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【残雪期・雪山登山】五竜岳~難関コースの先に待ちうける絶景の雲海~

2018/3/11~12の日程で、五竜岳に雪山テント泊にいってきました!

エピローグ

その日、ブログ主は迷っていました。

今週末は晴天。どこにいこうか…

選択肢1「難易度は普通だけど、CT(コースタイム)の長い雪山」
選択肢2「CTは普通だけれど、難易度の高い雪山」

直前まで迷った結果、2番を選択しました。
(※CTは普通、難易度も普通の雪山 という選択肢は無いようです。ドMか…)

冬季五竜岳の紹介

冬季五竜岳は、1泊2日の時間を掛けてテント泊で登る、難易度の高い山です。

遠見尾根上に幕営し、翌日に五竜岳山頂を落とすのが標準的なプランです。

五竜岳手前の白岳の登りは中難度、五竜山荘~五竜岳頂上は高難度です。五竜山荘~五竜岳頂上の間では、50度以上ある斜面をトラバースしたり、10メートルの雪壁を登下降する必要があります。

今回は、二日目の天気予報が悪かったため、変則的に初日に五竜岳頂上を落とすプランとしました。

尚、このプランで行く際は途中で日没を迎えるリスクがあります。
ヘッドライトと暗闇の中下山する覚悟が必要です。

ルート詳細

本ルートの詳細を以下に記します。

(初日)白馬五竜スキー場→小遠見山→白岳→五竜山荘→五竜岳頂上→五竜山荘→白岳→小遠見山
(二日目)小遠見山→白馬五竜スキー場

本ルートについては、山と渓谷社の「厳選 雪山登山ルート集」や、同「雪山登山」に詳細が記されています。
雪山では雪崩防止のため、通行できるルートが限られています。
必ずルートを下調べしてから通行するようにしましょう。

登山開始~白岳手前まで

エイブル白馬五竜スキー場に前日車中泊します。駐車料金は無料です。

翌日8:15始発の五竜テレキャビンとリフトを1回ずつ乗り継ぎ、登山口の地蔵ノ頭に至ります。

リフト券は、五竜テレキャビン往復券(¥1,800)を1枚と、リフト券片道分(¥400)を1枚ずつ購入します。


地蔵ノ頭~小遠見山までは、霧の中を樹林帯ハイクです。

前日に降雪があり、なおかつブログ主がこの日先頭だったため、スノーシューが非常に役立ちます。


ところどころ雪庇が発達しています。


樹林帯を抜けるタイミングで、霧が晴れてきました。北東方向に新潟の山々が見渡せます。


そして南西方向には…鹿島槍ヶ岳の大展望です。
霧が晴れて急に鹿島槍ヶ岳が現れたので、とても感動します。


鹿島槍ヶ岳をアップで写します。
換算200mmの望遠レンズがとても役に立ちます。


こちらは五竜岳です。山頂直下に菱型の模様(通称:五竜菱)がくっきりと見えます。
というか、五竜菱の存在を知らなかったので、下山後に写真を見返して発見しました。


小遠見山で幕営します。


さらに歩を進め、遠見尾根上を歩いていきます。
ザックの重量が減ったため足取りがとても軽いです。
軽いは正義だ。


霧氷が美しいです。
霧氷にむひょー… なんでもないです。
ソロだと冗談を言える人が居ないのがさみしい。


遠見尾根の終点が近づいてきました。
ここから先は難易度が格段に上がります。
お遊びは終わりだ。


白岳~五竜岳の山頂

そして最初の難所・白岳の登りです。

写真中央の白岳に向かって尾根上を直登していきます。
(雪がアイスバーンではなく、尚且つ雪崩が起きにくい条件の場合には白岳山頂を左側から巻くこともできます。)

白岳山頂へと登っている途中です。

斜面がクラスト(氷化)している上に斜度が急なため、滑ると止まらないでしょう。

ただし、下の方に障害物がないため、運がよければ滑落しても軽傷で済むでしょう。
まるで他人事のように語っていますが、下山時にこれを身をもって証明することになります。


新潟の高妻山(戸隠連峰)です。


1時間以上かけて白岳を登り切りました。
安全地帯に出て、ほっと一息つける瞬間です。

白岳でも十分怖かったので、五竜岳は諦めようかと思っていたところに、バックカントリーの欧米人の方が現れました。

「君も五竜岳にいくのかい?僕はちょうど下山してきたところさ」
と英語で聞かれたので、迷わずこう答えました。
「ああ、もちろんさ」と。

この後、お互いにgood luckと健闘を称えあい別れました。
TOEIC300点台でも英会話ができることを証明した瞬間です。
英語力を点数でしか評価できないこの国の制度に軽く怒りを覚えます。


白岳の頂上からは、北アルプス北部の毛勝三山が見えます。

北アルプスにしてはめずらしく、ほぼ一般登山道の開拓されていない山です。


ここから先はさらに難易度が跳ね上がります。
白岳が中ボスだとしたら、五竜岳は文句なしのラスボスです。
例えるならば、白岳がギニュー特戦隊、五竜岳がフリーザ様といったところでしょうか。

いざ、五竜岳へゆかん!
と意気込んで足を動かした瞬間、アイゼンを引っ掛けて転んでしまいました。
「いってはいけない」と後ろ髪をひかれている気がします。

気を取り直して出発します。
写真左側の尾根の右側をトラバース気味に登っていきます。


五竜岳への登り前半は、斜度も緩く平和なトラバースです。


いつのまにか斜度がきつくなってきました。
進行方向右手は切れ落ちており、なかなかのスリリング体験ができます。ドMの聖地に決定です。

滑落すると命を落とす、気の抜けない区間が続きます。


トラバース区間を振りかえります。
こんなところを進んできたのか…

トラバース終了。
今度は写真上部へと登っていきます。


アイゼンの前爪とピッケルを刺しながら、雪壁を登っていきます。
これが噂に名高い、冬季五竜岳・山頂直下の雪壁登攀です。
この登攀を終えると、山頂はもうすぐです。


山頂標識が見えてきました!


他の人がつけた足跡は、山頂標識へのビクトリーロードです。


山頂に到着しました!

山頂では、雲海の隙間から高峰が出迎えてくれます。
緊張がとけた後に絶景を見られたので、号泣してしまいました。

写真は立山と剱岳です。


鹿島槍ヶ岳へと続く稜線です。


高妻山(戸隠連峰)


もう一度、立山と劔のアップ。


餓鬼山だろうか。


夕方~夜

五竜岳を下っていきます。
山頂では感動で泣けましたが、下山時は怖さで泣けます。
一度の山行で喜怒哀楽をあますことなく表現できる冬季五竜岳はとてもおすすめです。
日没が近づいています。


危険地帯を抜けて白岳の頂上まで帰還した直後に、日没を迎えます。

毛勝三山の横に沈む夕日がとても美しいです。
この後、白岳を下ろうとしたら足が滑って標高差で軽く120mほど滑落しました。
幸い、軽い捻挫と打撲で済み、自力で下山し続けることができました。
一般的に、山岳事故は危険地帯では起こらず、危険地帯を抜けた直後に起こることが多いです。皆さんも十分ご注意ください。
真の危険は、気を抜いたときにやってくる。


無事にテント場まで帰還しました。

鹿島槍ヶ岳、五竜岳、星空のコラボがとても美しいです。
疲れた五体に染み渡る絶景です。


唐松岳、白馬岳、星空のコラボ。


翌朝も快晴です。
無事に朝日を見ることができてよかった。


天気が崩れる前に、遠見尾根を下り下山していきます。

最高の景色と感動をありがとう、五竜岳。



今回の記事は以上になります。

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