僕がフルサイズではなくマイクロフォーサーズを使う理由

「カメラといえばフルサイズが一番」となんとなく思っていないでしょうか。そんなことはありません。筆者の経験上、暗いところで動く人を撮る用途(例:結婚式、ナイター観戦など)を除けばフルサイズはオーバースペックであり、むしろマイクロフォーサーズの方にメリットがあることも多いです。最近の筆者はマイクロフォーサーズセンサーを搭載したカメラを使う頻度が増えてきています。今回の記事では、筆者がマイクロフォーサーズを主に使っている理由を5つ紹介します。

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ズームレンズが高画質・高倍率

一般的に「単焦点レンズは高画質」「ズームレンズについては、倍率が広くなるほど画質が悪くなる」というイメージは無いでしょうか。これを言い換えると、以下のようなジレンマが発生します。

レンズ選びにおけるジレンマ
・単焦点レンズを使うと画質は良いが構図の幅が狭まる
・高倍率ズームレンズでは画質がイマイチ
・高画質ズームレンズは倍率が狭い(しかも重い)

上記の話は一般的には正しいです。しかし、マイクロフォーサーズについてはこの例には当てはまらず「単焦点レンズ並の画質」「高倍率」を両立したズームレンズが存在します。OM SYSTEMの場合には商品名末尾に「PRO」と記載されているレンズ、通称プロレンズがこれに該当します。いずれのレンズも絞り解放において画面の隅々まで解像する優れたレンズとなっています。筆者の場合にはED12-100mmF4.0を愛用しています。その描写力の高さと手振れ補正の高さから、悪魔のレンズとの異名が付けられているほどです。このレンズは、登山のように被写体と自身との位置を歩いて調整できない場合にとても役に立ちます。

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このほかにも、ED 12-40mm F2.8 PRO IIなど、倍率を低めにすることで明るさと軽量さを兼ね備えたプロレンズ等が存在します。


もちろん、(プロ仕様ではない)普通のレンズでも画質にこだわりすぎない分には何の問題もなく、良い描写をしてくれるということを補足しておきます。

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AIソフトで高感度ノイズを低減できる

マイクロフォーサーズの場合、高感度ノイズが出やすく夜景に不利というイメージは無いでしょうか。実際にマイクロフォーサーズではフルサイズよりも高感度ノイズが出やすく、2段ほど不利になります。これについてはAI補正を用いたソフト・DxO PureRAWを使うことでフルサイズ同等に改善することが可能です。以下は、マイクロフォーサーズセンサーを有したカメラにおいて、ISO2000で撮影した星景写真の拡大図です。左は暗部を持ち上げただけの画像、右はさらにPureRAWでノイズ低減処理を施した画像です。右ではディテールを損なうことなくノイズが消えている様子がわかります。

DxO PureRAWの紹介【星景・明暗差の激しい写真向き】
センサーサイズが小さかったり、画素数の大きなカメラでISO感度を高くして夜景を撮ると、高感度ノイズが目立ちます。かといってlightroo...

また、JPEG撮って出し派の人にはOM SYSTEMのフラグシップ機・OM-1をおすすめします。カメラの画像処理エンジンが優れているため、JPEG撮って出しのノイズがとても小さくなっています。

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被写体深度が深いことはメリット

マイクロフォーサーズのデメリットの1つとして、被写体深度が深い(=ボケにくい)ことが挙げられます。一方で、これは全体にピントを合わせたい風景写真にとってはメリットとなります。数キロ離れた被写体でも、F8程度で全体にピントが合ってくれるためです。

以下の作例では、10キロメートル以上離れた位置にある前景の霧氷と後景の雪山を、絞りを回折現象の気にならないF8まで絞って撮影したものです。両方の被写体にばっちりピントが合っていることがわかります。尚、マイクロフォーサーズのF8は、フルサイズでの16程度に相当します。フルサイズでF16まで絞ってしまうと、回折現象による画質の悪化が気になってきます。

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撮影時や後補正で高画素化できる

マイクロフォーサーズの場合、最大で2,000万画素台であり画素数に不安を抱くことは無いでしょうか。実は現代においては2000万画素どころか800万画素もあれば十分で、理由は4Kモニタの解像度が800万画素しかないからです。

「そうはいっても高画素が欲しい」という場合には、撮影時の手持ちハイレゾショットや、photoshopやGIGAPIXEL AIと言った補正ソフトを使うことで5000万画素以上に高画素化することが可能です。

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手持ち夜景撮影しやすい

一般的に、センサーサイズが小さくなるほどボディ内手振れ補正が効きやすくなります。これは、ボディ内手振れ補正は別名センサーシフト式手振れ補正と呼ばれており、センサーサイズが小さいほどセンサーを動かして手振れを解消するということをやりやすくなるからです。

以下は、手持ち撮影・シャッター速度4秒にて手持ち花火で星を描く様子を撮影したものです。カメラ本体はOM-1、レンズはED 12-40mm F2.8 PRO II、焦点距離は換算24mmです。4秒という比較的長いシャッタースピードであるにも関わらず、花火の線がブレることなく描写できていることがわかります。

まとめ

今回の例には挙げませんでしたが、マイクロフォーサーズには「軽量コンパクト」「比較的安価」といったメリットも存在します。今回の記事は以上になります。

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