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雪山テント泊に必要な道具を紹介します

雪山では、雪が植生を保護するため自由にテントを張って良いとされています。夏山にはない自由度が雪山の醍醐味の1つです。

雪山でテント泊をすると、夜は澄んだ空気の元で満点の星空を眺められ、朝にはモルゲンロートに染まる山を一望できます。

今回の記事では、雪山テント泊をするために必要となる道具を紹介します。

前提
本記事では以下のことを前提として話を進めていきます。

・アイゼン、冬山用登山靴などの雪山登山道具を既にそろえている
・ダウン、ニット帽、手袋などの防寒着を既にそろえている

テント関連

ショベル

ショベルです。
ショベルの役割は主に以下の5つです。

  1. 地面の雪を掘って低いスペースを作り、幕営スペースを作る
  2. 地面の雪をたたいて固め、幕営スペースを作る
  3. テントの周りに風よけのための雪ブロックを作る
  4. 後述するスノーアンカーを雪面に埋める
  5. 飲料用の雪を集める

もちろん、上記のうち1.2.はどちらか片方のみ実施すればよいです。
筆者の場合には、雪がフカフカだったら1.を、雪がある程度締まっていたら2.を実施することが多いです。

ショベルの使用例。
この際は、地面を掘り下げるとともに周りに雪のブロックを積んだ。


ショベルで掘り下げた雪面に、テントを設営している場面。


スノーペグ

スノーペグです。

夏山で使うタイプの細いペグは、雪面に固定できません。(刺さったとしても簡単に抜けてしまうため、ペグとしての役割を果たしません)

そこで、雪面にも固定可能な、断面積の広いスノーペグを使う必要があります。

スノーアンカー

スノーアンカーです。

夏山では、テントのフライを紐で石に固定することが多いです。
しかし、雪山では石は雪の下に隠れています。

そこで、紐を通してスノーアンカーを雪の中に埋めることで、テントのフライを雪面に固定します。

テントのスノーフライ

テントのスノーフライです。

冬山では、夏用フライの代わりにスノーフライを使います。
理由は以下の2つです。

  • 生地に通気性を持たせるため(夏用の通気性のないフライを使ってしまうと、フライの下が雪で隠れて酸欠になります)
  • 保温性を高めるため

各テントの専用スノーフライを用意する必要があります。ただし、人によっては夏用フライで雪山テント泊をする人もいます。夏用フライだったとしても、換気に気を付けて、さらに寒さ対策をすることである程度対応が可能です。

寝るためのもの

厳冬期用シュラフ

厳冬期用シュラフです。

冬山では、テント内はマイナス15℃以下になります。夏山用のシュラフでは一睡もできなくなります。
筆者はイスカのエア900SLを使っています。リミット温度がマイナス25℃であり、雪山のテント内でも暖かさを保つことができます。

高断熱マット

高断熱マットです。

シュラフに比べて、意外と軽視されがちなのが底冷えです。いくら保温性の高いシュラフを使っていても、マットの断熱性が低いとやはり寒さで眠れなくなります。

マットとしてオススメなのはサーマレストのネオエアーXです。ネオエアーXの断熱性の高さを現すR値は6.9と高く、サーマレスト製のエアーマットとしては最も断熱性が高いです。

ただし、エアーマットの場合にはパンクに注意する必要があります。仮に山中でパンクしてしまうと命に係わるため、かならずリペアキットを持っていくようにしましょう。


その他には、エアーマットとクローズドセルを併用すると言う方法もあります。筆者の場合にはサーマレストのリッジレストソーライトと、sea to summitのウルトラライト インサーレーティッドマットを併用しています。
それぞれのマットのR値はそこまで高くないため雪山では使えませんが、2枚重ねることで断熱性が高くなります。筆者が使う限りで底冷えを感じたことはありません。

シュラフカバー

シュラフカバーです。

誤ってシュラフに水をかけてしまうと、シュラフの断熱性が損なわれます。そこで、シュラフにカバーをかけることでシュラフを濡れから保護します。

「シュラフカバーをビニールで代用しよう」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これは逆効果です。なぜならば、就寝中にかいた汗が逃げていかず、シュラフの表面で凍り付いてしまうからです。

シュラフカバーには、ゴアテックスなどの透湿性素材が使われているものを使用するようにしましょう。

尚、シュラフカバーには、保温性が若干高まるという副次効果もあります。

テントシューズ

保温性のテントシューズです。

靴下だけでは足先が冷えます。
オススメは足裏が補強されていて、ハイカット(足首の上の方まで保温してくれるタイプ)のテントシューズです。なぜならば、このタイプのテントシューズであれば、そのままテントの外を歩けるためです。(ただしアイスバーンの上や急斜面を歩くと転倒・滑落しますので要注意)

その他、防寒グッズ

上記で紹介した保温グッズは必要最小限のものです。以下urlで紹介する品を用意することで、さらに保温性を高めることができます。

厳冬期(1~2月)の3,000m級峰の夜には、気温は-20℃まで下がることがあります。よってテント泊をする際には、かなりの寒さ対策をしてお...

食事関連

ガス缶バーナー

ガス缶バーナーです。

雪を溶かして飲料水を確保したり、食事を作るために使います。
尚、火力に優れたガソリンバーナーというものも存在しますが、個人的にはあまりオススメしません。理由は以下の3つです。

  • 火を付けるたびに100回程度ポンプアップという作業をする必要があり、時間と手間が掛かる
  • 火力を調整しにくく、大きな火柱が上がるため(仮にテント内でガソリンバーナーを使った場合、テントの天井が焼け落ちるでしょう)
  • ガソリンの取り扱いが危ない為


尚、必ず非電子式のライターを持っていくようにしましょう。
高所や冷所ではバーナーの着火装置が働かないため、ライターで火を付ける必要があります。

ハイパワーガス缶

ハイパワーガス缶です。

通常のガス缶では出力が弱く、雪を解かすのに時間が掛かりすぎてしまいます。


尚、冬山のテント内では、(本来は推奨されていない使い方ですが)テントの中でバーナーに火を付けることも多いです。
この場合にガス缶を倒してしまうとコッヘルの中身をこぼしてしまうばかりか、最悪の場合には周囲に引火します。

そこでガス缶を倒さないように、ガス缶にはホルダーを付けるようにしましょう。

やかん

やかんです。

雪を溶かして飲料水を確保するために使います。
やかんの素材としては、軽量なアルミかチタン製が良いでしょう。チタン製は軽いだけではなく頑丈さも兼ね備えています。

保温性水筒

保温性の水筒です。

雪から作った水やお湯を保存しておくために使います。
水筒としてはサーモスの山専ボトルがおすすめです。山専ボトルの保温性は高く、お湯を入れて半日経ってもほとんど温度が変わりません。

その他

45Lのビニール袋2枚

45Lサイズのビニール袋を2枚用意します。

1枚は飲料や食料用の雪を集めておくために、もう1枚は登山靴をビニールにしまい、さらにテント内に収納するために使います。風の強い日の夜に登山靴を前室に出しっぱなしにしておくと、靴が凍り付きます。

尚、ビニール袋には破れにくく丈夫なものをオススメします。雪を集めるとそれなりの重量になるので、ヤワなビニール袋だと簡単に破けてしまいます。

ザック(75L以上)

容量の大きなザック、できれば75L以上を用意します。

雪山テント泊ともなると、荷物の量が膨大になります。
個人的には、75Lあれば2泊3日の雪山テント泊装備でも、ある程度余裕を持って収納することができます。



今回の記事は以上になります。
尚、初めての雪山テント泊には、必ず経験者の人に同行してもらうか、1人だったとしても営業小屋で行うようにしましょう。

雪山で忘れ物をしたり道具を使えなくした場合、命に係わることがあります。

夏山では、緊急時を除いて指定された場所以外にはテントを張ってはいけません。植生を痛めてしまう為です。地面に直にテントを張ってしまうと、その...

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