写真に凝ってくると、撮影だけではなくphotoshopやlightroomで編集をする機会が増えてきます。ところが「photoshopやlightroomで写真を仕上げても、ネットに乗っているような写真と比べるといまいち物足りない…。」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。そこで、Nik Collectionを使うことをオススメします。Nik Collectionはphotoshopやlightroomのプラグインとして使えるソフトで、写真にフィルターを掛けることで、写真の見た目を一味上げることができます。今回の記事では、Nik Collectionの風景向けフィルターとその実例を紹介します。
目次
Nik Collectionとは
Nik Collectionとは、DxO社から発売されている写真に様々なフィルターを掛けるソフトです。海外の有名な写真投稿サイト・1x.comでも、Nik Collectionを使用している写真家は多いです。Nik Collection単体では動作せず、photoshopやlightroomといった写真編集ソフトと組み合わせて使います。これらの写真編集ソフトだけでは表現しきれないことを、Nik Collectionのフィルターを使うことで表現できるようになるため、写真のレベルが1段階上がります。
フィルター実例
筆者の写真を例にして、Nik Collectionの様々なフィルターを適用した例を以下に示します。
グラマーグロー(幻想的で優しい効果)
グラマーグローは、写真に幻想的で優しい効果を加えることができます。以下は大雪山に咲く高山植物の女王・コマクサを撮影したものです。左はグラマーグロー適用前、右は同適用後です。
右の適用後では、地面の明度が下がり相対的にコマクサが目立ち、さらにソフトフィルターが掛かることで幻想的な雰囲気になりました。
→グラマーグロー
→強めのグロー
グラマーグロー2(幻想的で優しい効果)
グラマーグローの適用例その2です。以下は夕暮れの街と富士山を撮影したものです。左はグラマーグロー適用前、右は同適用後です。
右の適用後では、マンション以外の街並みの明度が下がることでメンションの明かりが強調され、さらにソフトフィルターが掛かることで幻想的な雰囲気になりました。これから眠りにつく街の雰囲気を表現することができました。
→グラマーグロー
→強めのグロー
カラーキャストの削除(色被りの除去)
カラーキャストの削除は、写真の色被りを除去することができます。以下はガスが取れて姿を現した厳冬期の白馬岳です。左はカラーキャストの除去適用前、右は同適用後です。
左の適用前では一見問題ないようにも見えますが、右の適用後と比較すると写真が青被りしていることがわかります。これは、雪が青空の色を反射しているためです。好みは分かれるかもしれませんが、右の適用後の方が自然な見た目になっています。photoshopの標準機能だけを使い色被りを除去する場合、カラーバランスや特定色域の補正を使い微調整することになるため、その難易度は高いです。
→カラーキャストの削除
ハイキー
ハイキーは、写真の色調を明るくしてコントラストを下げることにより明るい写真にすることができます。以下は先ほどと同様に、ガスが取れて姿を現した厳冬期の白馬岳です。左はハイキー適用前、右は同適用後です。尚、photoshopの不透明度を76%に下げることでハイキーの掛け方を弱くしています。
右のハイキー適用後では写真全体が明るくなることで、ガスが晴れた瞬間の明るい雰囲気を表現することができました。photoshopの標準機能だけを使いハイキー写真を作る場合、コントラストやレベル補正を使うことになります。この場合、コントラストが不自然に弱まったりしやすいため、難易度が高いです。
→ハイキー
→ウォッシュドアウト
プロコントラスト
プロコントラストは、その名のとおりコントラストを高めることができます。以下はガスが晴れて姿を現した初冬期の十勝岳です。左はプロコントラスト適用前、右は同適用後です。尚、photoshopの不透明度を50%に下げることでプロコントラストの掛け方を弱くしています。
右のプロコントラスト適用後では雲や山の陰影がくっきりすることで、初冬期の厳しさを表現することができました。photoshopの標準機能だけでコントラストを上げる場合にはトーンカーブを調整することになり、微調整が難しいことも多いです。
→ハイキー
→ウォッシュドアウト
サンライト
サンライトは、太陽の自然な光を加え、写真に暖かさを与えます。 どんな画像でも、暖かい晴れた日に撮影したような仕上がりになります。以下は紅葉の知床連山と2つ池です。残念ながら雲が掛かっていたため画面が暗くなってしまっています。左はサンライト適用前、右は同適用後です。尚、Nik Collectionの画面でパラメーターを調整しています。また、photoshopの機能で空と遠景の山には効果が適用されないようにマスクを掛けています。
右のサンライト適用後では紅葉や緑の彩度が上がり、全体的に明るくなることで晴れた日に撮影した写真のようにすることができました。
→サンライト
→デフォルト
ソフトフォーカス
ソフトフォーカスは、写真のピントをやや弱めることで優しい雰囲気を作ることができます。以下は6月の早朝の薬師岳です。左はソフトフォーカス適用前、右は同適用後です。
右のソフトフォーカス適用後ではフォーカスが弱くなり、かつコントラストが下がることで早朝のさわやかな雰囲気を表現することができました。
→ソフトフォーカス
→弱い
まとめ
どうしてもphotoshopやlightroomだけでは写真編集には限界があります。そこでNik Collectionのようなソフトを併用することで、写真のレベルを1段階あげることができます。今回の記事は以上になります。