2020年1月26日に、守門岳(すもんだけ)へ日帰り雪山登山にいってきました!
目次
守門岳の紹介
守門岳は、新潟県魚沼市に位置する標高1,537mの山です。
厳冬期には日本海からの冷たく湿った風をもろに受けるため雪庇が発達することで知られています。東洋一の雪庇と呼ばれています。
積雪期には藤平山コースから守門岳頂上(袴岳)を通るコースが一般的です。
今回の記事で紹介するコースも、上記コースになります。
尚、対応する山と高原地図は「山と高原地図 越後三山 平ヶ岳・巻機山 (山と高原地図 15) 」になります。
登山開始~森林限界まで

冬季除雪終了地点の道路わきには10台弱の駐車スペースがあります。
ここが満車になった場合には、林道の端に駐車をすることになります。
尚、駐車地点にトイレは無いため、途中のSAで仮眠を取るとよいでしょう。
それにしても、ここに至るまでの道路上には全く雪がありません。
今年の雪は異常に少ないです。
(とはいっても、道路上は凍結箇所もあるため、スタッドレスタイヤが必須です)
果たして山頂で雪庇は見られるのか…。

今回の山行では行動時間が8時間と長いため、日の出と同時(午前6時半)に登山を開始します。
トレースが豊富なため、最初はダブルストックにツボ足(ノーアイゼン)で進んでいきます。
空には雲と青空が同居しています。
この後、雲は取れてくる予定です。晴天に期待が高まります。

林道を進むこと約30分。
猿倉橋の手前で右に曲がり、守門岳方面を目指します。
直進してしまうと大岳に進んでしまいます。

林道の先に、目指す守門岳が見えてきました。

854mピークへと登ります。
ここは無雪期には登山道ではありません。
藪が雪で隠れているため、登ることができます。

枯木と青空。
天気は回復傾向です。

守門岳が近づいてきました。
守門岳の標高はわずか1,537mしかありませんが、その山容はアルプスと比べても遜色ありません。

枯木の登山道を進んでいきます。

傾斜が急な箇所も。
軽アイゼンや12本アイゼンを付けてもよいでしょう。

傾斜を登りきると、魚沼市を一望できます。
夜景が綺麗なんだろうなぁ。

痩せた尾根を進む箇所も。
見た目の割には危なくないため、ダブルストックで進んでいきます。


枯木の登山道を進んでいきます。
無雪期には単調な樹林帯かもしれませんが、雪山では枯れ木も美しい風景と化します。

登山道では、ところどころ展望が開けている箇所があります。

たまに膝まで踏み抜くようになってきました。
頻繁に踏み抜くと体力を消耗し、コースタイムも長くなってきます。

というわけで、約3年ぶりにワカンを装着しました。
ワカンを付けたとたんに、踏み抜きが全くなくなりました。
歩くのがとても楽になります。
そして、ワカンの装着の仕方を忘れていて、3分ほど悪戦苦闘しました。
日の短い今の季節には、時間はとても貴重です。
ちゃんと家で装着練習をしてくるようにしましょう。
展望ハイク

徐々に守門岳が近づいてきます。
右の一番大きなピークが守門岳頂上、中央の稜線は守門岳と大岳とを繋ぐ稜線です。
か、かっこいい…。

標高約1,100mの藤平山周辺で森林限界を超え、周囲の展望が効くようになります。(越後は豪雪地帯のため、森林限界が低いです)
上の写真は越後駒ケ岳。
厳冬期の越後駒ケ岳への入山はとても難しく、一般的には4月中旬の残雪期になってから登ることができます。

左は越後駒ケ岳、右は八海山です。
積雪期八海山にも登ってみたいのですが、記録がほとんど見つかりません。
おそらく、かなり難易度が高いのでしょう。

こちらは妙高・戸隠方面です。
約100kmも離れた位置にありますが、くっきりと見えています。
厳冬期の空気はとても澄んでいるため、晴れた日にはこのように遠望が効くことが多いです。

先へ進みます。

霧氷と青空が美しい。

霧氷の脇を進んでいきます。

広大な雪原を進んでいきます。
一面の美しい雪景色。

あまりのコースタイムの長さに、倒れこんで休憩する同行者。
まるで、エベレストの凍死体目印のようです。


徐々に雪庇が現れてきます。
(登山道の右側が雪庇)

守門岳にはバックカントリー目的で入山する方も多いです。
写真は、守門岳頂上からバックカントリーで下山する登山者。
気持ちいいんだろうなぁ…。

このあたりで装備を12本アイゼン+ピッケルへと換装します。
守門岳頂上は、もうすぐ!
そして頂上へ

ここを登りきると頂上です。

時刻は12時過ぎ。
守門岳頂上(袴岳)に到着しました!
標高は1,537mしかありませんが、景色は3,000m峰並です。
来てよかった。

こちらが噂に名高い、東洋一の雪庇。
…ですが、今年は積雪量が少なく、雪庇の発達もイマイチです。

こちらは福島の名峰・飯豊山。
距離が100kmも離れていますが、くっきりと見えています。
飯豊山の後には山形の名峰・朝日連峰が見えるはずですが、あいにく雲の中に隠れてしまっていますね。

右は2つ耳の特徴的な燧ケ岳、左は日光白根山です。

こちらは烏帽子山方面の稜線。
一般登山道は通っていません。
下山

存分に景色を堪能した後、来た道をピストンして下山していきます。
この日は山頂直下の斜面が一部固い急斜面となっているため、12本アイゼン+ピッケルを使うのが間違いありません。

雪庇の横を通り抜け

脇にアニマルトレースを眺めながら

木漏れ日に癒されつつ

雪原を通り抜け

時刻は午後4時前。
無事駐車場まで帰還しました!
山中に居た時間は9時間となり、とても長い山行となりました。
厳冬期(1~2月)には晴天率の悪い越後ですが、今回は貴重な晴天に恵まれ、最高の山行となりました。
