【厳冬期・雪山登山】塩見岳~長く険しい道の果てに~

2019年12月28~30日の日程で、塩見岳に雪山テント泊登山にいってきました。

塩見岳の紹介

塩見岳は、南アルプスの中央に位置する、標高3,052mの山です。
山名の由来は、山頂から海(駿河湾)が見えることと、山麓で塩が取れることの2説があります。

無雪期の塩見岳には、一泊二日で登ることができます。
一方冬季には手前の道路が閉鎖され、体力と技術力の両者を求められる、難しい雪山と化します。
二日目のコースタイム10時間の行程、天狗岩のトラバース、山頂直下の岩とアイスのミックス、等々…。

登山ルート詳細

本ルートの詳細を以下に記します。

(初日)鳥倉林道冬季ゲート→三伏峠[コースタイム6時間]
(二日目)三伏峠→塩見岳山頂→三伏峠[コースタイム10時間]
(三日目)三伏峠→鳥倉林道冬季ゲート[コースタイム5時間]

本ルートについては、山と渓谷社の「厳選 雪山登山ルート集」に詳細が記されています。
雪山では雪崩防止のため、通行できるルートが限られています。
必ずルートを下調べしてから通行するようにしましょう。

林道歩き

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時刻は12/28未明。
鳥倉林道冬季ゲートの駐車場へとやってきました。
星空がきれいです。


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冬季ゲートの300m手前の地点が駐車場になっていて、5台程度駐車可能です。
ここに停められなかった場合には、林道の路肩に駐車をすることになります。
林道工事のトラックが通行するため、確実に邪魔にならない場所に停める必要があります。
ちなみに、この駐車場にトイレはありません。


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冬季ゲートをくぐり登山開始です。
序盤は3時間弱の長い林道歩きです。


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日の当たらない箇所は積雪しています。
車輪の跡はアイスバーンになっていて滑りやすいので、うまく凍っていない箇所を歩くのが良いでしょう。


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いたるところに落石があります。
歩いていても、落石の音が頻繁に聞こえてきます。
念のためにヘルメットを付けておくとよいでしょう。


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林道からは、たまに中央アルプスが見えます。


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木々の隙間から中央アルプス。


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夕立神パノラマ公園にやってきました。


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夕立神パノラマ公園のトイレは、この時期でも利用可能です。
洋式のキレイなトイレです。
ただし、トイレットペーパーは要持参です。

ここを逃すと、三伏峠までトイレはありません。


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まだまだ林道は続きます。
今回、魚眼レンズをレンタルしてきました。
こんな感じに横の歪んだ不思議な写真を撮れるレンズです。


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南アルプス南部の山々がたまに顔を覗かせます。


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二カ所目のゲートを超えていきます。
夏の時期は、ここまで車で入れるのですが…


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夏ゲートの横には文字の消えかけた木板がありました。
文字を拾って読むと、「ライチョウ…ペット….?」
家で雷鳥を飼えたら可愛いでしょうね。
ライチョウは暑さに弱いので、冬でも冷房全開で過ごす必要がありそうですが….


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このあたりで、マウンテンバイクに乗った登山者に追い越されました。
なるほど、その手があったか。
積雪やアイスバーンの箇所だけ自転車を降りれば、自転車はショートカットにとてもよいです。


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気温は氷点下。
滝も氷る寒さです。


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何カ所目かのカーブを超えて


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さらに超えて


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鳥倉登山口に到着しました!


三伏峠

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山道の始まりです。
雪は少ないので、ツボ足(ノーアイゼン)で登っていきます。


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あ、野生の山鳥が、飛び出してきた!


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木の隙間から顔を出す山鳥さん。
か、かわいい…。


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小枝の上に留まる山鳥さん。
ちなみに、今回のヤマメシは麓から持参した鶏肉です。


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山鳥トラップに引っ掛かること数分。
気を取り直して登っていきます。


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登山道からは、たまに周囲の展望が効く箇所があります。
こちらはおそらく小河内岳。
今回のルートでは、塩見岳の代わりに小河内岳を目指すこともできます。


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何度目かの中央アルプス。


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登っていきます。
推定重量25kgのザックが、じわりじわりと体力を奪っていきます。
もはや亀の歩みです。


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初日は三伏峠にて幕営予定です。
なぬ、まだ半分しか登っていないのか…。


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木の隙間から差し込む光が美しいです。


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山座同定できず。


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今回のメインカメラはオリンパスのOM-Dシリーズです。
オリンパスブルーと言って、空の青が淡く美しく写ります。


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左は荒川三山。
山深い山域のため、積雪期には容易に近づくことはできません。


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まだまだ登ります…。
体力が疲弊しており、腕と足がバラバラにしか動きません。
亀を通り越してゾンビウォークみたいになってます。


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やった!
後200歩で幕営地・三伏峠に到着です。


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三伏峠小屋を視界に捉えました!
砂漠のオアシス、いや、ゾンビにとっての生血です。


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当然、この時期には三伏峠小屋は締まっています。
ただし、冬季小屋は開いていますし、トイレもあります。
冬季小屋が満杯だったときに備え、かならず幕営用具を担ぎ上げるようにしましょう。


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三伏峠のテント場。
地面を整地し、幕営します。


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時刻は移り、夕方4時過ぎ。
アーベントロートに染まる蝙蝠岳です。
長かった一日目が終わりを告げようとしています。


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こちらは塩見岳。
明日登頂予定です。


二日目。塩見小屋まで

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二日目の始まりです。
この日はコースタイム10時間の長丁場となるため、まだ暗い朝4時に出発します。
地面が凍っていることを恐れ、序盤は12本アイゼンとダブルストックで登っていきます。
(ただし、後々必要になるため、ヘルメットとピッケルも忘れずに持っていきます)


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三伏山のあたりにて。
駒ケ根市街地の街明かりです。


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暗闇を歩くこと約2時間。
地平線がマジックアワーに染まってきています。
夜明けはもうすぐです。


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塩見岳のシルエット。
樹林帯の隙間から、たまに展望が効きます。


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塩見小屋の手前までは、アップダウンの多い嫌らしい尾根です。
ちなみに、今回はトレースがバッチリついているため、ツボ足(ノーアイゼン)か軽アイゼンが登りやすいです。
一方、ブログ主はアイゼンケースをテント場に忘れてきたため、12本アイゼンを終始付けることを余儀なくされています。
足元が重い…。修行ですね。


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塩見小屋まであと40分!


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塩見小屋の手前で、長かった森林限界を越えます。


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左は間ノ岳、右は農鳥岳です。
南アルプス北部の山々が良く見えます。


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こちらは仙丈ケ岳。


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左の乗鞍岳から、右の後立山まで、北アルプス全域をバッチリ見渡すことができます。
とても天気が良い日に登れています。


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塩見小屋に到着しました。
小屋の影で風を休めながら、小休止や装備変更をすると良いでしょう。
尚、塩見小屋には冬季小屋がありますが、入口が一階にあるため扉が雪で埋もれてしまうこともあり、あてにするのは危険です。

次ページでは、本山行最大の難所を超え、塩見岳山頂に迫ります。

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