筆者が登山に行く際は、富士フイルムのミラーレスカメラで撮影をすることが多いです。富士フイルムのミラーレスカメラは発色がとにかく美しいことが特徴です。
また、富士フイルムのカメラにはフィルムシミュレーションといって、写真の彩度やコントラストをワンクリックで変更できる機能が付いています。
筆者は、色が鮮やかになるフィルムシミュレーション・Velviaを使うことが多いです。標準的な発色にしたい場合にはPROVIAを、反対に彩度を落としたいときはETERNA(エテルナ)やClassic Chromeを使うこともあります。
今回の記事では、筆者が直近4年間に富士フイルム製のミラーレスカメラで撮影した山岳風景写真を、カメラの特徴とともにお伝えします。
尚、本記事中の写真は、特に断りが無い限りはJPEG撮って出しです。(RAW現像していません)
目次
緑
以下の写真は、雪が融けて緑が現れた8月の白馬岳の登山道を撮影したものです。登山道の緑、背景の青空が鮮やかに発色しています。
この山行は総コースタイム24時間の苦行でしたが、カメラの軽量コンパクトさのおかげで、カメラを持つこと自体はそれほど大変ではありませんでした。
以下の写真は、7月の双六山荘テント場を撮影したものです。
色とりどりのテント、緑、青空がいずれも鮮やかに発色しています。
さわやかな夏山といったイメージが浮かんできます。
高山植物
以下の2枚の写真は白馬岳周辺で撮影した高山植物です。
高山植物は黄色、紫など色とりどりですが、いずれも綺麗に発色しています。
以下は高山植物ではないのですが、下山後の温泉に咲いていたコスモスです。
1枚目はフィルムシミュレーションVelvia、2枚目は同Classic Chromeで撮っています。Velviaだと鮮やかに発色するのに対し、Classic Chromeでは色が薄く、なおかつコントラストが高くなります。同じ種類の花でも、適用するフィルムシミュレーションによって雰囲気は全く異なったものになります。
朝焼けと夕焼け
以下の3枚は、アルプスで撮影した朝焼けや夕焼けの写真です。
朝焼けや夕暮れの撮影はカメラの性能に大きく依存します。
これは、太陽に近く明るいオレンジ色の部分から、比較的暗い青空までを1枚に収めて撮影するため、色が潰れてしまいやすいからです。(これを階調性と呼びます)
カメラの階調性が高いため、色が潰れることなくグラデーションとして撮影できています。
夜景
以下は、厳冬期(1月)の仙丈ケ岳に至る登山道で撮影したマジックアワーの写真です。暗所に強い広角単焦点レンズ・XF16mmF1.4R WRを使って撮影しました。
登山道なので、当然手持ちでの撮影となります。X-T3は高感度耐性が高く、ISO1250でも全くノイズは出ていません。個人的に、ISO6400までであれば実用に耐えうると思います。また、マジックアワーの稜線がオレンジから青に色が変化していることが、階調豊かに表現できています。
以下は、残雪期の鹿島槍ヶ岳と星空を撮影したものです。
XF16mmF1.4R WRと三脚を使っての撮影です。
星空を取ると前景が潰れてしまうことも多いですが、このときはわずかな街明かりにも助けられ、前景の鹿島槍ヶ岳を写すことができました。
以下は、満月の夜に御嶽山を手持ち撮影したものです。
カメラ本体には手振れ補正を有するX-H1、レンズには前述のXF16mmF1.4R WRを使っています。
X-H1のボディ内手振れ補正とフェザータッチシャッターに助けられ、シャッタースピード1/8秒にもかかわらず全く手振れしていません。
次ページは雪山や紅葉の写真紹介です。