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カメラ設定
カメラの設定値を星空撮影用に変更します。星空撮影の場合、カメラのほぼすべての設定値をマニュアルで設定する必要があります。
尚、以下記事では富士フイルム製のカメラ向けに特化して、星空撮影時のカメラ設定を紹介しています。

シャッタースピード(SS)
シャッタースピードを長くするほど星がよく写る一方で、地球の自転の影響を受けて星が流れてしまいます。よって、シャッタースピードは長すぎず、短すぎない必要があります。
バランスのよいシャッター速度は計算で求めることができます。計算式を以下に示します。
[星が流れない限界のss]=500÷[換算の焦点距離]
例えば、筆者が用いているFUJIFILM社製のレンズXF16mmF1.4 R WRでは、換算の焦点距離が24mmとなります。この焦点距離を上記の式に当てはめた場合、
500÷[換算の焦点距離]
=500÷24
=20.833…
≒20 秒
となり、シャッタースピード20秒が、星が流れない上限となります。
F値
F値については、解放(最小値)にしましょう。
F値が小さいほど光を多く取り込むため、弱い星を写すことができます。また、ISO感度が下がるために写真の高感度ノイズが少なくなります。
解放F値が1.4のレンズでは、解放から1段絞った方がよい場合があります。この理由は、レンズによってはサジタルコマフレア(コマ収差)と言って、四隅の星がくさび状に変形してしまうことがあるためです。
一般的に、解放F値の小さなレンズの方がサジタルコマフレアが発生しやすいです。また、解放F値が同じでも、レンズの設計によってもサジタルコマフレアの出やすさは異なります。
「自分が使おうとしているレンズではサジタルコマフレアはどれくらい発生するのか?」については、メーカーのホームページを見てもわかりません。ネット上の口コミを参考にするか、実際に自分で星空を撮影してみるしか、それを知る術はありません。

明るい星がくさび状に変形してしまっている。
ISO感度
AUTOで良いです。
ホワイトバランス(WB)
これは好みもあるのですが、ホワイトバランスを蛍光灯に変更しましょう。
理由は、ホワイトバランスをオートにすると、写真が全体的に黒くなってしまい見栄えが悪くなるからです。蛍光灯にすることで、全体的に青く美しい写真にすることができます。
尚、同じようなホワイトバランスモードで電球というものがありますが、こちらは青くなりすぎてしまうためあまりおすすめしません。
露出補正
±0で良いです。
手振れ補正機能
手振れ補正機能をOFFにしておきましょう。
理由は、三脚使用時には手振れ補正機能が暴走する可能性がある為です。
セルフタイマー
レリーズシャッターがない場合、セルフタイマーを2秒設定にしましょう。
こうすることで、シャッターを押す瞬間の手振れを防ぐことができます。周囲に撮影をしている人がいる場合、ライトにパーマセルテープを貼るなどし撮影の妨げにならないようにしましょう。
ピント
ピントをマニュアルモードにしましょう。オートでは星空にピントは合いません
最も明るい星にカメラを向け、ライビュ―で拡大表示し、星が最もにじまないようにピントを合わせます。(一部、オリンパスの機種に星空自動ピント合わせ機能が搭載されてます)
(FUJIFILM限定)フィルムシミュレーション
これは筆者が使っている富士フイルム社製カメラ限定の機能になります。
フィルムシミュレーションをVelvia(ビビッド)モードに設定しましょう。色彩が鮮やかになり、美しい写真に仕上がります。
以下に例を示します。左側が通常モード(Provia)で、右側がVelviaモードで撮影した写真になります。空の鮮やかさが増しました。

RAW
JPEG撮って出しではなく、RAW画像で記録するようにしましょう。
こうすることで、ホワイトバランス、露出補正、フィルムシミュレーションを後で設定しなおすことができます。また、RAW現像ソフトを使用すればその他の設定を変更し星を炙り出すことも可能です。

構図
ここまで来たら構図を決めてシャッターボタンを押すのみです。是非、前景に山を入れましょう。星空だけを写すのであれば、地上でもできます。山と星空を一緒に移すことができるのが、山岳星空撮影の醍醐味です。

f1.4, ss20, iso5000, 24mm
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今回の記事は以上となります。