降雪直後の雪山や、人気のない雪山ではラッセルを強いられます。もちろんワカンを履けばある程度ラッセルは楽にはなりますが、スノーシューの方がはるかに性能が高いです。例えば、ワカンでは膝まで埋まる雪でも、スノーシューであれば脛までの埋没で済みます。
各社から様々な特徴のスノーシューが発売されています。筆者は、TSL製のスノーシュー「アップダウン」を愛用しています。今回の記事では、アップダウンをオススメする6つの理由を紹介します。
目次
オススメポイントの紹介
雪がスノーシューの上に付きにくい
オススメポイント1つ目は、湿った雪でもスノーシューの上に雪が付きにくい点です。
以下に筆者が保有しているアップダウン上側の写真を示します。オレンジ色のフレームと、黒色の靴を固定する部分との間に隙間が空いているのがわかるでしょうか。この隙間から雪が下に落ちるため、スノーシューの上に雪が残りにくいです。
実際に、筆者が4月中旬の気温が0℃付近の山でアップダウンを使ったところ、アップダウンに湿った雪が付くことはほとんどありませんでした。ちなみに通常のスノーシューは一枚の大きな板となっているため、湿った雪の場合にはスノーシューの上に雪が残ってしまい重くなりやすいです。

隙間があるため、雪が落ちてくれる。
隙間があるからといって浮力が落ちるということは無い。
浮力が高い
オススメポイント2つ目は、当たり前かもしれませんが浮力が高い点です。
ツボ足だと膝まで埋もれる雪でも、アップダウンを付けていれば踝までの埋没で済みます。例えば、以下は体重40キロの人がノートレースの斜面にアイゼンで突入して、膝まで埋没してしまった様子です。抵抗が強く、このまま先に進むことはできませんでした。

一方、以下は体重75キロの筆者がアップダウンを付けて、上の写真と同じ斜面を登ったときの様子です。筆者の方が2倍近く体重が重いにも関わらず、踝までしか沈みませんでした。もちろん、快適に斜面を登っていくことができました。

下りでも使いやすい
オススメポイント3つ目は、下りでも体が前のめりにならずに下りやすい点です。
アップダウンでは、踵部分が下に抜ける構造になっています。よって、下りでも前のめりになることがなく、自然な体勢で下っていくことができます。実際に、斜度が30度を超えるような下り坂でアップダウンを使用しても、まったく前のめりにならずに斜面を降りていくことができました。普通であれば、スノーシューをあきらめてラッセルしながら下るか、あるいはスノーシューを付けて前のめりになりながら下っていく必要があります。
以下は、下りモードにしたアップダウンを横から撮影した図です。踵が下に下がっていることがわかると思います。

上記写真のように踵部分を下げるためには、踵部分にある金具を以下写真の右のように調整します。
リフター付きで、上りでも使いやすい
オススメポイント4つ目は、ヒールリフターが付いており登りやすい点です。
ヒールリフターが無い場合、上りでは踵が上がってしまい足に負荷が掛かりやすくなります。

ヒールリフターを使うためには、下記写真の右側のように、踵の金具を上方向に持ち上げます。
上りでは、ヒールリフターの位置を前から中央に変更します。
爪が多数ついており、登坂能力が高い
オススメポイント5つ目は、爪が多数ついており登坂能力が高い点です。
以下にアップダウン底面の写真を示します。オレンジのフレームに6本のスパイク、黒のフレームに2本のスパイク、そして長手方向に2本の波状の板、さらにつま先部分には雪を蹴りこむことのできる爪が付いていることがわかるかと思います。このため、アップダウンは急斜面でもとても滑りにくい構造をしています。
実際に、斜度が30度を超えるような斜面で筆者がアップダウンを使っても、ほとんどすべることなく登っていくことができました。ちなみに、雪原ハイク用のスノーシューにはほとんど爪が付いていないため、急斜面では滑りやすくなってしまいます。

安い
オススメポイント6つ目は、実売価格が2万円台後半と安い点です。
他社の同スペックのスノーシューの場合、5万円近くの値段がします。
注意点
サイズ違いがある(413と438)
アップダウンには、サイズの小さな418と、大きな438があります。後者の方が、大きな靴や体重に対応しています(詳しくは以下表をご覧ください)
418 | 438 | |
靴のサイズ(EU) | 35~44 | 38~46 |
体重 | 40~80kg | 60~120kg |
小柄な方は418を、大柄な方は438を使用するとよいでしょう。ちなみに、身長180cm、体重70kgの筆者は438を使用しています。
今回の記事は以上になります。