【富士フイルム】星空撮影時のカメラ設定の紹介【おすすめ】

「富士フイルムのカメラを使っているけれど、星の撮影の仕方が分からない/綺麗に撮影できない」と悩んでいる方も多いと思います。筆者は富士フイルムのカメラを使って、計5年間ほど星空を撮影してきています。今回の記事では、富士フイルムのカメラで星空を撮影する際のおすすめのカメラ設定を紹介します。

尚、星を撮影できる天候条件、星空撮影に必要な機材については、以下記事をご覧ください。

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撮影機材の紹介

富士フイルム製のミラーレスカメラ・X-T3を元に今回の記事を記載しています。富士フイルムの他の機種でも、本記事で紹介している設定に大きな違いはありません。

前準備

まず前準備について紹介します。星を撮りに行く前に、明るい場所でこの前準備を実施しておくことが望ましいです。手元が暗くなったり、寒い場所では設定を変更するのに難儀する為です。

シャッタースピード

シャッタースピードを長くするほど星がよく写る一方で、地球の自転の影響を受けて星が流れてしまいます。よって、シャッタースピードは長すぎず、短すぎない値に設定する必要があります。

バランスのよいシャッター速度は計算で求めることができます。計算式を以下に示します。

[星が流れない限界のss]=500÷[換算の焦点距離]

例えば、筆者が用いているFUJIFILM社製のレンズXF16mmF1.4 R WRでは、換算の焦点距離が24mmとなります。この焦点距離を上記の式に当てはめた場合、

    500÷[換算の焦点距離]
  =500÷24
  =20.833…
  ≒20 秒

となり、シャッタースピード20秒が、星が流れない上限となります。

富士フイルムのカメラでシャッタースピードを20秒に設定するためには、まず右肩のダイヤル①を「T」に設定します。次に、液晶画面右上のダイヤル②を回転し、液晶表示を20″にします。

ダイヤル①でTに設定した後、ダイヤル②でシャッタスピードを設定する。


液晶画面の表示が「s.s.20″」となった。これはシャッタースピード20秒を表している。


補足:X-S10等の場合
X-S10など一部機種では、ダイヤルの目盛りが特殊になっており、Tに設定することができません。この場合はM(マニュアル)に設定します。

F値(絞り)→解放~1段絞る

基本的に、F値(絞り)については、解放(最小値)にしましょう。

F値が小さいほど光を多く取り込むため、弱い星を写すことができます。また、ISO感度が下がるために写真の高感度ノイズが少なくなります。

但し、解放F値が1.4のレンズでは、解放から1段絞った方がよい場合があります。この理由は、レンズによってはサジタルコマフレア(コマ収差)と言って、四隅の星がくさび状に変形してしまうことがあるためです。

一般的に、解放F値の小さなレンズの方がサジタルコマフレアが発生しやすいです。また、解放F値が同じでも、レンズの設計によってもサジタルコマフレアの出やすさは異なります。

「自分が使おうとしているレンズではサジタルコマフレアはどれくらい発生するのか?」については、メーカーのホームページを見てもわかりません。ネット上の口コミを参考にするか、実際に自分で星空を撮影してみるしか、それを知る術はありません。

富士フイルムのカメラでは、レンズのダイヤルを回すことでF値を設定することができます。

レンズの絞りダイヤルを回転し、F値を2に設定した。


注意点:レンズによっては目盛りが無い
富士フイルムの大部分のズームレンズには、絞りダイヤルは付いていても目盛りが振られていません。この場合には、液晶にF値が表示されます。よって、液晶を見ながらレンズの絞りダイヤルを回転し、F値を調整します。

F値については、以下記事をご覧ください。

F値(絞り)とレンズの選び方【山岳撮影】
レンズ交換式のカメラでは、その名の通りレンズを交換することができます。 しかし、レンズの選択肢が多すぎて「どのレンズを使えばいいかわ...

フォーカスモード→マニュアル

マニュアルフォーカスモードにしましょう。

星にはオートフォーカスが合わない為です。カメラ本体のレンズ側のダイヤルを「M」にすることで、マニュアルモードになります。

MFアシスト→STD

MFアシストを「STD」モードに設定しましょう。

モードがフォーカスピーキングになっていると、ピーキングの明かりが星と重なってしまい、うまくピントを合わせることができなくなってしまいます。(初期値ではSTDになっています)

設定方法:メニュー→フォーカス設定(2/3)→MFアシスト→STD


フォーカスチェック→ON

フォーカスチェックを「ON」にしましょう。
こうしておくことで、撮影時にマニュアルで星にフォーカスを合わせる際に拡大表示することができるので、ピント合わせが楽になります。

設定方法:メニュー→フォーカス設定(2/3)→フォーカスチェック→ON


ホワイトバランス→蛍光灯3

ホワイトバランスを「蛍光灯3」にしておきましょう。
こうすることで夜空が青みがかって、幻想的になります。

設定方法:十字キー右→ホワイトバランス→蛍光灯3


フィルムシミュレーション→Velvia(ビビッド)

フィルムシミュレーションを「Velvia(ビビッド)」に設定しましょう。
こうすることで夜空が鮮やかに写ります。

設定方法:十字キー左→Velvia(ビビッド)


上限ISO感度→6400以上

限ISO感度を6400以上に設定しておきましょう。
上限ISO感度の初期値は800になっています。800では写真が暗くなりすぎるため、星空が写りません。

設定方法:メニュ→撮影設定(2/2)→感度AUTO設定→AUTO1~3→上限ISO感度


尚、撮影時のISO感度についてはAUTOにしておけば構いません。

大部分の富士フイルムのカメラでは、軍幹部で撮影時のISO感度を設定できる。
星空撮影時にはA(AUTO)で構わないです。


注意点:比較明合成時には、撮影時のISO感度を固定しよう
星を連続して撮影し、複数枚の画像を比較明合成して星の軌跡を描きたい場合には、撮影時のISO感度を固定しましょう。これは、複数枚を連続して撮影していると、稀にISO感度が極端に高い状態で撮影をしてしまうことがある為です。

タイマー→2秒

レリーズシャッターがない場合、セルフタイマーを2秒設定にしましょう。

こうすることで、シャッターを押す瞬間の手振れを防ぐことができます。周囲に撮影をしている人がいる場合、ライトにパーマセルテープを貼るなどし撮影の妨げにならないようにしましょう。尚、一度カメラの電源を切ると、セルフタイマーの設定はリセットされてしまうことに注意が必要です。

設定方法:Q→セルフタイマー


手振れ補正機能→OFF

手振れ補正機能をOFFにしておきましょう。

理由は、三脚使用時には手振れ補正機能が暴走する可能性がある為です。レンズ側に手振れ補正機能が付いている場合には、レンズの手振れ補正機能スイッチをOFFにすればよいです。レンズに手振れ補正機能が付いておらず、本体にのみ付いている場合には、本体の手振れ補正機能を解除する必要があります。

長秒時ノイズ低減→ON or OFF

高感度ノイズを低減したい場合には、長秒時ノイズ低減をONにしておきましょう。

星空撮影のようにISO感度を高くして撮影する場合に、ノイズを低減してくれる機能です。ただし、この機能をONにしてしまうと、撮影時間が倍になってしまいます。例えばシャッター速度が20秒の場合には、40秒になります。

ただし、富士フイルムのカメラは高感度耐性に優れているため、オフにしてもあまりノイズは気にはなりません。筆者の場合はオフにしていることが多いです。

設定方法:メニュ→画質設定(2/3)→超秒時ノイズ低減


注意点:比較明合成時には、長秒時ノイズ低減をOFFにしよう
星を連続して撮影し、複数枚の画像を比較明合成して星の軌跡を描きたい場合には、長秒時ノイズ低減機能をOFFにしておきましょう。この機能をONにしてしまうと、写真と写真の間にタイムラグが発生してしまい、星の軌跡がとぎれとぎれになってしまいます。


次ページでは、現地(撮影時)のカメラ設定を紹介します。

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