを適用した例を以下に示します。コントラストが弱くなったことで、月の柔らかい光を表現することができました。

Classic Neg.

富士フイルム公式サイトの説明では、Classic Neg.(クラシックネガ)では階調が固いことと彩度がやや低いことが特徴とされています。

夏の入道雲の写真に対して、FilmPackでClassic Neg.を適用した例を以下に示します。雲のコントラストが高くなり立体感が増しました。また、空の彩度がやや下がったことで、相対的に入道雲が強調されています。



浅間山とスノーモンスターの写真に対して、FilmPackでClassic Neg.を適用した例を以下に示します。浅間山に落ちている光と影のコントラストが高くなり立体感が増しました。また、全体的に彩度がやや下がったことで雪の青被りが除去され、雪らしい白さを出すことができました。

Classic Chrome

富士フイルム公式サイトの説明では、Classic Chrome(クラシッククローム)では濃厚な雰囲気でドキュメンタリー調の世界観を表現できるとされています。

部分的にガスの掛かった十勝岳の写真に対して、FilmPackでClassic Chromeを適用した例を以下に示します。コントラストがやや高まったことで山に落ちている光と影が強調されました。また彩度が下がったことで、光と影や雪の質感が目立つようになりました。

PRO Neg. Hi

富士フイルム公式サイトの説明では、Pro Neg. Hi(プロネガ.ハイ)ではライティングが当たった環境下において、柔らかい階調が出てくることが特徴とのことです。

霞みの掛かる尾瀬ヶ原の写真に対して、FilmPackでPRO Neg. Hiを適用した例を以下に示します。固めの階調となり、モヤの中ので薄明りの差す尾瀬ヶ原を表現することができました。

acros

富士フイルム公式サイトの説明では、acros(アクロス)とは豊かな階調を持ったモノクロであるとされています。

劔岳の写真に対して、FilmPackでFuji Neopan Acros 100(注:フィルムシミュレーションではなくフィルム)を適用した例を以下に示します。色の情報が完全に消えましたが、山の明るい部分と暗い部分とがはっきりと描写されており、劔岳の持つギザギザした感じがとてもかっこいい写真となりました。また、写真を拡大してみるとフィルム特有の粒状感が出ており、良い雰囲気を醸し出しています。

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ソフトの使い方

FilmPackの使い方を以下に記載します。

(1)まず、ソフトをダウンロード・インストールします。Essential EditionとElite Editionの2種類があります。前者では、選べるフィルムシミュレーションの数がASTIA, ETERNA, ProNeg. Stdの3種類に制限されています。

(2)次に、ソフトを開き、写真を読み込みます。jpegとrawのいずれ形式の写真も読み込むことが可能です。後者の方が写真が破綻しにくいためおすすめです。

(3)次に、右側のフィルタから「デジタルフィルム」にチェックを付けます。こうすることで、各フィルムシミュレーションを適用できるようになります。



あるいは、フィルムシミュレーションではなくフィルムを適用したい場合には、デジタルフィルムのチェックを外します。この状態で、検索に各フィルムの名前を入力します。



(4)適用したいフィルムの画面をクリックすることで、プリセットが適用されます。



(5)最後に、ソフト左上の三本線をクリックし、写真を保存します。処理形式を「jpeg」と「tiff」のいずれかから選択することが可能です。tiffで保存しておくと、このあとにlightroomやphotoshopで処理をする際に画像が破綻しにくくなります。

処理時間・料金体系・adobe社ソフトとの連携方法

FilmPackの処理時間、料金体系、adobe社ソフトとの連携方法については以下記事をご覧ください。

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まとめ

筆者は富士フイルムとオリンパスのユーザーです。今回のFilmPackでのフィルムシミュレーションの適用例は、本家富士フイルムと比べても遜色ない仕上がりでした。自信を持っておすすめできるソフトです。今回の記事は以上になります。

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