センサーサイズが小さかったり、画素数の大きなカメラでISO感度を高くして夜景を撮ると、高感度ノイズが目立ちます。かといってlightroomでノイズ低減処理を施すと、被写体のディテールが崩れたり、弱い星が見えなくなってしまいます。
そこで、DxO PureRAWをおすすめします。DxO Pure RAWは、ディテールを崩すことなくRAWファイルの高感度ノイズを低減できる前処理ソフトです。lightroomのノイズ低減処理機能よりもはるかに優秀です。今回の記事では、星景写真等にDxO PureRAWを適用し、写真の高感度ノイズを低減した例を紹介します。
目次
使い方紹介
DxO PureRAWの使い方(概要)を紹介します。
(1)DxO PureRAWにRAWファイルを取り込みます。
(2)左上の「画像を処理」をクリックします。

(3)RAW処理方法を「HQ」「PRIME」「DeepPRIME」から選択します。後者になるほど綺麗にノイズを除去してくれる代わりに、処理時間が長くなります。
(4)DxO光学補正の有無を決定します。通常は有で良いです。
(5)出力形式をJPGかDNGから選択します。DNGにした場合には、別途lightroomやphotoshopで現像する必要があります。
(6)インストール先フォルダ(処理したデータを保管するフォルダ)を指定します。
(7)「処理する」をクリックします。

使用機材の紹介
カメラ本体にはOM-D E-M5 MarkⅢを、レンズにはM.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8を使用しました。いずれもオリンパス製です。このカメラのセンサーサイズはフォーサーズとなっていて、フルサイズセンサーと比べると暗所ノイズが出やすくなっています。よって、DxO PureRAWの使用により適しています。
処理条件
以下の星景写真に対して、以下の3つの処理を行い比較をすることにしました。
(a. 実施例)上記のカメラとレンズで撮影したrawデータをDxO PureRAWのDeep Primeモードで処理した後、lightroomで暗部を持ち上げる処理を行ないました。
(b. 参考例1)lightroomを使い、rawデータで暗部を持ち上げる処理を行いました。
(c. 参考例2)参考例1の処理ののちに、山のノイズが消えるギリギリの調整量で、lightroomに備わっているノイズ低減処理を施しました。

実施例紹介
以下に実施例を紹介します。



星
全体図では分かりにくいので、写真中央やや上の星を拡大した写真を以下に示します。(a)のDxO PureRAWでは、(b)参考例1と比べて空のノイズが消えていることが分かります。また(a)と(c)参考例2とを比べると、ノイズの出方は同程度であるものの、(a)の方が弱い星が消えずに残っていることが分かります。



山
同様に、写真中央やや下の山を拡大した写真を以下に示します。(a)のDxO PureRAWでは、(b)参考例1と比べて岩山のノイズが消えていることが分かります。また(a)と(c)参考例2とを比べると、ノイズの出方は同程度であるものの、(a)の方が岩山のディテールが残っていることがわかります。



これらの結果から、DxO PureRAWはディテールをつぶすことなく、ノイズを低減できる優秀なソフトであると言うことができます。
扱うことのできるファイル形式
DxO PureRAWで処理することのできるファイル形式は、各社のRAWデータのみです。JPEGの処理はできません。また、富士フイルムのXシリーズのカメラで撮影されたRAWデータには対応していません。というのも、XシリーズのカメラではX-TRANS配列と言って、センサーの配列が特殊になっている為です。将来的に対応されるのを待ちたいところです。
2022年2月にDxO PureRAW 2が発売され、富士フイルムのXシリーズに対応しました!

料金体系
DxO PureRAWの価格は¥12,900で、買い切りとなっています。adobeでは年間¥12,936掛かり毎年更新が必要なことを考えると、破格の安さであると言えるのではないでしょうか。
今回のDxO PureRAWの紹介記事は以上になります。尚、以下記事にて各社ノイズ低減ソフトの比較を実施していますので、合わせてご覧ください。
