実をいうと、筆者は去年(2020年)の夏ごろに、これまで所有していたOM-D E-M5 MarkⅡを、後継機種であるOM-D E-M5 MarkⅢへと買い替えました。
OM-D E-M5 MarkⅢは、オリンパスから発売されているレンズ交換式のミラーレスカメラです。センサーサイズはマイクロフォーサーズ、有効画素数はこれまでの1,605万画素から2,037万画素へアップしています。この分、きめ細やかな描写が可能になったり、トリミングしても画質が劣化しにくくなっています。このOM-D E-M5 MarkⅢには、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II(以下ED14-150mm)とセットになったレンズキットが発売されています。
筆者は登山をする際に、上記レンズキットを広角~望遠域をカバーするサブカメラとして運用しています。(注:もちろん、プロ写真家の方でも、OM-Dシリーズをメインカメラとして運用されている方もいます)
今回の記事では、筆者が上記レンズキットを使って撮影した写真を元にして、上記レンズキットをサブカメラとして運用する際のオススメポイントを8つご紹介します。尚、本記事中の写真はすべてjpeg撮って出し(未編集)で、ブログ掲載用にリサイズしています。一部、旧機種であるMarkⅡで撮影した画像も含みます。
目次
オリンパスブルーで空が綺麗
オススメポイント1つ目は、オリンパスブルーのキレイな青空が撮影できる点です。
オリンパスブルーとは、水色がかった青色とでもいえばいいのでしょうか。とにかく綺麗な青色が出てきます。他社ではなかなか表現できない色合いで、オリンパスブルーが好きなためにオリンパス製のカメラを使っている人も多いと聞きます。
以下に3つ作例を紹介します。



雷鳥や小さな花をアップで撮影可能
オススメポイント2つ目は、動物や小さな高山植物をアップで撮影可能な点です。
ED14-150mmのテレ端は、換算焦点距離300mmの望遠域です。よって、小さな被写体や遠くの被写体を、かなりアップで撮影をすることができます。以下に作例を示します。

撮影者が高山植物内に入ることは許されないため、望遠レンズで遠くから撮影することになる。

ハクサンイチゲと撮影者との間にはロープが敷かれていたため、ハクサンイチゲに近づくことはできない。レンズの望遠性能が威力を発揮する。

換算300mmではイマイチ焦点距離が足りない…という場合には、デジタルテレコン機能を使って焦点距離を600mmまで稼ぐことができます。デジタルテレコンとは、画質をそこまで悪化させずに、焦点距離をデジタル処理で2倍にする機能のことです。以下に、デジタルテレコンを使って換算600mmで撮影した作例を示します。


体調がわずか数センチのため、望遠レンズがないと撮影できない。
当然、マクロレンズで近づくと、蝶は逃げてしまう。
デジタルテレコン機能をカメラのボタンにショートカット登録しておくと、1クリックでデジタルテレコン機能をON・OFFすることができとても便利です。
中距離・遠距離の被写体を大きく撮影できる
オススメポイント3つ目は、中景や遠景の山をアップで撮影可能な点です。
晴れた空気の澄んだ日に山に登っていると、遠くの山が見えることがあります。そのようなときにメリットとなります。以下に作例を示します。

焦点距離は90mm(換算180mm)

焦点距離は150mm (換算300mm)
手振れ補正が超強力
オススメポイント4つ目は、ボディ単体で最大5.5段となる強力な手振れ補正が搭載されているため、遠景でもブレずに撮影できる点です。
薄暮時の遠景を撮影する際に、パンフォーカスを絞って撮影してもISO感度を上げることなく撮影することができます。以下に作例を示します。

拡大しても全く手振れを起こしていなかった。
(この焦点距離だと手振れしないシャッター速度限界は1/300秒)
F値を9まで上げることでパンフォーカスにでき、そしてISO感度を200まで下げられたことでノイズを少なくできた。
もちろん、風景も撮影可能
オススメポイント5つ目は、風景撮影にも向いている点です。
ED14-150mmの広角端は、換算焦点距離28mmの広角域となっており、風景撮影にも向いています。
以下に作例を示します。

ただし風景撮影には、可能であれば換算焦点距離24mmは欲しいところです。この場合には、風景撮影を広角レンズを付けたメインカメラに委ねるか、ED12-200mmなどのレンズを使用すると良いでしょう。
小型・超軽量
オススメポイント6つ目は、小型・軽量な点です。
OM-D E-M5 MarkⅢとED14-150mmの合計重量は、わずか668gです(電池・メモリーカードを含む)
500mLペットボトルよりやや重い程度です。登山においては、軽さは正義です。この軽さであれば、PEAK DESIGNのキャプチャーなどのカメラ固定器具を使い、肩にカメラを付けていても負担はかなり少ないでしょう。
カメラ携行方法については、以下記事をご覧ください。

マイクロフォーサーズセンサーで高画質
オススメポイント7つ目は、マイクロフォーサーズセンサーを搭載し高画質な点です。
今はフルサイズセンサーを搭載したカメラの全盛期ですが、少なくとも明るい場所で撮影した写真については、よほど拡大してみない限りはフルサイズとマイクロフォーサーズの違いはわかりません。また、普及サイズのセンサー・APS-Cと、マイクロフォーサーズとは面積が1.7倍の違いしかありません。
防塵防滴・耐寒性能を有する
オススメポイント8つ目は、カメラ本体(OM-D E-M5 MarkⅢ)とレンズ(ED14-150mm)の両方が防塵防滴・耐寒性能を有する点です。
防塵性のないカメラ一式の場合、気を付けないと内部にチリや埃が混入しやすいです。この点、チリや埃の舞いやすい登山でも、安心して使うことができます。防滴性があるため小雨程度であれば、問題なく撮影できるでしょう。耐寒性能があるため、春や秋のアルプスや、気温が常に氷点下を下回る雪山でも比較的使いやすいでしょう。(それでも寒さでバッテリーが死んでしまう場合には、バッテリーをポケットで温めてから使うとよいでしょう)

氷点下を下回る気温だったが、OM-D E-M5 MarkⅢの電源が落ちたり、誤作動することは一度もなかった。
(補足:レンズは別のものを使用。もちろんED14-150でも問題無く使用することは可能)
補足1:もちろん、メインカメラとしても優秀
筆者は、OM-D E-M5 MarkⅢのレンズを交換し、メインカメラとしても運用することがあります。
ED12-100mmを使用すれば広角側が広くなり、風景撮影にも使いやすくなります。

ED 8mm f1.8 fisheye PROを使用すれば、超広角の明るいレンズとなり、風景撮影や夜景撮影に最適です。

補足2:ボディはプラスチック製
OM-D E-M5 MarkⅢの筐体の材質は、旧機種のマグネシウム合金から、エンジニアプラスチックへと変更されています。
その分、見比べてしまうとどうしても質感は見劣りしてしまいます。…が、少なくともブラックカラーについては単体で見る限りはそこまで悪い質感ではありません。1週間もすれば慣れます。プラスチックになっているからといって強度が落ちているということはなく、補強材を入れることで強度を持たせているようです。ボディがプラスチックになることで、軽量化していることのメリットの方が大きいと個人的には考えています。

合わせて購入したい品々
以下に、カメラやレンズと合わせて準備すると便利な品々を紹介します。
埃の多い環境下でレンズを使う際には、保護フィルターを付けることをオススメします。レンズに付いたゴミを直に拭いてしまうとレンズを傷つけてしまいます。反射率がわずか0.3%のHAKUBA製「XC-PRO」であれば、画質の劣化はありません。コスパの高い保護フィルターです。(レンズの径にあったフィルターを選択しましょう)
カメラやレンズを通常環境に放置すると、数年後にはカビが生えてしまい画質に影響が出ます。一度生えたカビを除去することはとても困難です。カビが生える前に防湿庫で保管することをオススメします。

レンズキャップに紐を付けましょう。レンズキャップを落下させる場所によっては、回収できなくなります。
ブロワーを用意しましょう。レンズや保護フィルターに埃が付いても、ブロワーで拭き飛ばせば傷つくことはありません。
ブロワーで拭き飛ばせない汚れについては、レンズクロスで落としましょう。ティッシュで汚れを落とすと、高確率で傷がつきます。
登山中にはバッテリーが切れても充電することができません。特に、ミラーレスカメラは一眼レフよりもバッテリーの持ちが悪いです。そこで、モバイルバッテリーを持っていくと良いでしょう。
登山中にカメラを首から下げて持ち歩くと危ないですし、カメラも傷つきやすいです。そこで専用の携行方法をオススメします。

カメラやレンズの家電をネットショップで買うと、実店舗で買うよりも数万円安く購入することができます。ネットショップの最安値は、価格.comとは限りません。amazon、楽天、Yahooショッピングのいずれかが最安となることが多いです。
今回の記事は以上になります。
コメント
om5-3の記事読ませていただきました。om5-3愛用者として同感しました。
プラスメリットとしてプラボディがあると思います。
仕事がら海上と山奥使用しますが、サビに強いプラ、低温でも冷たくなりにくいプラに大きなメリットを感じています。他社も含めて中上級機種に高精度なプラボディを期待したいと思います。