レンズ交換式のカメラでは、その名の通りレンズを交換することができます。
しかし、レンズの選択肢が多すぎて「どのレンズを使えばいいかわからない」という方も多いと思います。
レンズの特徴は、主に焦点距離とF値によって変わります。よって、まずは撮りたい被写体を決定し、次に焦点距離とF値を決めればよいということになります。
今回の記事では、このうちのF値に着目し、F値の果たす役割や、被写体によってどのようにF値を変えればいいかを紹介します。
この記事や、この記事の最後で紹介する関連記事を読むことで、撮りたい被写体に応じて適切なレンズを選べるようになります。
目次
F値(絞り)の役割1。光の取り込み量
F値を小さくするほど、光を取り込む量が多くなります。
よって、夜景や星空を撮りたいときは、F値を下げて撮影します。以下に、F値を下げて暗所で撮影をした作例を示します。

F1.4, ss30, ISO500, 24mm

F1.4, ss1, ISO1600, 24mm
星空を撮りたいときは、最低でもF2.8以下に設定した方が良いです。
ところが、F値は無限に下げられるわけではありません。レンズの種類によって最低F値が決まります。レンズの商品名に記載されているF〇〇の値が、この最低F値になります。
例えば、富士フイルム社製のXF16mmF1.4 R WR という商品名のレンズの場合、F値を1.4まで下げることができる、ということを表しています。
一方、XF10-24mmF4 R OISの場合、F値を4までしか下げられないことを意味します。
(ただし、このレンズを貶めるつもりはありません。このレンズは明るい場所ではすばらしい写真を量産します。)
夜景や星空を撮りたいときは、なるべくF値が小さいレンズを選びましょう。単焦点レンズであればF2.0以下、ズームレンズであればF2.8以下であれば、F値が小さいと言えます。
F値(絞り)の役割2。写真のボケ
F値を小さくするほど、写真の背景や前景にピントが合わなくなり、ボケます。
反対にF値を高くするほど、写真の奥行全体に渡ってピントが合います。以下に、同じ被写体をF値を変えて撮影した作例を示します。

手前の人物にピントが合っているが、奥の山並はボケている。
F11, ss1/1000, ISO400, 118mm

人物と背後の山並みの両方にピントが合っている。
F22, ss1/400, ISO400, 125mm
ボケを意識した場合のF値の使い分けは、
「特定の被写体を目立たせたいならF値を小さくする」
「風景撮影のように、全体にピントを合わせたいならF値を8程度まで高くする」
と覚えると良いです。
ただし、F値を極端に高くしすぎることには注意点もあります。以下にこの理由を解説します。
(注意点1)暗いところでは気を付けよう
前述のように、F値は光の取り込み量とも相関があります。室内や、うす暗い屋外などで全体にピントを合わせたいがためにF値を上げると、光の取り込み量が少なくなり、その結果として手振れやノイズのひどい写真となってしまいます。
(注意点2)写真の解像度が低下します
風景撮影などで全体にピントを合わせようとしてF値を極端に上げすぎると、写真の解像度が下がります。(これは回折現象と呼ばれる現象のためですが、今回は詳細については割愛します)
一般的に、F値が8のときに写真の解像度が最も高くなります。
F値の上限は、可能なら11、最高でも16程度が良いです。
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今回の記事は以上になります。