ホワイトバランス(WB)は、写真の色を変更できるカメラの機能です。
通常、ホワイトバランス設定はオートになっており、カメラが自動で被写体の色を自然な色味に合わせてくれます。一方、ホワイトバランスをマニュアルで設定することで、写真の色を変化させることができます。ホワイトバランス設定には何種類かあり、それぞれ以下のように写真の色が変化します。
・日陰、曇天…赤みがかった色
・蛍光灯、電球…青みがかった色
ホワイトバランス設定をマニュアル設定で変更することで、写真の雰囲気をガラッと変えることができます。今回の記事では、筆者が撮影した写真を元にしてホワイトバランス変更の実例と、シーン別のおすすめ設定を紹介します。
(補足)ホワイトバランスの変更は一眼レフやミラーレスカメラのみならず、コンデジやスマホでも行うことができます。
目次
作例紹介
ホワイトバランス変更の実例を以下にご紹介します 。尚、すべての写真はJPEG撮って出しです。尚、RAWデータで撮影をすることで、後からホワイトバランスを変更することができます。
日陰、曇天
紅葉、朝日、夕日、モルゲンロート、アーベントロート、マジックアワーなどの赤やオレンジ色が大部分を占める写真では、WBを曇天にすることで赤みを強調することができます。
以下の写真は、10月の雲取山登山道にて紅葉を撮影したものです。左がWBオート、右が曇天設定です。オートでも紅葉の赤みは表現できていますが、曇天にすることでより赤く写すことができました。
以下の写真は、朝焼けに染まる冬の仙丈ケ岳を撮影したものです。いわゆるモルゲンロートです。左がWBオート、右が曇天設定です。オートでもモルゲンロートの赤みは表現できていますが、曇天にすることでより赤く写すことができました。
以下の写真は、富士山と、その横から登る朝日を撮影したものです。左がWBオート、右が曇天設定です。オートでは写真上に空の青い部分が残っていますが、曇天にすることで写真全体を赤くすることができました。
蛍光灯、電球
星空、氷など冷たさを表現したい写真や、マジックアワーなど青色が大部分を占める写真では、WBを蛍光灯や電球にすることで青みを強くでき、よりよい写真にできることがあります。尚、蛍光灯よりも電球の方が、より青みが強くなります。
以下の写真は、3月の雪山でエビのしっぽを撮影したものです。左がWBオート、右が電球設定です。オートの場合には白っぽい写真となりますが、電球とすることで青みが強くなり、氷の持つ冷たさを表現できました。
以下の写真は、2月の乗鞍高原を撮影したものになります。1枚目がWBオート、2枚目が蛍光灯、3枚目が電球設定です。オートの場合、空が黒くなり味気ない雰囲気となりますが、蛍光灯にすることで紫がかり、幻想的な雰囲気となりました。電球設定では青色となりますが、本来は赤い星も青く写ってしまうためやりすぎかもしれません。



今回の記事は以上となります。尚、lightroomやLuminar4といったRAW現像ソフトを使うことで、写真の色を調整できる幅が広がります。

