【オリンパス】Fisheye PROで撮る星景・星空と設定値の紹介

オリンパス(現・OMデジタルソリューションズ)からは20種類以上の交換レンズが発売されています。それぞれのレンズが得意とする被写体は異なります。では、星空や星景を撮影するためにはどのレンズがいいのか?というと「ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」(以下、Fisheye PRO)が最適な選択肢の1つとなります。

理由は2つです。

1つ目の理由は、このレンズの解放F値は1.8となっており、小さい(暗いところに強い、明るいレンズ)部類に入るからです。

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2つ目の理由は、35mm判換算で16mmの超広角レンズだからです。広角になるほどシャッタースピードを長くしても星が流れず、点で写るようになります。

一般的にマイクロフォーサーズでは夜景のノイズが出やすいとされていますが、明るいレンズと長秒露光を組み合わせることで、ノイズはほとんど気にならなくなります。

今回の記事では、Fisheye PROの特徴、星空・星景撮影の作例、カメラ設定を紹介します。

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ED 8mm F1.8 Fisheye PROの特徴

以下に、Fisheye PROの特徴を紹介します。

F1.8で明るい

このレンズの解放F値は1.8となっており、明るい部類に入ります。星空撮影をはじめとした暗所撮影において、このレンズは強力なパワーを発揮します。

コマ収差が発生しない

明るいレンズには解放で撮影した場合に画像周辺部において星がくさび形に変形する、サジタルコマフレア(コマ収差)が発生しやすいものがあります。一方、Fisheye PROは解放でもコマ収差が発生しない優秀なレンズです。よって、積極的に開放を使うことが可能です。

他メーカーのレンズにおいて、F1.4で撮影した画像の全体図


上記画像の右上拡大図。星がクサビ形に変形している。通称サジタルコマフレア(コマ収差)


フィッシュアイ補正で通常の広角レンズとしても使える

Fisheye proは、その名の通りフィッシュアイレンズといって地平線が歪んで写ることが特徴です。普通のレンズとは変わった写真を撮ることができます。オリンパス以外にミラーレス用の純正フィッシュアイレンズを出しているメーカーはほとんどありません。

一方、フィッシュアイ補正機能を使うことで、通常の魚眼モードから、超広角モードに切り替えて撮影することも可能です。必要に応じて、フィッシュアイモードと通常モードを切り替えることのできる便利なレンズです。

本記事では、フィッシュアイモードと、通常モードの両方の作例を紹介していきます。

作例とカメラ設定値の紹介

筆者がFisheye Proで撮影した星景写真の作例と、その際のカメラ設定値の紹介をします。尚、すべての写真において、1枚目はjpeg撮って出し、2枚目はlightroomやphotoshopで編集した写真になります。(どのメーカーのカメラでも、星空や星景を綺麗に見せるためにはraw現像やレタッチが必要不可欠なことが多いです)

塩見岳とテント

以下は、テントを前景に塩見岳を撮影した作例です。(1枚目はJPEG撮って出し、2枚目はRAW現像後)

超広角レンズは、前景と星空を同時に写すのにちょうどいい焦点距離です。一般的にマイクロフォーサーズはダイナミックレンジが狭い(明暗差に弱い)とされることもありますが、そのようなことはなく、テントの明かりと暗い夜空をどちらも破綻させることなく撮影できていることがわかります。フィッシュアイレンズのため地平線が歪んでおり、一風変わった写真を撮ることができました。

JPEG撮って出し
F1.8, ss30, ISO1000, フィッシュアイ補正無



JPEGをlightroomで現像


北岳とテント

以下は、農鳥小屋、農鳥岳、富士山と星空を撮影した作例です。夜空には天の川が輝いています。(1枚目はJPEG撮って出し、2枚目はレタッチ後)

フィッシュアイ補正を適用することで、地平線を水平に写しています。1枚目と同様に、前景を広く取ることができています。わずかに天の川も見えています。肉眼ではほとんど確認できませんでしたが、撮影するとちゃんと天の川が写っています。

JPEG撮って出し
F1.8, ss40, ISO500, フィッシュアイ補正有(1)


以下のように、RAWデータをレタッチすることで天の川をくっきりと写すことができます。ファイルにはちゃんと天の川の情報が残っているということです。ノイズもまったくありません。よく見ると一部の星が流れて線になってしまっています。これは、シャッタースピードを40秒と長くしたために地球の自転の影響を受けているからです。このレンズの場合、星が流れない限界のシャッタースピードの目安は30秒程度となります。

RAWデータをDxO PureRAWで前処理後、photoshopでレタッチ&トリミング


農鳥岳と天の川

以下は、北岳肩の小屋、北岳、富士山と星空を撮影した作例です。夜空には月が輝いています。(1枚目はJPEG撮って出し、2枚目はレタッチ後)

半月時の撮影になったので、星空だけではなく月に照らされたテント場を明るく写せています。さすがに月は白飛びぎみになっていますが、空、雲海、テント場と明暗差の異なる被写体をすべて破綻させることなく写せています。(フルサイズだったとしても、月を白飛びさせないことは難しいでしょう)

JPEG撮って出し
F1.8, ss15, ISO1000, フィッシュアイ補正有(1)


RAWデータをDxO PureRAWで前処理後、photoshopでレタッチ&トリミング


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今回のED 8mm F1.8 Fisheye PROの紹介記事は以上になります。

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