登山を数年続けていると「ザック(リュック)が汗臭くなってきた」「ザックを久しぶりに使おうと思ったら、背中パッドの部分にカビが生えていた」などのトラブルに見舞われることがあります。ザックに染み込んだ汗の水分は蒸発してもその中に含まれている皮脂はザックに留まり、そしてその皮脂はカビにとって栄養となるからです。しかし、そのザックを捨ててしまうのは早いです。浴槽で酸素系漂白剤を使ってザックを洗濯することで、ザックにダメージを与えずに悪臭、カビを落とすことが可能です。酸素系漂白剤は、人間の皮脂やカビを分解する一方で、もともとのザックの色を漂白したり、ザックの繊維にダメージを与えることは無いからです。実際に、筆者も1年に1度程度の頻度でザックを洗濯しながらザックを5年間使いつづけていますが、特に問題は発生していません。
今回の記事では、酸素漂白剤を用いたザックの洗濯方法を紹介します。
目次
準備(用意するもの)
まず、洗濯機用洗剤と酸素系漂白剤を用意します。洗濯機用洗剤は何でもよいですが、色落ちさせたくないのであればおしゃれ着用のエマール等が良いでしょう。
酸素系漂白剤には数種類ありますが、ワイドハイター粉末タイプがおすすめです。
洗濯の手順
以下にザック洗濯手順を説明します。
(1)浴槽に洗濯するザックを入れます。
(注意点:ザックの中身が空になっていることを確認しておきましょう)
(2)浴槽にぬるま湯(30~40℃)を溜めます。
(補足:水ではなくぬるま湯を使う理由は、酸素漂白剤の効き目をよくする為です)
(3)浴槽にぬるま湯が溜まったら、洗濯用洗剤と酸素漂白剤を分量入れます
(補足:一般的な浴槽を満杯にした場合の水容量は200Lです。これを目安に投入する洗剤の量を決定すると良いでしょう)
(4)ザックを手で振動させて、洗剤をぬるま湯に溶かすとともにザックを洗濯します。
(注意点:(4)の作業後には手を洗っておきましょう。酸素漂白剤はぬるぬるします。)
(6)ザックを浴槽の中で30分程度放置します。
(7)浴槽の湯を抜きます。
(8)シャワーからぬるま湯を出し、ザックについた洗剤をよく洗い流します。
(9)再度浴槽にぬるま湯を溜めます。ザックをぬるま湯に浸して振動させ、洗剤を落とし切ります。
(10)浴槽のぬるま湯を抜き、ザックを上に持ち上げて水を切ります。
(11)ザックを物干し竿で干します。
補足・注意点
以下に補足、注意点を記載します。
カビの種類によっては落とせない
筆者の経験上、酸素漂白剤で落とすことのできるカビは白カビと青カビです。これらのカビであれば、完全に消すことができます。一方、黒カビを落とすことはできません。
シュラフには酸素漂白剤を使えない
シュラフ(寝袋)やダウンにこの方法を使うことはできません。これらの中身は羽毛になっており、羽毛についている保温性を有する動物性の油を、漂白剤が分解してしまうからです。シュラフやダウンにカビが生えるてしまうまえに、先手を打ってダウン専用洗剤で洗濯することが重要です。
まとめ
筆者のカビの生えたザックをこの手順で洗濯したところ、ザック表面に浮いていた白カビは消え、さらにくしゃみと鼻水が見事に止まりました。
今回の記事は以上になります。