超望遠ズームレンズを使うと、小さな被写体をアップで撮影できたり、強力な圧縮効果を使うことで不可思議な写真を撮ることができます。しかし、超望遠ズームレンズの重量は数キロあってしかも巨大なことが多く、なかなか気軽に持ち出すことができません。そこで、OM SYSTEM(旧オリンパス)のマイクロフォーサーズマウント用レンズ・M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIをオススメします。本レンズは35mm判換算で150-600 mmの焦点領域をカバーする超望遠レンズであるにも関わらず、重量はわずか423gと軽量コンパクトです。今回の記事では、ED 75-300mm F4.8-6.7 IIの特徴や作例を紹介します。
目次
作例紹介
筆者がED 75-300mm F4.8-6.7 IIを使い撮影した写真を元に、本レンズの特徴を紹介します。
マッコウクジラ
以下は、知床半島の遊覧船に乗って撮影したマッコウクジラです。東京から知床半島にいくためには飛行機に乗る必要があり、大きなレンズを持っていくのはとても大変です。また、マッコウクジラが海面に現れている時間は20分程度と短いため、マッコウクジラの発見地点によっては至近距離まで近づけない場合も多いです。このような場合に軽量コンパクトな超望遠ズームレンズであるED 75-300mm F4.8-6.7 IIが活躍します。離れた距離にいるマッコウクジラを大きく写せています。余談ですが、マッコウクジラは海面にて約20分の息継ぎを終えると、急に潜水しはじめます。このような場合にOM SYSTEMのプロキャプチャーモードで撮影しておくと、シャッターを押す前の画像を保存できるため撮り逃がしをしにくいです。


鳥
以下は9月の網走・能取湖にて、紅葉に染まるサンゴ草と鳥を撮影したものです。超望遠レンズの持つ圧縮効果によって、サンゴ草と鳥の奥行方向の位置関係が圧縮されることで、サンゴ草に囲まれる鳥を表現できています。さきほどの作例と同様に、このような飛行機でしかいけない観光地でも、ED 75-300mm F4.8-6.7 IIであれば持ち込みやすいです。余談ですが、本レンズは解放だとやや描写があまいものの、1~2段絞ることでよく解像するようになります。

月
以下は、厳冬期の高妻山から登る満月を撮影したものです。満月を大きく写せています。撮影地点までは標準レンズをカメラに装備し、満月の登るタイミングでED 75-300mm F4.8-6.7 IIにレンズを付け替えました。登山では荷物を持って数キロメートルを歩かなければならないため、当然大きくて重いズームレンズを持ち込みにくいです。ED 75-300mm F4.8-6.7 IIであればコンパクトなためザックの場所を取りにくく、さらに軽量であるため体への負担も少ないです。

尚、空が明るい時間帯だったため、満月がうっすらとしか写っていません。これはカメラやレンズの性能によるものではなく、肉眼でも同程度でしか見えていませんでした。そこでrawデータを使い満月が見えるように以下のように編集しました。満月がバッチリと見えるようになりました。

まとめ
今回紹介した用途以外にも、ED 75-300mm F4.8-6.7 IIはスポーツの撮影にも最適です。しかもこのクラスのズームレンズの価格は20万円程度することが多いのですが、本レンズの価格はわずか3万円台となっています。軽量・コンパクト・安価なED 75-300mm F4.8-6.7 IIを懐に忍ばせ、気軽に超望遠の写真を撮る写真ライフを送ってみるのも悪くないかと思います。今回の記事は以上になります。