写真好きな方であれば、カメラ内現像や、メーカー付属の無料ソフトで現像をする方が多いと思います。
ホワイトバランス、露出補正etc…
しかし、やはりカメラ内現像やメーカー付属のソフトには限界があります。
そこで、有料の写真現像ソフトを使うことで、写真の画質を1次元高めることができます。
プロ写真家やハイアマの方々は、jpeg撮って出しの写真を使うことはなく、必ずと言っていいほど写真現像ソフトを使っています。そして写真現像ソフトの中でも最もシェアの高いものが、adobe社から発売されているlightroomになります。
lightroomを使うと、主に以下の作業が可能になります。
・白飛び・黒飛びしている写真→飛んでいる箇所を見えるようにできる
・背景がかすんでいる→かすみを除去し青空にできる
・もっと鮮やかだった記憶があるのに、色味が薄い→色味を自由自在に操れる
・記憶よりも写真が固い、あるいはやわらかい→写真の固さを変更できる
ちなみに、lightroomを使いこなせるようになると、美しい星空の写真を現像する、といったことも可能になります。


星空の写真を現像するためには、lightroomを自由自在に使いこなす必要があります。
千里の道も一歩から、ということで、今回の記事では、筆者の撮影した写真を元にlightroomの基本機能を7つご紹介します。
目次
白飛びを無くしたい(ハイライト)
以下の写真では、背景の空や雪山が白飛びしています。
原因は、風雨の吹きすさぶ稜線上にて、オートモードで瞬時に撮影した結果カメラが露出を間違えてしまった為です。撮影しなおすこともできませんでした。

そこで、lightroomにて「ハイライト」を初期設定の0から-63まで下げることで、背景の白飛びを無くして復活させます。

以下の写真にて左が編集前、右が編集後です。
見事に山の白飛びが無くなり、見えるようになりました。
黒く潰れている箇所を復活させたい(シャドウ)
以下は、白馬頂上宿舎から、朝の山並みと雲海を撮影したものです。
背景の空や雲海は適正露出となっていますが、前景の山並みが黒く潰れてしまっています。
現地で目視した際には山並みをはっきり視認できていたのですが、写真にすると見えなくなってしまうのはよくある事です。

そこで、lightroomの「シャドウ」初期設定の0から100まで上げることで、前景の山並みを明るくし復活させます。

シャドウを上げます。
今回はシャドウだけではなく、ハイライトなどその他の項目も調整しています。
以下の写真にて、左が編集前、右が編集後です。
見事に前景の山並みが見えるようになりました。
空の霞みを無くして、被写体を見えるようにしたい(かすみの除去)
以下は、丹沢登山中に富士山を撮影したものです。
この日は空気が霞んでおり、富士山の視界もイマイチでした。

そこで、lightroomにてかすみの除去初期設定の0から40まで上げ、富士山を見えるようにします。

以下の写真にて左が編集前、右が編集後です。
空気の霞みが消え、富士山がよく見えるようになりました。
鮮やかにしたい(自然な彩度、彩度)
以下は、日の出前のマジックアワー(地平線がオレンジや青のグラデーションに染まる時間帯)を撮影したものです。
これはこれで綺麗なのですが、記憶よりも鮮やかさが欠けるように思えました。

そこで、lightroomにて「自然な彩度」を初期値の0から20まで、「彩度」を初期値の0から43まで上げることで、より鮮やかにします。

以下の写真において、左が編集前、右が編集後です。
空の鮮やかさが増しました。
ふんわりとさせたい(テクスチャ、明瞭度)
以下の写真は、4月に山麓から桜と越後三山を撮影したものです。

この写真はこれはこれでいいと思いますが、筆者の中で桜はもっと柔らかい印象があります。
そこで、テクスチャや明瞭度を下げると、写真を柔らかくすることができます。
今回は、テクスチャを初期値のを0から-53まで下げます。

以下の写真で左が編集前、右が編集後です。
どうでしょうか。
桜や山並みが柔らかい印象に変化しました。
立体感を出したい(テクスチャ、明瞭度)
以下の写真は、北アルプスの写真を眺める登山者たちを撮影したものです。

北アルプスの写真は平面なので、イメージよりも立体感が無いように感じました。テクスチャや明瞭度を上げると立体感を出すことができます。
今回は、明瞭度を初期値の0から79まで上げます。

以下の写真で左が編集前、左が編集後です。
アルプスに立体感が出たのがわかるかと思います。
赤く暖かい印象にしたい(色温度)
以下は、乗鞍岳の稜線上から朝焼けに染まる御嶽山を撮影したものです。
記憶ではもっと赤く染まっていたのですが、写真を見返すとそこまで赤くは見えません。

そこで、lightroomで「色温度」初期値の5000から9930まで上げ、写真を赤くします。
(彩度も0から66まで同時に上げています)

以下の写真で左が編集前、右が編集後です。
山や空が赤くそまり、朝焼けの感じが出てきました。
記憶と近くなりました。
青く冷たい印象にしたい(色温度)
以下は、山梨県の氷穴の中で、巨大な氷の柱を撮影したものです。
これはこれでいいのですが、色が白く氷の冷たさがあまり伝わってきません。

そこで、lightroomにて「色温度」を初期値の5000から2625まで下げ、氷を青くします。

以下の写真で左が編集前、右が編集後です。
氷が青くなり、冷たさが表現できました。
lightroom使用上の注意点
lightroom使用上の注意点をお伝えします。
RAWデータから編集しよう
lightroomで写真編集をする際の元データとしては、jpegよりもrawデータを使うことをオススメします。
理由は、rawの方が情報量が多く、写真編集しても画像が破綻しにくいからです。
jpegでも編集はできますが、ノイズが出やすかったり、白飛びや黒飛びを消したときにディテールが復活しにくいです。
パラメーターのいじりすぎには要注意
パラメーターをいじれば極端な写真を作製可能ですが、個人的にはパラメーターのいじりすぎはオススメしません。
あくまでも、撮影時に目で見て感じた雰囲気を再現する範囲に留めておいた方がよいでしょう。
過ぎたるは及ばざるがごとしです。
パラメーターは1つずつ追い込もう
慣れるまでは、パラメーターを1つずつ追い込みましょう。
(例えば、色温度、シャドウ、かすみの除去を同時に変更するのはやめましょう、ということです)
これは、一度に複数パラメーターをいじって現像して目的の写真が出来なかった場合に、どのパラメーターを微調整すればいいのかがわからなくなるからです。
「lightroom classic」と「lightroom」の違い
lightroomを購入すると、もれなく「lightroom classic」と「lightroom」の2種類がダウンロードできます。
前者の方が調整できるパラメーターの種類が多く、写真編集にオススメです。
後者はどちらかというと、写真管理の用途に強くなります。
フォトプランがオススメ
lightroomを使用可能なプランは契約複数あります。
この中でも、月額980円で利用可能なフォトプランをオススメします。
lightroomの他に、photoshopも使用可能となるとてもコスパの良いプランです。
ちなみに、lightroomだけを購入した場合でも、月額は980円となり変わりません。
lightroomを使いこなせるようになると、美しい星空の写真を現像したりなど、様々なことができるようになります。
今回の記事は以上になります。

