平地の天気予報だけを見て、山に登りにいくのは危険です。なぜならば、平地では微風で晴れていても、山の上はガスが掛かっていて視界不良になったり、あるいは風速15m/sを超す強風が吹くこともあるからです。そこで、山専門の天気予報を見ると良いです。今回の記事では、筆者が使っている山の天気予報サイトをご紹介します。
目次
てんきとくらす
1つ目はてんきとくらす(通称:てんくら)です。
てんくらの特徴は、なんといっても対応する山域数が多く、全国1,000カ所以上の山の天気を1週間先まで予想できることです。てんくらでは、雨が降らず風が弱い場合には登山日和A, 降雨量か風が強く登山に適さない場合にはC, これらの中間の場合にはBが表示されます。googleで「てんきとくらす 〇〇山」と検索すれば、まず間違いなく調べたい山のてんくら予報がヒットします。
ただし、てんくらはコンピューターが自動で天気を予報しています。そのため、やや予報精度には劣ります。
- 無料で使える
- 1週間先まで予想可能
- 予報精度はやや悪いとされる
ヤマテン
2つ目はヤマテンです。
ヤマテンの特徴は、なんといっても予報精度が良いとされていることです。山専門の気象予報士の方が、解説文付きで天気を予報してくれるからです。登山ベテランの方は、ほぼもれなくヤマテンの有料会員になっていると言っても過言ではありません。筆者の周りでもヤマテンに登録していない人は皆無です。
ヤマテンでは、以前は全国10程度の山域にしか対応していませんでした。現在では全国330山域に対応しており、使いやすくなりました。
- 予報精度が良い
- 有料(月額300円)
- 2日先までしか予報できない(毎日16時ごろに発表)
SCW
3つ目はSCWです。
SCWでは、将来の雲の動き予報を可視化できます。右下の表示を「広域」にすることで、1週間先までの雲の動きを予想することができます。SCWのメリットは、なんといってもピンポイントで雲の動きを予想することができる点です。山では、隣りあう県でも片方は晴天、もう片方は曇天というきわどい天気の場合があります。このような場合に、どちらの山にいくべきかを最終判断する用途にも使えます。
- ピンポイントで雲の動きを予報可能
- 1週間先まで予報可能
- 無料で利用可能
tenki.jpの天気図
4つ目は、tenki.jpの天気図です。
このサイトでは高気圧、低気圧、前線の動きを4日先まで予報できます。大まかにいうと、登る山の近辺を高気圧が覆っていれば快晴で、低気圧や前線が近くにいると悪天候だと判断できます。ただし、天気図の見方は奥が深く、一概には言えません。1~3つ目の天気予報サイトと合わせて天気図をチェックすることで、徐々に天気図から天気を判断できるようになってきます。
- 無料で利用可能
- 4日先まで予報可能
- 高気圧や低気圧だけではなく、前線まで予報可能
- 風速や降雨量自体は、このページには表示されない。
JWA気象情報の天気図
5つ目は、JWA気象予報の天気図です。
JWA気象予報の特徴は、なんといっても1週間先までの天気図を予報できることです。さらに、このような長期予報型の天気図予報サイトには前線が表示されないことが多いのですが、JWAでは前線まで表示することが可能です。ただし、前述のtenki.jpと比べると図がやや小さく、視認性には劣ります。(情報種別選択を短期予報にすることで、拡大図を表示可能)
- 無料で利用可能
- 1週間先まで予報可能
- 高気圧や低気圧だけではなく、前線まで予報可能
- 風速や降雨量自体は、このページには表示されない。
注意点
これらの天気予報サイトには積雪状況は反映されていません。たとえば、てんくらで予報がAになっていたとしても、登山道には積雪や凍結があり夏山装備では登れないこともあります。
特にこの傾向は東北や北アルプスにおいて顕著となります。北アルプスの夏山登山適期は7~9月であり、しかもこの期間であっても一部登山道ではアイゼンが必要な場合もあります。不安な場合には、かならず近くの山小屋に電話をし登山道の状況を確認してから登るようにしましょう。
今回の記事は以上になります。