XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS(以下、XF18-55mm)は、富士フイルムから発売されている標準ズームレンズです。このレンズは、各カメラ本体とセットで購入可能なキットレンズとしても知られています。
キットレンズと聞くと性能が悪いようにも聞こえますが、そんなことはありません。
XF18-55mmの焦点距離は、35mm換算で27-84mmです。
27mmは広角域、84mmは中望遠、中間の50mmは標準域に相当します。
広角域を使えば風景を、標準~中望遠域を使えば山の切り取りやポートレートを撮影可能です。
また、XF18-55mmの広角端における解放F値は2.8であり、星空撮影も可能です。
ずばりXF18-55mmは、様々なレンズのいいとこ取りをしたようなレンズです。
今回の記事では、各シーンごとにXF18-55mmの作例を紹介します。
尚、すべての写真はjpeg撮って出しのままです。
(=RAW現像をしていません)
目次
広角で風景撮影
XF18-55mmの広角端(換算27mm)は、広い範囲を写せるため風景撮影に適しています。
以下に、XF18-55mmの広角端で風景撮影をした作例を3例示します。
1枚目は紅葉の時期の涸沢カールを撮影したものです。
広角端を使うことで、前景のカエデの紅葉、中景の涸沢カール、遠景の穂高連峰を1枚の写真に収められています。

以下は、男体山を撮影したものです。
広角端を使うことで、前景となる戦場ヶ原を同時に写せています。

以下は、マジックアワーの時間帯の山並みを撮影したものです。
広角端を使うことで、特定の山だけではなく、様々な山を1枚に収められています。

もっと広角を使ってより広く風景を撮影したい…という場合には、XF10-24mmF4 R OISをオススメします。
中望遠でポートレートや山の切り取り
XF18-55mmの標準~中望遠域(換算50~84mm)は、ポートレート(人物撮影)や山の切り取りに適しています。
以下に3作例を紹介します。
以下は、換算73mmで登山者をアップで撮影した作例です。
登山者の上半身だけを切り取ると共に、いい感じに背景をボカして撮影できています。
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以下は、換算69mmで夕日と金峰山の五丈岩を切り取って撮影した作例です。
(写真中央右側、地面から少し飛び出しているのが五丈岩)
広角で写真を撮ってしまうとどこにでもありがちな写真になってしまいますが、五丈岩をある程度切り取って写すことで、金峰山の存在感を出しています。

以下の左側の写真は、日光白根山山頂から、男体山と登山者を切り取って撮影した作例です。焦点距離は換算84mmです。
弱いながらも圧縮効果が働き、登山者と男体山の距離感が近くなっています。
(右側は、同じ風景を広角端で撮影した参考例です。XF18-55mmがどれくらいズームできるかの参考になれば幸いです)
夜景撮影
XF18-55mmの広角端における解放F値は2.8であり、比較的明るい部類に入ります。
よって、街明かりであれば手持ち撮影可能ですし、三脚を使えば星空撮影も可能です。
以下は、宿の明かりを手持ち撮影した作例です。
シャッタースピードは1/8秒まで落ちましたが、レンズに搭載された手振れ補正機能のため手振れすることなく撮影できています。
本体はX-T1でISO感度は3200まで上がりましたが、高感度ノイズも目立ちません。

さらに暗所に強い明るいレンズを求める場合には、XF16mmF1.4 R WRをオススメします。
中望遠で動物撮影
以下は、北アルプスで出会った雷鳥を、XF18-55mmの換算焦点距離84mmで撮影した作例です。
雷鳥はそこまでアップでは撮影できていません。この用途では少し無理がありそうです。風景と雷鳥をどちらも取れるレンズとしては、XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRをオススメします。
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レンズと合わせて準備したい道具の紹介
以下に、レンズと合わせて準備したい道具を紹介します。
埃の多い環境下でレンズを使う際には、保護フィルターを付けることをオススメします。レンズに付いたゴミを直に拭いてしまうとレンズを傷つけてしまいます。反射率がわずか0.3%のHAKUBA製「XC-PRO」であれば、画質の劣化はありません。コスパの高い保護フィルターです。(レンズの径にあったフィルターを選択しましょう)
カメラやレンズを通常環境に放置すると、数年後にはカビが生えてしまい画質に影響が出ます。一度生えたカビを除去することはとても困難です。カビが生える前に防湿庫で保管することをオススメします。

レンズキャップに紐を付けましょう。レンズキャップを落下させる場所によっては、回収できなくなります。
ブロワーを用意しましょう。レンズや保護フィルターに埃が付いても、ブロワーで拭き飛ばせば傷つくことはありません。
ブロワーで拭き飛ばせない汚れについては、レンズクロスで落としましょう。ティッシュで汚れを落とすと、高確率で傷がつきます。
登山中にはバッテリーが切れても充電することができません。特に、ミラーレスカメラは一眼レフよりもバッテリーの持ちが悪いです。そこで、モバイルバッテリーを持っていくと良いでしょう。
登山中にカメラを首から下げて持ち歩くと危ないですし、カメラも傷つきやすいです。そこで専用の携行方法をオススメします。

まとめ
XF18-55mmは、様々なレンズのいいところ取りをした万能レンズだと言えます。
始めの1本として胸を張ってオススメできるレンズです。
今回の記事は以上になります。