RAW現像ソフト・DxO PhotoLab 6の紹介(lightroomの代替)

adobe社のRAW現像ソフト・lightroomを使うと写真を手軽に、美しく編集することができます。しかしlightroomは年間サブスク契約となっており、年間約12,000円の出費が発生します。5年間では実に60,000円の出費となり、写真編集の機会が少ない場合にはコスパが悪くなります。ところで、世の中にはlightroomと同等以上の機能を持ったRAW現像ソフトがあります。その中でも筆者がおすすめしたいのはDxO社のPhotoLab 6です。PhotoLab 6では、lightroomと同じように「ハイライト・シャドー」「彩度」「ノイズ低減」が備わっているだけではなく、写真編集をさらに快適・高品質にする独自の機能も備わっています。価格も23,900円の買い切りとなっており、lightroomの年間契約2年分で済みます。

今回の記事では、以下2枚の筆者の写真をPhotoLab 6でRAW現像しながら、PhotoLab 6の紹介をしていきます。

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DxO PhotoLab 6の特徴

DxO社はノイズ低減・アナログフィルム再現などの様々な写真編集ソフトを販売しているメーカーです。その中でも、PhotoLab 6はRAW現像に特化したソフトです(もちろんJPEGの編集も行うことができます)。PhotoLab 6では、lightroomと同じように「ハイライト・シャドー」「彩度」「ノイズ低減」等だけではなく「ディテールを損なわないノイズ低減」「色味の微調整」「カメラ内JPEGを上回るレンズの光学補正」などの独自で高性能な機能が備わっています。

PhotoLab 6には¥23,900のELITE版と、¥14,900のESSENTIAL版とがあり、後者では機能が制限されています。PhotoLab 6の独自機能を使いたいのであれば前者がおすすめです。

RAW現像1

冒頭で紹介した1枚目のテントと夜景の写真を、PhotoLab 6でRAW現像してみます。

現像の狙い

以下は、山中のキャンプ場で撮影したマイテントと山並み、そして星空です。いわゆる星景写真と呼ばれるものです。テントは適正露出になっていますが、その一方で星空や山並みは黒く潰れてしまっています。この写真に限らず、星景写真では明暗差を調整しないと使い物にならないことが多いです。



そこで、上記の写真を以下の方針でRAW現像します。

RAW現像の方針
①星と夜空を(不自然にならない程度に)明るくする
②夜空を、黄色の反対色である紫寄りにすることで、写真にメリハリをつける
③テントを鮮やかな黄色にして、引き立てる
④夜景ではノイズが乗りやすいため、全体的にノイズ低減処理を掛ける

RAW現像プロセス

具体的なRAW現像プロセスを以下に紹介します。

まず、夜空を明るくするためにシャドウのパラメーターを68まで上げます。つられてテントも明るくなって潰れてしまったので、ハイライトを-100まで下げています。この機能はlightroomにも備わっている一般的なものです。


次に、ホワイトバランスを調整して、色温度を青寄りに、色相を紫寄りにすることで夜空を紫寄りの色にします。先ほどと同様、この機能はlightroomにも備わっている一般的なものです。


さらに、HSL(色相/彩度/輝度)から色チャンネル「黄色」を選択し、彩度を上げることでテントを鮮やかにします。この機能はPhotoLab 6独自のものです。メリットは2枚目の写真で紹介します。


最後に、DeepPRIME XDにチェックを付けることで、AIによるノイズ低減処理を施します。このノイズ低減処理はDxO社の優れた特徴で、被写体のディテールを損なうことなくノイズを低減することができます。lightroomを含めた通常のソフトでは、ノイズを減らすほどディテールも大きく損なわれていきます。


尚、DeepPRIMEは、もともと同社のPureRAWというソフトに単独で搭載されていた機能です。今回、これまでのDeepPRIMEがさらに進化し、DeepPRIME XDになってPhotoLAB 6に組み込まれました。

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RAW現像後の写真

以上でRAW現像のパラメーター設定は終了です。RAW現像後の写真を以下右に示します。左はraw現像前(カメラ内JPEG撮って出し)です。狙い通りRAW現像することができました。

RAW現像2

冒頭で紹介した2枚目の紅葉の写真を、PhotoLab 6でRAW現像してみます。

現像の狙い

以下は、紅葉を前景として撮影した山岳風景です。太陽が出ている方角が曇っていたため、画面全体が暗くなっており、さらに紅葉や緑の色鮮やかさも損なわれています。


そこで、上記の写真を以下の方針でRAW現像します。言うのは簡単ですが、色の異なる複数の箇所の明るさや彩度を調整するのは、お互いに干渉してしまうために難しい作業となります。

RAW現像の方針
①緑を明るくする
②緑を鮮やかにする(彩度を上げる)
③紅葉を明るくする
④紅葉を鮮やかにする(彩度を上げる)
⑤空の青さをやや引き立てる

RAW現像プロセス

具体的なRAW現像プロセスを以下に紹介します。

まず、緑と紅葉を明るくするために、中間トーンを62まで上げます。今回は、ハイライトやシャドウの調整ではうまくいきませんでした。lightroomではハイライトやシャドウの調整はあるのですが中間トーンの調整機能はないため、これはPhotoLab 6の独自機能という事になります。


次に、HSL(色相/彩度/輝度)の色チャンネル「赤」を選択し、彩度や輝度のスライダーを上げることで紅葉を明るく鮮やかにします。オレンジや黄色についても同様です。


さらに、同様にHSLの緑を選択し、彩度や輝度を上げることで写真中央の緑の木々を明るく鮮やかにします。このさいに、初期設定では緑だけではなく黄色の紅葉の彩度や輝度も変わってしまいます。理由は、緑と黄色の色相が隣り合わせになっているからです。そこで、HSL円グラフを調整し、緑の木々だけが反応するようにします。この円グラフ調整機能はPhotoLab 6の独自機能です。このケースにおいて、他のRAW現像ソフトを使って緑の色味だけを変えるのは困難を極めます。


そして、同様にHSLの青を選択し、彩度を上げることで青空を引き立てます。先ほどと同様の理由で、初期設定では緑の木々も変わってしまいます。円グラフを調整し、青空のみが反応するようにします。


このまま現像してしまうと、地平線が歪んでしまいます。そこで、光学補正を適用します。DxO社は光学補正に定評のある会社です。注意しなければならないのは、初期状態では見かけ上光学補正が適用されているように見えて、実は適用されていないことです。強さスライダーをいじることで、初めて光学補正が適用されるようになります。

RAW現像後の写真

以上でRAW現像のパラメーター設定は終了です。RAW現像後の写真を以下右に示します。左はraw現像前(カメラ内JPEG撮って出し)です。狙い通りRAW現像することができました。左右で写真の大きさが異なっているのは、左のJPEG撮って出しでは自動で写真の隅がトリミングされているからです。

DxO PhotoLab 6の使い方

PhotoLab 6の使い方を以下に説明します。

写真の読み込み

PhotoLab6を立ち上げると以下の画面が開きます。

①左側から、編集したい写真の入っているフォルダを選択します。この際「カメラとレンズの補正プロファイルを読み込みますか?」と聞かれることがあるので、Yesを選択します。
②画面下から編集したい写真を選び、マウスの左ボタンでダブルクリックします。

RAW現像パラメーターの調整

すると、画面右側に編集ボタンが現れます。編集ボタンの概要を以下に説明します。

「ライト」ボタンをクリックすると、ハイライド、シャドウなど明るさ系のパラメーターを調整することができます。


「カラー」ボタンをクリックすると、ホワイトバランスや色チャネルなど色系のパラメーターを調整することができます。


「ディテール」ボタンをクリックすると、ノイズ低減やReTouch(消しゴム)などのパラメーターを調整することができます。


「ジオメトリボタン」をクリックすると、光学補正や、変形などを掛けることができます。


「部分調整」ボタンをクリックすると、補正を部分的に掛けることができます。


「透かしと効果」ボタンをクリックすると、画像に透かしを入れられます。

写真書き出し(JPEG化)

パラメーターの調整が完了したら、画面左上から「ファイル→ハードディスクにエクスポート」をクリックします。


「標準出力オプション」にチェックを付け、「JPEG形式でエクスポートする」を選択し、「エクスポート」をクリックします。これで指定フォルダにJPEGファイルが出力されます。

まとめ

DxO PhotoLab 6は買い切りで、しかもlightroomと同等以上の操作ができる優れたソフトということがわかりました。今回の記事は以上になります。

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