正月休みを利用して、二泊三日のスケジュールで仙丈ケ岳(南アルプス)にいってきました!
目次
冬の仙丈ケ岳紹介
仙丈ケ岳は3つのカールを有し、なだらかな稜線が美しく南アルプスの女王として知られている標高3,000m峰です。
夏山はもちろんのこと、雪をまとった女王は格別の美しさです。
夏の仙丈ケ岳は、標高2,032mまでバスでアクセスでき、そこから日帰りで登れる「近い」3,000m峰です。
一方、冬の時期は道路が閉鎖され、2泊3日の行程がないと辿りつけない「遠い」3,000m峰と化します。
さらに、冬の仙丈ケ岳は風速20mを超す強風や、深雪ラッセルになる日も多く、2泊3日でも頂上に辿りけないこともざらにあります。
今回は、戸台から入山し、北沢峠に幕営して2泊3日で仙丈ケ岳を目指すコースを紹介します。
今回のルート
初日:戸台駐車場~北沢峠(幕営地)
二日目:北沢峠~仙丈ケ岳~北沢峠
最終日:北沢峠~戸台駐車場
登山開始
戸台口の駐車場に前日泊し、日の出とともに出発します。
標高1,050mから、約2,000mをハイクアップします。

ブログの趣旨に反するかもしれませんが、この時期は入山者がたくさんいます。
北沢峠にあるこもれび山荘と長衛小屋が年末年始営業しており、ここを拠点として甲斐駒ヶ岳や仙丈ケ岳を目指す人が多いためです。
人が多いということは、その分遭難したときのリスクが減るということです。
ピッケルワークに慣れてきた人のステップアップとして、この時期の仙丈ケ岳はおすすめできるかと思います。
序盤の河原歩き

登山届を提出し、登山を開始します。
序盤は約3時間の河原歩きです。

一部渡渉(注:河を渡ること)があります。
この渡渉が厄介で、場所を間違えると水深が深く、バランスを崩して河に転落することもあります。


この時期の気温は氷点下のため、靴や衣服を濡らすと瞬時に凍り付きます。
凍ったまま歩くと凍傷になるため、序盤で強制リタイアすることになります(泣)
最初は河の左側をいきます。
なるべく早い段階で右側にわたる、と覚えておけばとりあえず大丈夫です。
今年はピンクテープが豊富だったため、テープを辿るだけで大丈夫でした。

河原を離れ、つづら折れの急登へ
河原を歩くこと3時間、つづら折れの急登をゆきます。

20kg超のテント泊ザックが身に応えます。
しかし、この急登を超えれば念願の雪に出会えるんだ!

しかし、つづら折れを抜けても雪はどこにもありません…。
(緑がとてもきれいです)
一般的に、南アルプスは南岸低気圧の接近する1月中旬~3月頃にならないと、雪があまり降りません。
北沢峠のテント場へ
標高約2,000m、大平山荘の手前までやってくると、雪も増えてきました。
初日の幕営地・北沢峠まではあと30分ほどです。

北沢峠に着きました!
テントがちらほらと見えます。

ちなみに、この約50張のテント場は、夏のシーズン中だと午前中の早い時間に満杯になってしまいます。

テント場に困らない、これが冬山の特権でもあります。
二日目 未明から仙丈ケ岳を目指す

予報どおり、二日目は西日本を中心とする高気圧に覆われ快晴です。
最低限の身軽装備で仙丈ケ岳を目指します。
稜線上で朝日を見るため、朝3時にテントを出発します。
気温は氷点下15℃でした。
肌の露出した部分がとても冷たく感じます。



小仙丈ケ岳の手前で森林限界を超えました。
薄明りの中に富士山や北岳が見えます。

トワイライト稜線歩きです。
朝3時に出発するのは眠気・寒気との闘いであり根気がいることですが、十分にその甲斐はあります。
小仙丈ケ岳で朝日を迎える!
小仙丈ケ岳に到着した段階で朝日を迎えました。
雪化粧をした山々と朝日のコラボレーションはとても美しく、心に訴えかけてくるものがあります。
・長い林道・樹林帯歩き
・標高差2,000mのハイクアップ
・20kg超のザック
・氷点下の寒さ
・早朝出発の眠気
・高所での薄い空気
すべてが報われる瞬間です。
なんでもそうだけれど、楽しいことの裏には、それ以上の苦労がある。
以下に写真をご覧ください。






次ページでは、いよいよ仙丈ケ岳頂上へと迫ります。