雷鳥の体毛は、冬になると冬毛(白い毛)に生え変わります。冬毛の雷鳥は夏にも増してかわいく、まるで天使のようです。こう聞くと冬毛の雷鳥に出会えるのは稀のようにも聞こえますが、ポイントを押さえることで冬毛の雷鳥に会いやすくなります。冬毛の雷鳥に出会いやすいのは、11月~5月上旬の北アルプスです。さらに、雪面についた足跡を目印とすることで出会いやすくなります。
今回の記事では、冬毛の雷鳥に会いやすい季節と場所、写真集、注意点を紹介します。
目次
冬毛の雷鳥に会いやすい季節と場所
雷鳥が生息しているのは、南アルプス、北アルプス、御嶽山、頚城山塊(火打山、妙高山など)のハイマツ帯です。標高が高くても八ヶ岳などには雷鳥は生息していません。中央アルプスでは、現在雷鳥の繁殖活動が実施されているところです。
これらの山域の中でも、最も雷鳥の生息数が多いのは北アルプスです。南アルプスや頚城山塊では雷鳥の生息数はそこまで多くはなく、会えることは稀です。天気が悪い日や、5月上旬の繁殖期には出会える確率が増えます。
雷鳥の体毛が冬毛となるのは、11月~5月の中旬です。11月のはじめや5月の中旬ごろには、一部の個体では体毛が生え変わっている途中となり、まだらな冬毛模様となっていることもあります。
雪の上で↑マークを見かけたら、それは鳥の足跡です。雷鳥かもしれません。↑の向かう先を目視で探してみましょう。筆者はこの方法で何度も雷鳥を見つけることに成功しています。

写真集
以下に、筆者が撮影した冬毛の雷鳥の写真と、出会った場所・時期を紹介します。
4月上旬の小蓮華岳
以下の写真は、白馬岳の近くにある小蓮華岳で出会った雷鳥です。
・天気…快晴
・山域…小蓮華岳の周辺(北アルプス)




これらの雷鳥に出会った山行記録については、以下記事をご覧ください。

4月下旬の白馬槍ヶ岳
以下の写真は、白馬槍ヶ岳の近くで出会った雷鳥です。
・天気…快晴
・山域…白馬槍ヶ岳の周辺(北アルプス)


これらの雷鳥に出会った山行記録については、以下記事をご覧ください。

4月下旬の鹿島槍ヶ岳
以下の写真は、鹿島槍ヶ岳の近くで出会った雷鳥です。
・天気…晴れのちくもり
・山域…鹿島槍ヶ岳(北アルプス)

これらの雷鳥に出会った山行記録については、以下記事をご覧ください。

いま振り返ると、筆者が雷鳥に出会ったのは北アルプスのみです。北アルプスと同じくらい冬の南アルプスにもいっていますが、雷鳥に出会ったことはありません。やはり北アルプスの方が雷鳥の生息数が多いという証なのでしょう。
注意点
冬毛の雷鳥に会うためには、いくつか注意点があります。ポイントは、人間と雷鳥の両方に危害を発生させないということです。
雪山装備で登る
雪山装備で登るようにしましょう。
冬毛の雷鳥に出会える山域は完全な雪山です。夏山装備で臨むと転倒滑落、低体温症など遭難のリスクがあります。軽アイゼンもNGです。仮に登れたとしても下れなくなります。日帰り冬山装備については以下記事中で紹介しています。

また、装備を持っているからといって、いきなりこれらの山域に登ることも好ましくありません。一般的に冬の北アルプスは難易度が高く、技量が求められるからです。慣れないうちは経験者に同行してもらうようにしましょう。冬の北アルプスの中には、日帰りで登れる山もあります。以下記事や書籍の中で紹介しています。
ハイマツを踏み荒らさない
雷鳥を追い求めてハイマツの中に入らないようにしましょう。
ハイマツは、雷鳥を天敵から隠す役割を果たします。そして踏みつけられたハイマツは数年間は生えてこなくなり、雷鳥の生息域を狭くしてしまいます。
エサを与えない
当然ですが、雷鳥にエサを与えないようにしましょう。
自信が与えたエサを雷鳥が食べる姿はとても可愛いかもしれません。しかし、雷鳥はその食べ物を消化できるとは限らず、器官に食べ物が詰まって窒息死してしまうかもしれません。
雷鳥を追い掛け回さない・近づかない
雷鳥を追い掛け回したり、近づかないようにしましょう。
遠くからカメラで撮るだけに留めましょう。雷鳥をアップでとらえるには、換算で200mm以上の望遠レンズが必要です。

雪庇に近づかない
雪庇に近づかないようにしましょう。
場合によっては、雷鳥が雪庇の上や近いところに立っていることがあります。雪庇は雷鳥程度の重量ではビクともしませんが、人間が乗ると雪庇が崩れて谷底に真っ逆さまに落ちてしまいます。
今回の記事は以上になります。