オリンパスやパナソニックのGシリーズのミラーレスカメラでは、マイクロフォーサーズマウントが採用されています。マイクロフォーサーズには「軽量」「コンパクト」「安価」「手振れ補正が効きやすい」といったメリットがあります。筆者も登山で愛用しています。
一方で、マイクロフォーサーズには以下のようなデメリットがあります。
②高感度ノイズ(ISO感度を高くしたときのノイズ)が出やすいので、夜景に不利
③高画素化しにくいので、大型印刷やトリミングに不利
①については、マイクロフォーサーズではフルサイズよりも2段程度ボケにくいです。②についても、同様に2段程度ノイズが出やすくなっており、マイクロフォーサーズのISO1600とフルサイズのISO6400ではノイズの出方は同程度になります。③については、フルサイズでは6,000万画素のカメラもある一方で、マイクロフォーサーズでは2,000万画素に留まっています。
しかし、最近はAIが発達してきており、上記のデメリットを写真編集で解消することが可能です。今回の記事では、マイクロフォーサーズのデメリットを解消することのできる、AIを搭載した写真編集ソフトを3つ紹介します。
目次
写真編集ソフトの紹介
人物の背景をボカす(Luminar AI)
人物の背景をボカすためには、Luminar AIのポートレートボケ機能がおすすめです。Luminar AIには、その名の通りAIを多用した独創的な機能が多数ついており、ポートレートボケ機能はこの中の一部になります。
以下は、写真素材サイト・ぱくたそさんから拝借した女性の写真です。データ形式はJPEGです。

上記の写真をLuminar AIで編集し、背景をボカしてみます。写真をLuminar AIに取り込んだ後、編集→ポートレート→ポートレートボケをクリックするだけで、ソフトが自動で人物の範囲を指定してくれます。所要時間はわずか数秒です。


ぼかした写真を以下に示します。左が元写真、右がぼかした写真です。見事に背景がボケたのがわかるかと思います。副次的効果として、はねた髪の毛を消してくれる効果もあるようです。
ボケ具合を調整することも可能です。以下左はボケ度50, 右は100です。100の方がよりボケていることがわかるかと思います。
以下に、別の例を示します。左が元写真、右がぼかした後です。着目してほしいのは、背景全体を均一にぼかすわけではなく、もともとのボケ量の少ない椅子のボケ量は少ない一方で、背景は大きくボケていることです。
現在のところ動物、植物、無機物の背景を自動でボカすことはできません。Luminar AIのポートレートボケ機能は2021年7月頃に登場した新しい機能なので、今後の発展を待ちましょう。
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Luminar AIにはこのほかにも様々な機能が付いています。これについては以下記事をご覧ください。

高感度ノイズの低減(DxO PureRAW)
夜景や室内を撮影してISO感度が高くなった場合には、DxO PureRAWを使うと良いです。DxO PureRAWはRAWデータの前処理ソフトで、lightroomやphotoshopなどとセットで使います。
以下は、マイクロフォーサーズマウントを搭載したオリンパス製のミラーレスカメラ・OM-D E-M5 Mark Ⅲで撮影した夜景です。RAWデータを元に、lightroomで暗部を持ち上げています。山並みや空にノイズが出ているのがわかるかと思います。
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以下右にDxO PureRAWの適用例を示します(DxOを適用した後に、lightroomで暗部を持ち上げています)。左は先ほどのlightroomを単独で使用した参考例です。右側のDxO PureRAWを適用した作例の方がノイズが減っていることがわかるかと思います。しかも、山のディテールが損なわれておらず、なおかつ弱い星の光も消えていないことがわかります。lightroomにもノイズ低減機能が備わっていますが、山のディテールが損なわれたり、弱い星が消えてしまいます。
DxO PureRAWについての詳細は、以下記事をご覧ください。

高画素化(Photoshop, lightroom, Topaz Gigapixel)
4Kモニタでは、写真の解像度は800万画素があれば十分だとされています。しかし、大きくトリミングしたり、大きな紙に印刷したい場合には画素数を増やしたいこともあるでしょう。このような場合には、Photoshopやlightroomに備わっているスーパー解像度機能や、Topaz Gigapixel AIというソフトを使うと良いです。
以下は、五色ヶ原山荘と薬師岳を撮影した作例です。

遠目には解像度に問題がありませんが、以下のようにトリミングをすると荒さが目立ちます。


上記写真にGigapixel AIを適用して解像度を2倍(縦2倍、横2倍)にし、さらに拡大した例を以下に示します(今回はJPEGを用いました、rawを使うことも可能です)。左が元写真、右が適用後です。Gigapixel AIの適用後では、明らかに解像度が上がったことがわかるかと思います。特に不自然な点も見当たりません。
Topaz Gigapixel AIを、photoshopやlightroomのプラグインとして利用することも可能です。
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まとめ
今回の記事のまとめや補足を以下に記載します。
- 今回紹介した3つのソフトは、単独ではなく複合して使うこともできます(例…DxO PureRAWでノイズを低減する→Topaz GigaPixelで解像度を高める→Luminar AIで背景をボカす)
- フルサイズ、APS-C、コンデジでも今回のソフトを使うことが可能です。
今回の記事は以上になります。