月の状態によって、撮れる星景写真は変わってきます

「天の川をうまく撮れない」「星景写真(星と風景の写真)を撮ろうとしても、風景が黒く潰れてしまう」などのように悩んでいる方は多いと思います。これは、撮りたい写真と月の状態とが合っていない可能性が高いです。撮りたい写真と、最適な月の状態は以下の関係になります。

撮りたい写真と月の状態との関係
①天の川や、星だけを撮りたい→新月 or 月が地球の反対側にかくれているときが良い
②星景写真を撮りたい→半月が地上に現れているときが良い

①の理由は、天の川のように弱い星の光は、月の光によって見えにくくなってしまうからです。②の理由は、半月が風景を照らしてくれて、尚且つ明るい星の光は半月の光があっても見えるからです。(ちなみに、満月の際には風景が見えやすくなるかわりに、星はほとんど見えなくなります)

今回の記事では、月の状態の調べ方や、月の状態によってどのように撮れる写真が変わってくるかを紹介します。

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月の状態によって撮れる写真の違い解説

新月 or 月が隠れているとき

新月や、月が地球の裏側に隠れているときには、天の川などの弱い星がよく写ります。

以下は、半月が地球の裏側に隠れているときに撮影した星景写真です。天の川がよく写っています。その代わりに、山並みは黒く潰れています。この数十分後に半月が地上に上がってきたときには、天の川は見事に消失してしまいました。

f1.4, ss20, iso1000, 換算焦点距離24mm, jpeg撮って出し


以下も同様に、月が隠れているときに撮影した星景写真です。天の川は見えていますが、手前の妙高山は黒く潰れてしまっています。

f1.4, ss20, iso800, 換算焦点距離24mm, jpeg撮って出し



写真によっては、以下のようにlightroomやphotoshopを使うことで、山並みをある程度見えるように編集することも可能です。

f1.4, ss20, iso800, 換算焦点距離24mm, photoshop編集


半月のとき

以下の写真は、半月(月齢7.2)の月が地上に出ているときに撮影した星景写真です。

星だけでなく、手前の硫黄岳も明るく写っています。その代わりに、先ほどの写真と比べるとやや写っている星の数が少ないことがわかるかと思います。これは、明るさの弱い星が月明りで見えなくなっているためです。

f2, ss20, iso1600, 換算焦点距離24, jpeg撮って出し


以下のようにlightroomやphotoshopを使うことで、星をある程度見えるようにすることも可能です。個人的には、星景写真を撮りたいときには半月のときが最適だと思っています。星と景色の見えるバランスが良いからです。

f2, ss20, iso1600, 換算焦点距離24, lightroom編集後


満月のとき

以下は、満月が地上に出ているときに撮影した星景写真です。

先ほどの半月の例よりもさらに星が見えにくくなった一方で、山並みがはっきりと写っていることがわかるかと思います。ぱっと見、昼間かと勘違いしそうになるくらいです。

f2.8, ss5, iso1600, jpeg撮って出し


以下のようにlightroomやphotoshopを使うことで、弱い星をある程度見えるように編集することも可能です。しかし限度があり、月明りが弱いときに撮影した写真並には星は見えません。

f2.8, ss5, iso1600, lightroom編集後


月の状態の調べ方

月齢カレンダーのホームページから「月の満ち掛けの状態」「月が登る時刻」「月が沈む時刻」を地域別に調べることができます。いつも私がお世話になっているサイトです。

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