レンズによって、吐き出される絵や、得意とする被写体、時間帯が異なります。
どのレンズを付けて山にいこうか、あるいはどのレンズを購入すべきか、悩んでいる方も多いと思います。
そこで今回の記事では、筆者が撮影した写真を交えて、登山にオススメしたいレンズを3種類紹介します。
・すでにレンズを数本とカメラ本体を保有しており、どのレンズを付けて山にいこうか悩んでいる人
・すでに一眼レフカメラやミラーレスカメラを保有しており、登山向けにレンズの買い増しを検討している人
・一眼レフカメラやミラーレスカメラと一緒にレンズの購入を検討している人
尚、以下の記事を読むことで本記事の理解が深まります。
高倍率ズームレンズ
1つめのオススメレンズは高倍率ズームレンズ(便利ズームレンズ)です。
広角域~望遠域の焦点距離をカバーできるレンズを、高倍率ズームレンズと呼びます。
高倍率ズームレンズがあれば、広大な稜線や近くの山並みから、遠くの山のアップ、動物の撮影までを1本のレンズで済ませることができます。
撮影対象が変わってもレンズを交換しなくていい、というのが高倍率ズームレンズの最大のメリットです。
レンズを交換しているうちにシャッターチャンスを逃したり、レンズの交換をためらいそもそも写真を撮らなくなる、などのリスクを回避することができます。
筆者が愛用している富士フイルム社製の高倍率ズームレンズ、XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRを用いて撮影した作例を以下に紹介します。
(このレンズは換算で27-206mmまでの幅広い焦点距離をカバーできる高倍率ズームレンズです。)

広大な稜線を1枚に収めることができた。

剱岳をアップで捉えることができた。

離れた距離にいる雷鳥をアップで捉えることができた。
各社、高倍率ズームレンズを発売しています。
例えば、オリンパスではM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROが高倍率ズームレンズに相当します。換算で焦点距離24-200mmをカバーするレンズです。
超広角ズームレンズ
2つめのオススメレンズは、超広角ズームレンズです。
このレンズは 、
・樹林
・稜線
・複数の山
・山の全体
などの風景を撮影するのに適しています。風景撮影のスペシャリストです。
筆者が愛用している富士フイルム社製のXF10-24mmF4 R OISを用いて撮影した作例を紹介します。
(このレンズは換算で15-36mmの焦点距離となっており、超広角~広角~標準域をカバーするレンズです)

換算焦点距離15mm(超広角域)
離れた距離にある5峰を1枚に収めることができた。

双峰、空、手前の登山道を1枚に収めることができた。

尚、富士フイルムは似たコンセプトのレンズでXF8-16mmF2.8 R LM WRを発売しています。こちらは換算の焦点距離が12-24mmとなり、前述のXF10-24mmF4よりも超広角側に特化した仕様となっています。
XF8-16mmのメリットは、F値が2.8と明るく夜間の撮影に強いこと、防塵防滴仕様となっていること、そして出てくる絵がとにかく綺麗だと言われていることです。
デメリットは、標準域が使えないこと、手振れ補正が使えないこと、そしてとにかく値段が高いことでしょうか。
(手振れ補正については、レンズが明るくシャッタースピードが稼げることと、そもそも超広角域では手振れの影響を受けにくいため、あまり気にする必要はありません)
各社、超広角ズームレンズを発売しています。
例えば、オリンパスではM.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROが超広角ズームレンズに相当します。換算で焦点距離14-28mmの、超広角~広角域をカバーするレンズです。
明るい広角単焦点レンズ
3つ目のオススメレンズは、F値が2.0以下の明るい広角単焦点レンズです。
単焦点レンズではズームはできませんが、その代わりに明るいレンズが多いです。夜明け前のマジックアワー、星空、夜の宴会を撮影するのに最適です。
筆者が愛用している富士フイルム社製の広角単焦点レンズ、XF16mmF1.4 R WRを用いて撮影した作例を紹介します。換算で24mmの広角レンズです。






各社、明るい広角単焦点レンズを発売しています。
例えば、オリンパスやパナソニックではLEICA DG SUMMILUX 12mm / F1.4 ASPH.がこのレンズに相当します。
パナソニックとオリンパスとではマイクロフォーサーズという規格を採用しており、お互いのレンズを使うことができます。
このレンズは換算24mmの広角域をカバーし、F1.4の明るいレンズとなっています。
関連記事の紹介
関連記事を以下に紹介します。
今回の記事中で紹介した一部のレンズについては、以下の記事中でレビューしています。合わせてご覧いただければ幸いです。
ネットショップをうまく利用することで、レンズを数千円~数万円お得に購入することができます。
レンズの購入に迷っている場合には、レンタルして試し撮りすることも可能です。
現在保有しているカメラ機材を売却することで、新しいレンズの購入費用を捻出することができます。高額売却については以下記事をご覧ください。
合わせて購入したい
レンズと同時に購入したいものを以下に紹介します。
登山でレンズを使う際には、保護フィルターを付けることをオススメします。
登山ではレンズにゴミや汚れが付着しやすく、直に拭いてしまうとレンズを傷つけてしまいます。反射率がわずか0.3%のHAKUBA製「XC-PRO」であれば、画質の劣化はありません。コスパの高い保護フィルターです。(レンズの径にあったフィルターを選択しましょう)
レンズキャップに紐を付けましょう。
崖下にレンズキャップが落下してしまうと回収できなくなります。
ブロワーを用意しましょう。
登山ではレンズや保護フィルターに埃や汗が付着しやすいのですが、ブロワーで拭き飛ばせば傷つくことはありません。
ブロワーで拭き飛ばせない汚れについては、レンズクロスで落としましょう。
ティッシュで汚れを落とすと、高確率で傷がつきます。
今回の記事「登山にオススメしたいレンズ3選」については以上になります。
コメント
アラフォー、シンガポール在住で、ヒマラヤに登り始めました。ヒマラヤといっても、日本の山と比べると観光地化が進んでおり、テント泊が必要ない範囲で5000m以上のピークにアクセスできるため、それなりの装備と根性があればむしろ初心者に優しいです。春にランタンを歩き、もっといいカメラで山を撮りたいと思ったのが、ここを訪ねたきっかけです。非常に勉強になりました。今まで私にとってカメラはダイビングで使うだけだったのですが、自分は極めて曖昧にカメラを選んできたんだなーと痛感しました(笑)。他の登山系・写真系サイトからも得るものはありましたが、フルサイズのデカい一眼を使わずにいかに上手に山や星空を切り取るか という記事にはあまりお目にかかれなかったので、そこから色々(代替し得るハイエンドコンデジは無いか?とか)調べるきっかけにもなりました。ホントにありがとうございました!
まきさん
コメントありがとうございます。
そのように言っていただければとてもうれしいです。
あまりコメントが付くことがなかったので、記事を見てくれている人がいると記事執筆のエネルギーになります。
ヒマラヤの写真、是非お目にかかりたいものです。twitterやinstagramなどにアップされた際は、是非一報いただけないでしょうか。