登山用テント・シュラフ・マットのおすすめ(無雪期用)

テント泊登山には、テント、シュラフ(寝袋)、マットの3点装備が必須となります。

テントについては、各社がさまざまな特徴のものを出しています。
メーカーによって、設営のしやすさ、重量、結露の起こりにくさ、テントへの出入りのしやすさなどが全く異なります。

また、テント自体に保温性はないため、シュラフで暖を取る必要があります。シュラフは性能が高くなるほど保温性が上がる代わりに、重量が重くなってきます。
そこで、重量と保温性のちょうどいいバランスのシュラフを選ぶ必要があります。

マットについては、地面からの冷え(底冷え)を防ぐために必要となります。
シュラフと比べてマットは軽視されがちですが、シュラフが体重で潰される下側ではシュラフ内の空気が無くなるため、シュラフの保温性が発揮されません。
仮にマット無しの場合、底冷えで眠れなくなります。
マットにも様々なタイプのものがあり、クッション性、サイズ、断熱性が異なります。

今回の記事では、筆者がさまざまな情報を元に選定し、無雪期(雪のない時期)の登山で愛用しているテント、マット、シュラフを選定理由とともにご紹介します。

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テント

筆者の使用しているテントは、NEMOのTANI LS2Pです。

重量はわずか1.18kg

テント本体重量が1.18kgであり、最軽量に分類されます。
わずか数百gの違いが効くの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、CT6hを超すような山行では、ボディーブローのようにじわじわと効いてきます。
荷物が軽いほど体力的にも余裕が出てきて、景色を楽しんだり、早くテント場についていい場所を確保したり、宴会を楽しむ時間が生まれます。

設営方式は吊り下げ式

テントは、フライを金属ポールに固定することで立体形状を保ちます。
フライと金属ポールとの固定方式には、フライの狭い隙間にポールを通す「スリーブ式」と、ポールからフライを吊り下げる「吊り下げ式」の2種類があります。
TANIでは吊り下げ方式が採用されています。

筆者はどちらの方式のテントも保有していますが、吊り下げ方式の方が圧倒的にテント設営と撤収が楽です。
スリーブ式では、下手をすると組み立て中に金属ポールがフライ内部で分解したりします。
スリーブ方式にも「強風にやや強い」などのメリットがありますが、そもそも強風の日にテントを張る事自体をオススメしません。

入口は長辺

テントは長方形の形をしています。
メーカーによって、長方形の短辺と長辺のどちらに入口があるかが異なります。
TANIでは長辺に入口があります。
長辺に入口があるほうが、出入りがしやすいです。

長辺に入口があるタイプも、「強風にやや強い」などのメリットがありますが、そもそも強風の日にテントを張ること自体オススメしません。

壁の枚数は、ダブルウォール

テントには、壁が一枚しかないシングルウォールと、壁が二枚あるダブルウォールがあります。TANI LSではダブルウォールが採用されています。

朝方には、テント内部と外部に気温差が発生します。シングルウォールでは、気温差の影響をもろにうけてテント内部に結露が発生します。ダウンやシュラフが濡れてしまうと重量が重くなるばかりか、保温性が損なわれてしまいます。電子機器が濡れれば、故障する可能性もあります。

ダブルウォールの場合、テント内部に結露が発生しにくいです。
また、二枚の壁の間に前室を作ることができ、そこに靴を収納できます。夜間に小雨が降ったとしても、靴を守ることができます。前室は玄関みたいなものだと思えばよいです。

一方、ダブルウォールではシングルウォールよりも重量が約500g重くなるというデメリットがあります。
居住性と重量のどちらを取るかは悩ましいところですが、筆者は居住性を重視し、ダブルウォールとしました。

サイズは2人用

TANIには、1人用の1Pと、2人用の2Pとがあります。
1人だとしても、2Pを購入することをオススメします。

1Pでは床面積が202cm×105cmの広さとなっており、一人が横になれるだけの広さしかありません。ザックを頭の上か足の下に置いたら、すべての床面積が埋まってしまいとても窮屈になります。
そもそも、身長の高い人ではザックを置くことすらできず、体の下か前室にザックを置くことになります。

2Pでは、床面積が220cm×130cmとなっており、人が横になっても上下に十分な広さがあります。

2Pでは1Pより120g重くなるだけです。120gの重量アップの代わりに、快適さを優先させた方がよいでしょう。

注意点 別売りのフットプリントを購入しよう

NEMO/ニーモ TANI LS 2P 用フットプリント

別売りのフットプリントを購入しましょう。

テントを直に敷いてしまうと、岩や木などでテント下部に穴をあけてしまう恐れがあります。フットプリントは頑丈な生地でできており、テントへ穴があくことを防止できます。
なお、TANI LSではテント本体にフットプリントが付いてくる場合もあるようです。(購入時に要確認)

マット

筆者の使用しているマットは、SEA TO SUMMITのUltraLight INSULATED MAT Regularです。
高機能、高断熱性の割に値段が安く、コスパが良いです。

構造はエアー式

マットの構造には、大きく分けて2つあります。
空気を入れて膨らませるエアー式と、丸めてコンパクトにするクローズドセルの2種類です。

Ultralight insulatedではエアー式が採用されています。
エアー式には、コンパクトに収納できる、エアーがクッションの役割を果たし、寝心地が良いなどのメリットがあります。

一方、クローズドセルは容積が大きく、ザックに外付けする必要があります。また、寝心地が堅く、個人的にはあまり気持ちよくありません。

エアー式ではパンクするリスクがあるので、付属のリペアキッドを常に携行するようにしましょう。パンクした場合、底冷えにより寝られなくなる恐れがあります。ただし、筆者は3年間このエアーマットを使用していますが、いまのところパンクはしていません。

R値は3.3

マットは断熱性が高いほど、地面からの底冷えを防いでくれます。
断熱性はR値という数値で表され、値が大きいほど断熱性に優れていることを表します。

UltraLight INSULATEDのR値は3.3です。
春~秋に雪のない場所でテント泊をする上では、十分な暖かさです。
筆者がこのマットを使用して、底冷えで目が覚めたことは一度もありません。

長さは183cm

UltraLight INSULATEDには、X-Small, Small, Regularの3種類があり、全長が異なります。それぞれ、128, 168, 183cmです。

全長128cmのX-Smallサイズを使った場合には全身をカバーできないため、足などが直に地面に触れることになります。天候によっては足から底冷えするため、ザックを足と地面との間に敷くなどする必要があります。

身長が低い人の場合には、全長168cmのSmallサイズで十分に全身をカバーできるでしょう。
筆者は身長180cm近くあるため、全長183cmのRegularサイズを愛用しています。

シュラフ

筆者の使用しているシュラフは、mont-bellのダウンハガー♯3です。

mont-berll モンベル ダウンハガー 800 #3 Rジッパー(R/ZIP) [#1121291 コンフォート温度3度/リミット温度-2度]

繊維はダウン

繊維には、大きくわけてダウンと化学繊維とがあります。
アルパインダウンハガーにはダウンが使われています。
ダウンの方が軽量のため、山登りにはおすすめです。

一方、ダウンは水で濡れてしまうと保温力が下がるデメリットがあります。ダウンに水をこぼしたり、テント内の結露で濡らさないようにしましょう。
不安な場合には、透湿防水性のシュラフカバーを使用することをおすすめします。
尚、安いシュラフカバーでは透湿性が無い場合が多く、夜間に自分がかいた汗が逃げずにシュラフを濡らしてしまい、逆効果となります。

コンフォート温度3℃、リミット温度-2℃

シュラフの保温性能は、コンフォート温度とリミット温度で表されます。
ダウンハガー♯3では、コンフォート温度が3℃、リミット温度が-2℃です。
3℃までは快適に過ごすことができ、-2℃でもなんとか耐えられることを表します。
無雪期の登山ではこれくらいの保温能力があれば十分です

尚、秋の3,000m峰でテント泊をする場合は、ダウンジャケットやパンツがあれば問題ないでしょう。
10月中旬に木曽駒ケ岳に登った際には夜間に水が氷る寒さでしたが、ダウンハガー♯3+上下ダウンで問題なく眠ることができました。

スーパースパイラルストレッチシステムを採用

mont-bellは今でこそ総合登山用具メーカーですが、当初はシュラフメーカーでした。よって、mont-bellのシュラフにはノウハウが詰まっています。
例えばスーパースパイラルストレッチシステムです。
他社のシュラフでは横方向に伸びない構造のものが多く、若干窮屈になりがちです。一方、mont-bellではシュラフが横方向に伸びるため、シュラフ内で快適に過ごすことができます。

イメージ画像

補足 コンプレッションバックで減容しよう

シュラフは容積を取ります。コンプレッションバックでシュラフを圧縮すると、ザック容量に余裕が出ます。
mont-bellからはL, M, Sサイズのコンプレッションバックが発売されています。
ダウンハガー800#3の場合、Sサイズで十分です。
ダウンハガー+上下ダウンをコンプレッションする場合でも、Sサイズで十分対応できます。

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さて、今回のテント泊装備一式の記事は以上になります。
皆さんのテント泊装備一式の購入の助けとなれば幸いです。

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