風景撮影向け・10のカメラ設定

カメラには様々な設定があります。すべての設定を把握し、使いこなせている人は(筆者も含めて)ほとんどいないと思います。
しかし、風景撮影をする上では、確実に押さえておきたいカメラの設定が存在します。今回の記事では、風景撮影向けの10個のカメラ設定を紹介します。尚、本記事は富士フイルムのミラーレスカメラ「X-T3」を元に執筆していますが、他社製のカメラでも基本的な部分は同じです。また、本記事の内容はミラーレスカメラだけではなく、一眼レフや高級コンデジにも適用可能です。

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フォーカスモード:フォーカス優先

フォーカスモードをフォーカス優先に設定しましょう。

フォーカスモードには、「①レリーズ優先」と「②フォーカス優先」の2種類があります。①ではシャッターを切ることが優先されます。よって、ピントが合っていなくても、シャッターボタンを押し込むことで写真が撮影されます。これは、コンマ1秒単位で被写体が動くスポーツ等で好まれるフォーカスモードです。

一方、②ではピントが合うことが優先されます。ピントが合っていない状態でシャッタボタンを押し込むと、ピントが合った後に写真が撮影されます(逆にカメラと被写体が近すぎてピントが合わない等の場合には、いつまでたっても撮影はされません)。
基本的に風景はコンマ単位で変化しないため、風景撮影では②の方が良いでしょう。

特にX-H1などシャッターボタンの軽いカメラの場合には注意が必要です。X-H1においてレリーズ優先モードで撮影をしてしまうと、ピントが合う前にシャッターを押し込んでしまい、ピンボケ写真を量産してしまうことがあります。

(X-T3での設定方法)
MENU→フォーカス設定→レリーズ優先/フォーカス優先

顔検出/瞳AF:OFF

風景のみを撮影し、人を同時に撮影しない場合には、顔検出/瞳AFをOFFにしておきましょう。

顔検出/瞳AFをONにしたまま風景を撮影すると、稀にカメラが風景の一部を人の顔だと誤認識してしまい、変なところにフォーカスが合ってしまいます。
山の幽霊がいるのかもしれないですけどね。一応補足としては、山を背景として人を撮影する場合には、顔検出/瞳AFをONにしておいた方が撮影しやすいです。

(X-T3での設定方法)
Q→顔検出/瞳AF設定

絞り優先オートモード

絞り優先オートモードで撮影をしましょう。

絞り優先オートモードにすることで、F値(絞り)を任意で設定できるようになります。一般的に風景撮影では、パンフォーカス(全体にピントが合った状態)で、なおかつ回折現象による画質の悪化が無いF8~11で撮影をするのが良いとされています。

オートモードで撮影をしてしまうと、日差しが強いときなどにF値が不必要に高くなってしまい、回折現象によって画質が悪化することがあります。

(X-T3での設定方法)
レンズでのダイヤル調整

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EVF明るさ:オート

これはミラーレスカメラ限定の話になりますが、EVF(電子ビューファインダー)の明るさをオートにしておきましょう。
(一眼レフカメラではOVFが付いていますし、高級コンデジではファインダーは付いていません)

屋外では日差しが強いため、EVFの明るさが標準の場合には画像を視認しにくくなります。オートにしておくことでEVFが自動で明るくなり、視認性が増します。

(X-T3での設定方法)
設定→セットアップ→表示設定→EVF明るさ

LCD明るさ:任意調整

LCD(液晶ディスプレイ)の明るさを明るくしておきましょう。

EVFと同様の理由で、屋外ではLCDを視認しにくくなります。

(X-T3での設定方法)
Q→LCD明るさ

電子水準器

電子水準器にチェックを付けましょう。

電子水準器にチェックを付けることで、撮影時にカメラが傾いていないかを簡単にチェックできるようになります。
風景撮影では、地平線を水平に保つ方が美しく撮影できます。
どんなに綺麗な景色でも、水平線が傾いているとそれだけでカッコ悪くなってしまいます。

電子水準器をONにした際の撮影画面。
左は水平が取れていない図。茶色の線に、白い線を合わせるようにカメラを傾けていき水平を合わせる。水平が合うと、右図のように緑色の線が現れる 。

(X-T3での設定方法)
①MENU→セットアップ→表示設定→画面のカスタマイズ
②電子水準器が表示されるまで「DISP BACKボタン」を複数回押す

フレーミングガイド

フレーミングガイドにチェックを付けましょう。

フレーミングガイドを付けることで、ファインダーや液晶画面内が4つの線で9つに分割されます。フレーミングガイドを付けるメリットは2つあります。

1つ目は、3分割法の構図で撮影をしやすくなることです。風景撮影では、3分割法で撮影をするといい写真を撮りやすいです。

2つ目は、水平を合わせやすくなることです。前述の電子水準器は完璧ではないため、若干傾いていることがあります。電子水準器である程度水平を合わせた後、フレーミングガイドの線を使うことで、より厳密に水平を合わせることができます。

(X-T3での設定方法)
①MENU→セットアップ→表示設定→画面のカスタマイズ
②電子水準器が表示されるまで「DISP BACKボタン」を複数回押す

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撮影画像表示:ON

これは個人的な好みも入るのですが、撮影画像表示をONにしておきましょう。

こうすることで、撮影した画像が撮影直後に0.5~1.5秒間だけ表示されます。
表示された画像を確認することで、「どのような構図で撮影したか」「水平線は傾いていないか」を振り返ることができます。
構図や水平に問題があれば、撮影をし直すという判断をすることができます。帰宅してから写真を見返して後悔することが少なくなるでしょう。

(X-T3での設定方法)
①MENU→セットアップ→表示設定→撮影画像表示
②VIEW MODEボタン→アイセンサー

自動電源OFF:1~2分

自動電源OFF機能を1~2分程度に設定しておきましょう。

風景撮影時には、簡単に充電できない場合が多いです。仮に自動電源OFF機能を使わずに電源を切り忘れた場合、電池が切れて撮影できなくなります。

(X-T3での設定方法)
MENU→セットアップ→消費電力設定→自動電源OFF

音:消音

これについても個人的な好みなのですが、操作音やシャッター音を消音にしておきましょう。

周りには、虫や雷鳥の鳴き声を楽しんでいる人もいます。操作音やシャッター音を鳴らしてしまうと、周囲の迷惑になってしまうからです。

(X-T3での設定方法)
MENU→セットアップ→音設定

風景撮影時のオススメアイテム

以下に風景撮影時のオススメアイテムを紹介します。



風景撮影では保護フィルターを装着することをオススメします。アウトドアのフィールドではレンズに埃が付着します。付着した埃をそのまま拭いてしまうとレンズに傷をつけてしまいます。保護フィルターを使うことでレンズを傷から守ることができます。よほど安いフィルターを付けない限りは、フィルター装着による画質の劣化はありません。個人的には、HAKUBA「XC-PRO」のコスパが高くオススメです。反射率がわずか0.3%で、防汚、撥水機能が付いており汚れにも強いです。



水面を取る場合にはPLフィルターもおすすめです。水の反射を取り除き、透き通った水の中を撮影できるようになります。



アウトドアフィールドでは気軽に充電できません。交換バッテリーモバイルバッテリーを持っていくと良いです。



アウトドアでレンズキャップを落とすと、レンズキャップが岩の隙間や崖下に転がってしまい回収できなくなることがあります。レンズキャップに紐を付けることをオススメします。



今回の記事は以上になります。

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