【夏山登山】大雪山縦走~お花畑と広大な大地~

2021年7月22~24日の日程で、北海道・大雪山の旭岳~トムラウシ山を縦走してきました!

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大雪山とは

大雪山は北海道中央部に位置する山塊で「北海道の尾根」とも称されます。コース上では北海道の雄大な大地を眺めながら歩いていくことができます。
7月下旬には雪もほとんどとけ、様々な高山植物が顔を出します。
また、一部残った雪渓から水を汲むことができるため、水にも事欠くことはありません。

今回の記事では、2泊3日で大雪山の旭岳からトムラウシ山を縦走した記録を紹介します。

ルート詳細

今回のルートの詳細を、以下に記します。

(初日)すがたみ駅→裾合平→北海岳→白雲岳分岐→白雲岳→白雲岳分岐→白雲岳避難小屋(CT:8:40)
(2日目)白雲岳避難小屋→忠別岳→五色岳→化雲岳→ヒサゴ沼避難小屋(CT:8:35)
(最終日)ヒサゴ沼避難小屋→日本庭園→ロックガーデン→トムラウシ山→トムラウシ短縮コース登山口(CT:8:00)



本ルートの様子を知るうえでは、山と渓谷社「北海道の山」も参考としました。



尚、旺文社「山と高原地図 大雪山 トムラウシ山・十勝岳・幌尻岳 (山と高原地図 3)」に本ルートの詳細が記載されています。地図を持たない登山は危険です。必ず地図を持って入山するようにしましょう。

出発~ロープウェイ山頂駅まで

羽田空港発・旭川空港行きの飛行機に乗り、さらにレンタカーを借り、旭岳ロープウェイ麓のK’s House Hokkaidoさんに前日泊しました。(旭川空港や旭川駅周辺から当日朝の路線バスに乗ってしまうと、ロープウェイの始発には間に合いません)

尚、このホテルでは食事の提供は無く、周囲に食事処やコンビニなども皆無です。
食事や山用品等といった買い物は旭川空港周辺のスーパー、mont-bell大雪ひがしかわ店空港内のコンビニで済ませておくとよいでしょう。


旭川空港で借りたレンタカーを、事前予約しておいた山岳好歩(すきっぷ)さんへと預けます。
今回、旭岳ロープウェイからトムラウシ短縮登山口への回送料金は、¥25,000となっています。



旭岳ロープウェイに到着しました。
ロープウェイ運航開始30分前の混雑状況は上の写真の通りです。これであれば、十分始発に乗ることができます。(ロープウェイの運行間隔は20分なので、今回のようにロングコースを歩く場合には始発に乗ることが望ましいです)
今の時期、土日祝日の運行開始時間は6時です。(最新の時刻表はこちらを参照)


旭岳の向こう側から朝日が昇ります。天気は快晴です。


ロープウェイ片道料金は¥2,000です。


ロープウェイに乗り込みます。
コロナ対策のため、マスクの着用が必須となっており、会話も不可です。
そして、定員は従来の100名から50名に削減されています。


標高1,610mのすがたみ駅に到着しました。
ここから登山開始となります。


出発~裾合平まで

右に進むと主峰・旭岳山頂。左に進むと旭岳北部の裾合平です。
ピークハントのためには右に進みたいところですが、今回は左へ進みます。
理由は後述します。


夫婦池と旭岳。


夫婦池のあたりでは、チングルマが満開に咲き誇っています。


チングルマは、一部綿毛になっているものもあります。


花から綿毛に変わろうとしているチングルマ。


こちらはワタスゲですね。


チングルマと紫色の花の共演。
紫色の花は、北海道固有種のエゾノツツガザクラですかね。


チングルマ(綿毛)と比布岳方面の山々。


奧に旭岳が見えてきました。


すがたみ駅~裾合平~白雲岳間にはいくつか雪渓が残っています。
しかし、いずれもアイゼンを付けるほどではなく、ツボ足(ノーアイゼン)で通行可能です。
(今回の行程でチェーンスパイクが確実に必要だったのは、ヒサゴ沼のみ)


コメツツジです。


木道の道を先に進んでいきます。


オオサクラソウか、エゾコザクラです。


裾合平に到着しました。


今の時期、裾合平ではチングルマが満開に咲いています。
旭岳ピークを通るルートと比べて、裾合平を経由するとコースタイムが1時間ほど伸びてしまいますが、来る価値は十分にあります。


チングルマの写真を撮るために、木道の外(上の写真で左下の箇所)には出ないようにしましょう。
徐々に花畑が後退していってしまうためです。監視員の人も遠くから見張っています。


中岳温泉

湿地帯を越えていきます。


周囲の風景がガレ場へと変わってきました。


ガレ場に咲く花。


山中に沸く天然の中岳温泉へと到着しました。


中岳温泉では、足湯をすることも可能です。


中岳温泉には、携帯トイレブースが設置されています。
大雪山にはトイレが少なく、携帯トイレブースが置いてある箇所も多いです。よって、かならず携帯トイレを持参するようにしましょう。
(今回のコース途中でトイレが設置されていたのは、白雲岳避難小屋とヒサゴ沼避難小屋の2カ所だけです)

北海岳・白雲岳

中岳温泉から、稜線へと向かって高度を上げていきます。


中岳分岐に到着しました。


こちらは北鎮岳方面です。
今回は進みません。


北海岳方面へと進みます。


中岳分岐~北海岳の間では、立ち入り禁止の御鉢平を眺めながら、進んでいくことができます。


御鉢平中央部に位置する、有毒温泉のアップです。
名前の通り、有毒の硫化水素ガスが噴出しているため立ち入り禁止です。


山頂標識を視界に捉えました。


中岳分岐~白雲岳間にはいくつか小ピークがあります。
こちらは間宮岳。


さらに御鉢を巡り、北海岳を目指します。


このあたりから、砂礫地が見られるようになってきました。


砂礫地といえば…高山植物界の女王・コマクサが生えています!


コマクサのアップ。
うっかり砂礫地の上を歩いて、芽を出す前のコマクサを踏まないように注意しましょう。
どちらかというと、女王様を踏むよりも踏まれたいです。


女王様トラップに引っ掛かること数分。
先へ進みます。


山頂標識を視界に捉えました!


北海岳山頂に到着しました!


白雲岳

初日最後のピーク・白雲岳を目指します。


北海道の固有種・チシマクモマグサです。
御嶽山や北アルプスに生えているクモマグサは変種です。


気持ちのいい道が続きます。
右奥のピークが白雲岳です。


白雲岳が近づいてきました。


北海道の固有種・クモマユキノシタです。
進むごとに高山植物の種類が変わるため、飽きません。


一方で、チングルマは割とどこでも咲いています。
チングルマの妖精に怒られそうですね…。


ピンク色のチングルマです。
珍しいですね。


ツボ足で通行できる雪渓です。


ミヤマリンドウですね


分岐が見えてきました


白雲岳分岐に到着しました!
白雲岳は白雲岳避難小屋へのルートから外れており、分岐から往復70分掛かります。
白雲岳に登る際にうっかり荷物をデポすると、熊やきつねに荷物を荒らされる可能性があり危険です。
特に周りに登山者の少ないときには注意しましょう。
今回は、4連休ということもあり登山者が多く、荷物をデポしている人も多かったです。


白雲岳を目指します。


終盤は岩場となっており、3点支持で登っていきます。


白雲岳に到着しました!
後ろに見えるゼブラ模様の山は、旭岳です。このゼブラ模様を間近から見られただけでも、白雲岳に来た甲斐がありました。


来た道を戻っていきます。


白雲岳分岐まで戻ってきました。


白雲岳避難小屋

初日の幕営地・白雲岳避難小屋を目指します。


北海道、青森、岩手にしか咲かないウコンウツギです。


白雲岳避難小屋に到着しました!
小屋のルール・特徴は以下の通りです。

・幕営可能数は最大約80張
・幕営料金は500円/1人
・そのほかに、協力金を1人あたり1000円以上支払うと、オリジナル手ぬぐいを貰える
 (1,000円はほぼ必須と思った方が良い)
・トイレにはトイレットペーパー無し。使ったトイレットペーパーは要持ち帰り
 (持ち帰り袋としてジップロックがあると良いでしょう)
・狐が登山靴を持っていく事件が頻発しているため、靴をテントの中にしまった方が良い

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白雲岳避難小屋から、白雲岳分岐方面に3分ほど戻った箇所で沢水を汲むことができます。
ただし水は煮沸か浄水が必要です。

携帯浄水器・ソーヤーの選び方・使い方・注意点の紹介【エキノコックス対策】
北海道の山に行って水を汲む際には、濾過や煮沸が必須です。北海道の水にはエキノコックスという寄生虫が潜んでいる可能性があるからです。 ...

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靴をテント内にしまう際には、大き目のゴミ袋があると便利です。



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到着時点(午後3時前)でのテント場の込み具合は上記の通りです。
旭岳を迂回したり、白雲岳に寄ったために2時間ほどロスしたことと、4連休ということもあり8割ほど埋まっています。
この1時間ほど後にテント場は埋まってしまい、この後に到着した人は小屋に案内されたようです。


時刻は変わり深夜です。
満月がテント場を照らします。

次ページでは、お花畑を歩きながらいくつかのピークを経由し、幕営地・ヒサゴ沼を目指します。

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