2020年2月24日に、仙ノ倉山と平標山に日帰り雪山登山にいってきました。
目次
仙ノ倉山と平標山の紹介
平標山は、谷川岳の西部に位置する標高1,983mの山です。
積雪期にはこの時期しか通れないヤカイ沢ルートを通って登頂するのが一般的です。
登山者よりは、BC(バックカントリー)の人が多いです。
仙ノ倉山は、平標から1時間の距離にある標高2,026mの山です。
平標~仙ノ倉山の稜線は広大な大地となっており、積雪期には一面の広大な雪面ハイクを楽しむことができます。
いずれの山も、谷川岳と比べるとマイナーとなっており、比較的静かな山歩きを楽しむことができます。
今回のルート
今回紹介するルートを以下に記します。
火打峠→ヤカイ沢ルート→平標山→仙ノ倉山→ヤカイ沢ルート→火打峠
尚、ブログ主の把握している限りでは、本ルートを紹介している雪山登山の本はありませんでした。
参考までに、山と高原地図「山と高原地図 谷川岳 苗場山・武尊山」が、対応する地図になります。
平標山まで

火打峠の路肩に車を駐車します。20台超の車を駐車可能ですが、午前6時半の時点でほぼ満車になっています。
100台以上駐車可能な駐車場は、今の時期には雪の下に埋まっており利用不可能です。
冬季はこの地点にあるトイレは利用不可です。
また、スタッドレスタイヤが必須です。(2WDでも問題無し)

目指す平標山と仙ノ倉山はガスの中です。
しかし、この後ガスは取れてくる予報です。
晴天予報に期待が高まります。


みくに国際学園の横から、登山開始です!
時刻は午前7時。

序盤は雪に覆われた林道歩きです。
雪の量が少なく、快適に歩けています。
それにしても、今年の積雪量の少なさは異常です。
2年前の1月に平標山に来たときには、最大で腰上ラッセルだったのですが…。
今回は、実質4月下旬くらいの積雪量といったところでしょうか。
普通ならばスノーシューやワカンが役立ちますが、今回はツボ足(ノーアイゼン)で登っていきます。

分岐に到着しました。
まっすぐ行くと平標山の家経由ルート
左にいくと冬季限定のヤカイ沢ルートです。
この時期は、左から進んだ方がショートカットできます。

ヤカイ沢ルートは広大で、自由にルート取りできます。
どこを進んでも特に問題はありません。

今回は、途中までヤカイ沢を歩き、途中で右手にある尾根に乗り上げるルートを取ります。
このあたりで斜度が急になってきたため、12本アイゼンを装着します。
(両手にはダブルポール)

尾根に乗り上げました。

尾根上からは…上州の山々を一望できます。

こちらはの特徴的な苗場山です。
なだらかな山頂が特徴的で、いわゆるテーブルマウンテンと呼ばれています。
個人的にまだ未踏峰なので、近日登ってみたい山の1つです。

尾根上を進みます。

標高約1,700m地点。
もうすぐ森林限界を越えます。
越後は豪雪地帯のため、上部では高い木が育ちにくく、その分森林限界も低くなります。

森林限界を超えました!
360度の大絶景です。

本日の1座目・平標山の頂上を視界に捉えました。

平標山・山頂(標高1,983m)に到着しました!
森林限界上では風が強いです。本日の風速予報は15mとのこと。
弱い台風並みです。
それでも、バラクラバ・ゴーグル・ネックウォーマー・ハードシェル・手袋等があれば全く苦ではありません。雪山用防寒着は優秀です。

この時期の平標山にはBC(バックカントリー)で入山する方も多いです。

写真左側は日本海方面、右側は太平洋方面です。
明らかに左の日本海側だけガスっています。
平標山の稜線は日本海と太平洋とを分ける中央分水嶺(ぶんすいれい)の為、ここを境として天気が変わりやすいと言われています。
仙ノ倉山へ

普通ならば、平標山で「お疲れ様でした!」となるところなのですが、我々は山を限りなく愛する普通ではない人々です。
よって、平標山から1つとなりにある仙ノ倉山を目指します。
装備は引き続き12本アイゼン+ダブルストックです。
(ただし、雪面がクラスト(氷化)しているときなどは、ピッケルを装備した方がよいでしょう)
平標~仙ノ倉山は明らかにガスっていますが、予報通り晴れることを期待します。

仙ノ倉山~平標間の稜線は広大な雪原となっているため、ガスのときには道迷いに要注意です。
定期的にGPSで現在地を確認するとよいでしょう。

予報通り、ガスが晴れてきて…

仙ノ倉山が、その姿を現しました。


仙ノ倉山は、見えたり見えなくなったりを繰り返します。

登山道の脇に設置されている、名物の東芝ランプです。
調べたところによると、どうやら東芝社の山岳部が遭難防止のために設置されたもののようです。
感謝です。

この稜線にはほとんど登山者がいません。
静かな山を楽しめています。

写真左奥のピークが仙ノ倉山山頂です。
仙ノ倉山の手前にはいくつかの小ピークがありますが、今回はすべて進行方向左側から巻くことにします。

左からトラバース中。

ガスの稜線に突入します。

ガスが晴れる瞬間の稜線は幻想的で、とても美しいです。
山は晴天無風のときが一番美しいと思われがちですが、ガスの山も侮れません。

仙ノ倉山・山頂を視界に捉えました!


仙ノ倉山・山頂(標高2,026m)に到着しました!
仙ノ倉山は平標~谷川岳の稜線上で、唯一2,000mを超える山岳です。

山頂標識の奥(北側)に見えている尾根は仙ノ倉山・北尾根です。
残雪期のみに歩くことが可能なルートです。

仙ノ倉山頂上からは、万太郎山やその奥に続く谷川岳を望むことができます。
とても荒々しい風景で、標高2,000m以下の山岳とは思えない迫力があります。

雪山ポートレート。
下山

来た道を戻り、下山します。

まずは平標山を目指します。

平標山の山頂には、人影がちらほらと。

絶景の雪原ハイクです。

平標~仙ノ倉山には木道が敷設されていますが、積雪期にはその大部分が雪の下に隠れています。

平標山へ向けて、最後の登りです。

平標山へ帰還しました!
ここからはアップダウンは無く、ひたすら下っていくのみです。

ヤカイ沢ルートを下っています。
前述のとおり、ヤカイ沢ルートは自由に歩くことができます。
登ってきたときよりもやや北側の斜面を歩いています。

だいぶ下部まで下ってきました。

あと10mほどで駐車場です。
気温が高くなってきた影響で、このあたりが最も踏み抜きます。
冗談だけど、ワカンを装備したい。

時刻は15時半。
無事に駐車場へと帰還しました!
お疲れ様でした。
下山後の役立ち情報

まんてん星の湯にて入浴します。
入浴料金は800円(3時間コースの場合)也。
天然かけ流しの気持ちのいいお湯です。

始めはガスっていてどうなることかと思いましたが、結果的に最高の景色に恵まれ、今回も最高の山行となりました。
この山域は入山者が少ない割に山頂が広く、よって広大な雪山をほぼ独り占めすることができます。
ありがとうございました。
