漠然と写真を撮ると、ついつい被写体を写真の中央に配置しがちです。この構図を「日の丸構図」と言います。日本国旗「日の丸」のように見えるためです。

日の丸構図で撮影した写真は、平凡でありふれた雰囲気になりやすいです。よって、日の丸構図は一般的には難しい構図と言われています。三分割法などの方が、扱いやすい構図と言われています。しかし、そんな日の丸構図でもコツを押さえることで美しく撮ることができます。今回の記事では、美しい日の丸構図の写真を撮るためのコツと作例を紹介します。
目次
コツの紹介
以下に、筆者の撮影した写真を交えて、日の丸構図のコツを紹介します。
周辺部分をボカす
望遠レンズを使ったり、F値を下げることで周辺部分をぼかします。これによって、周囲の雑然とした感じが消えて、中央の被写体が際立ちます。
以下は、換算200mmの望遠レンズで撮影した新芽です。背景がボケることで新芽だけが目立つようになりました。

以下は、F1.4で撮影したビールグラスです。周囲がボケることでビールグラスだけが目立つようになりました。

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周辺を暗くする
周囲を暗くすることで、中央の被写体のみが目立つようにします。撮影時にこのような環境の場所を狙って撮影するのもいいですし、レタッチで暗くするのも良いです。
以下は登山道の脇に咲いていた一輪の花で、jpeg撮って出し(レタッチしていない)です。周囲が暗くなることで、花が目立ちました。

左右対称にする
作用対象とすることで、印象的な写真となります。
以下は、広大な蓼科山の山頂に立っている鳥居です。左右対称となることで印象的な写真となりました。

周辺部分をシンプルにする
周囲の被写体をシンプルにするとよいです。
以下は、御嶽山を撮影した作例です。空や手前の雪を被った稜線がシンプルなので、自然と視線が御嶽山に集まります。

以下の写真は、朝焼けに染まる仙丈ケ岳を撮影したものです。周辺部の左右と上はシンプルな空です。周辺部の下はシンプルな尾根です。これによって、写真を見る人の視線が自然と仙丈ケ岳に向かいます。

中央部と周辺部とで異なる寒暖色を用いる
中央と周囲の被写体の寒暖色を変えることで、印象的な写真となります。
以下の写真は、クロアゲハを撮影したものです。周辺部には一面のツツジが咲いています。中央部のクロアゲハは黒色(寒色)、周辺部のツツジは赤(暖色)となっています。これにより、暖色であるツツジが寒色であるクロアゲハを引き立てています。

以下は、前述のビールグラスの写真です。中央のビールグラスは黄色(暖色)、首位の空は青(寒色)となっています。

今回の記事は以上になります。