ED 12mm F2.0で撮る星景写真と設定値の紹介

オリンパス(現・OMデジタルソリューションズ)からは20種類以上の交換レンズが発売されています。それぞれのレンズが得意とする被写体は異なります。では、星空や星景を撮影するためにはどのレンズがいいのか?というと「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0」(以下、ED 12mm F2.0)が最適な選択肢の1つとなります。

理由は2つです。

1つ目の理由は、このレンズの解放F値は2.0となっており、小さい(暗いところに強い、明るいレンズ)部類に入るからです。

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2つ目の理由は、35mm判換算で24mmの広角レンズだからです。広角になるほどシャッタースピードを長くしても星が流れず、点で写るようになります。一般的にマイクロフォーサーズでは夜景のノイズが出やすいとされていますが、明るいレンズと長秒露光を組み合わせることで、ノイズはほとんど気にならなくなります。

今回の記事では、ED 12mm F2.0の特徴、星空・星景撮影の作例、カメラ設定を紹介します。

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ED 12mm F2.0の特徴

以下に、ED 12mm F2.0の特徴を紹介します。

F2.0で明るい

このレンズの解放F値は2.0となっており、明るい部類に入ります。星空撮影をはじめとした暗所撮影において、このレンズは強力なパワーを発揮します。

コマ収差が発生しない

明るいレンズには解放で撮影した場合に画像周辺部において星がくさび形に変形する、サジタルコマフレア(コマ収差)が発生しやすいものがあります。一方、ED12mm F2.0は解放でもコマ収差が発生しない優秀なレンズです。よって、積極的に開放を使うことが可能です。

他メーカーのレンズにおいて、F1.4で撮影した画像の全体図


上記画像の右上拡大図。星がクサビ形に変形している。通称サジタルコマフレア(コマ収差)


軽量・コンパクト

ED 12mm F2.0は、わずか130 gと軽量・コンパクトになっています。特に登山など荷物が制限される場合には、これは大きなメリットとなります。

安い

ED 12mm F2.0の実売価格は、新品で7万円台、中古で4万円台となっており破格の安さです。カメラのキタムラなど専門店で中古レンズを購入することで、良い品質のレンズを安い価格で購入することが可能です。

作例とカメラ設定値の紹介

筆者がED 12mm F2.0で撮影した星景写真の作例と、その際のカメラ設定値の紹介をします。尚、すべての写真において、1枚目はjpeg撮って出し、2枚目はlightroomで編集した写真になります。(どのメーカーのカメラでも、星空や星景を綺麗に見せるためにはraw現像やレタッチが必要不可欠なことが多いです)

上越国境稜線と星空

以下は、半月が空に浮かぶ夜に、上越国境稜線と星空を撮影した作例です。(1枚目はJPEG撮って出し、2枚目はRAW現像)

レンズが広角なため、手前から奥に伸びる稜線と星空とを1枚の写真に収めることができています。解放で撮っていますが、コマ収差は全く発生していません。

JPEG撮って出し。設定はF2, 15s, ISO1000。OM-1で撮影


上記のraw現像後


槍ヶ岳と天の川

以下は、槍ヶ岳をはじめとした北アルプスを前景として、天の川を撮った作例です。(1枚目はJPEG撮って出し、2枚目はRAW現像)

弱い光の天の川をしっかりと描写できています。また、lightroomで暗部を持ち上げることで、山並みも明るく見せることができています。

JPEG撮って出し。設定はF2, 20s, ISO1600。OM-1で撮影


上記のraw現像後


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今回のM.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0の紹介記事は以上になります。

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