【星空・星景撮影】カメラ、設定方法、天候の紹介【登山】

「満点の天の川や、オリオン座を写真にきれいに収めたい」と考える方は多いと思います。

しかし星の光はとても弱いため、使う道具や設定を間違えるとノイズの乗った汚い写真になったり、ピンボケした写真になってしまいます。星空を撮影するためには「大きなセンサーサイズを有したカメラ」と「F値の小さなレンズ」を使って「光害が少ない場所・時間帯」に、「マニュアルで設定を追い込んで」撮影をすることが重要です。

今回の記事では、筆者が撮影した星空写真を交えながら、星空撮影に適した機材、天候条件、設定方法を紹介します。

本記事の対象者
・すでに一眼レフカメラやミラーレスカメラを所有しており、星空撮影方法で不明点のある人
・星空撮影するためにカメラやレンズの購入を検討中の人

5月の残雪期に、満点の星空と白馬岳を撮影。


12月の厳冬期に、テント、塩見岳と星空を撮影。


1月の厳冬期に、北岳と星空を撮影。


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撮影機材

まずは星空撮影をする上で揃える道具について紹介します。ポイントは「弱い光をノイズ無く、ブレなく撮影できること」です。

カメラ本体

なるべくカメラ本体に内蔵されたセンサーのサイズが大きなカメラを選びましょう。センサーサイズは、最低でも(マイクロ)フォーサーズは欲しいところです。

なぜならば、センサーはレンズから受光した光を増感する役割を果たします。センサーサイズが大きい方が、弱い星の光を増感することができるからです。小さいセンサーだと、ノイズが多く発生してしまいます。

センサーのサイズは、フォーサーズ<APS-C<フルサイズ の順に大きくなります。

マイクロフォーサーズやAPS-Cセンサーを搭載した、登山向けオススメカメラ本体の記事は以下をご参照ください。

【選び方】登山用ミラーレスカメラ4選(レンズキット)
登山においてコンデジではなく一眼カメラを使うと、風景をより美しく撮ることができます。一眼カメラの中でも、ミラー構造を省いたミラーレスカメラ...

レンズ

レンズについては、F値と焦点距離の観点から選べばよいです。

F値

F値の小さなレンズを選びましょう。最低でもF2.8以下, 可能ならばF1.8以下が良いです。

なぜならば、F値の小さなレンズの方が光を取り込む能力に優れているからです。F値については以下記事をご参照ください。

F値(絞り)とレンズの選び方【山岳撮影】
レンズ交換式のカメラでは、その名の通りレンズを交換することができます。 しかし、レンズの選択肢が多すぎて「どのレンズを使えばいいかわ...

焦点距離

焦点距離の小さなレンズ(=広角レンズ)を選びましょう。35mm判換算27mm以下が良いです。

理由は、焦点距離が大きいと地球の自転の影響を受けやすく、星が流れやすくなる為です。
また、単純な星空写真ではなく、近景に山やテントを入れて撮影しやすくなる為です。(いわゆる星景写真)

焦点距離については以下記事をご参照ください。

登山用カメラレンズの選び方~焦点距離編~
レンズ交換式のカメラでは、その名の通りレンズを交換することができます。 しかし、レンズの選択肢が多すぎて「どのレンズを使えばいいかわ...



「小さなF値」「小さな焦点距離」を兼ね備えた星空撮影用オススメレンズについては、以下記事をご参照ください。

【登山】おすすめレンズ3選【目的別】
「レンズ交換式のカメラを買ったけれど、どのレンズを使ったらいいかわからない」という人は多いと思います。50本以上のレンズを出しているメーカ...

三脚

パイプ径が最低でも22cmある、剛性の高い三脚を選びましょう。素材としては、軽さと剛性を両立したカーボン製のものがおすすめです。
三脚の選び方については、以下記事をご覧ください。

【おすすめ】登山用三脚は3つの基準で選べば大丈夫。
三脚を選びで重要なのは「パイプ径」「素材」「段数」「重量」です。カメラ種類別にオススメとなる三脚を紹介します。

レリーズシャッター

可能であれば、レリーズシャッターを用意しましょう。

理由は、シャッターを押す瞬間に写真がブレてしまう為です。レリーズシャッターがなくてもカメラ設定のセルフタイマーで代用することも可能です。ただし、この場合にはセルフタイマーの明かりで他の撮影者の邪魔にならないように注意しましょう。(明かりが出る部分をパーマセルテープで隠すなど)



光害カットフィルター

必須ではありませんが、可能であれば光害カットフィルターを用意しましょう。

星空撮影では、肉眼では見えなくても麓の街明かりが写真内に入ってしまいます。以下の北岳を撮影した写真では、北岳の両端に街明かり由来の黄色い光が見えています。photoshopで修正を試みたのですが、完全には消すことはできませんでした。

北岳の両端に、街明かり由来の黄色い光が光害として入ってしまった。


様々なメーカーから光害フィルターが発売されていますが、筆者はマルミ製の「StarScape」をおすすめします。



尚、これらの機材を安く購入する方法を、以下記事にて紹介しています。

価格.comが最安!...ではない。カメラ、レンズ、家電をネットで安く買う方法の紹介。
カメラやレンズは、安くても10万円、高いと20万円もします。よって、購入方法(どこでどのように買うか)によって、価格が数千~数万円も違って...



次ページは、星空を撮影しやすい天候条件について紹介します。

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