2020年6月6~7日に、針ノ木岳に一泊二日のテント泊で登ってきました!
目次
針ノ木岳の紹介
針ノ木岳は、北アルプスの中央部に位置する標高2,821mの山岳です。途中の針ノ木雪渓は日本三大雪渓に位置付けられ、8月まで雪渓が残ります。
針ノ木岳頂上からは、立山とその麓に位置する黒部ダムの絶景を見られます。
今回の登山ルート
今回の登山ルートを以下に示します。
【初日】扇沢→針ノ木峠(幕営)
【二日目】針ノ木峠→針ノ木岳山頂→針ノ木峠→扇沢
尚、筆者が知る限り本ルートを取り扱った雪山登山の本は存在しません。参考までに、対応する夏山用の山と高原地図を以下に示します。
登山開始~雪渓まで

扇沢の無料駐車場にて前日車中泊しました。
朝7時過ぎに登山開始です。

臨時休業中の扇沢駅です。普段なら登山者や観光客でごった返しているのですが…。さみしい風景ですね。

扇沢駅の左脇を抜けて、針ノ木岳を目指します。

6月は雪が融けて、高山植物が咲き始める時期です。

こちらはツツジですね。

ガスの向こうに針ノ木岳が見えます。

工事車両はこの地点まで入れるようですね。
うらやましい…。

これは、雨に濡れると透明になる花・サンカヨウか??

???
花の名称を同定できず…

何か所かガレ場を横断する箇所があります。
ガレを直登しないように要注意!
落ち着いて見渡せば、進むべき道は分かりやすいです。

鯉のぼりの道しるべ。
山なのに魚という気もしますが、可愛いですね。

徐々に雪が出てきました。
豪雪地帯・北アルプス恐るべしです。

シナノキンバイ?

渡渉します。今回は水量も少ないので難易度は高くありません。

大沢小屋までやってきました。
この小屋が見えると、もうすぐ雪渓の始まりです。

シラネアオイです。
雪渓~針ノ木小屋まで

登山道左側を走っている雪渓に入ります。
6月はまだ残雪も豊富なため、夏道よりも手前から雪渓に入りました。この方が楽に登れます。
(ただし時期によっては、手前から入りすぎてしまうと下を走っている沢にドボン!する可能性があるので自己責任でお願いします)


雪渓には大小さまざまな落石が落ちています。
しかも、音もなく落ちてきます。
ヘルメットを付けて、たまに周囲を見ながら登っていくのがよいでしょう。

ひこうき雲。

雪渓をひたすら登り詰めていきます。

小休止。

雪渓は途中で分岐しています。
ここは右岸(進行方向左側)へと進んでいきます。

高度を上げるにつれて、周囲の展望が効くようになってきました。
こちらは爺ヶ岳です。

もう少しで針ノ木峠に到着します。
長い雪渓歩きももうすぐ終わりです。
針ノ木小屋到着~夕景

針ノ木峠(針ノ木小屋)に到着しました!

夏のテント場は、3張程度しか見えていません。

そこで、雪の上に幕営することにします。
雪用のペグとスノーアンカーが無いと設営できないことに要注意です。
また、今回のように針ノ木小屋が営業期間外の場合にはトイレもありません。携帯トイレを持ってくるようにしましょう。

針ノ木小屋の向こう側には槍ヶ岳が見えます。

???
恥ずかしながら山座同定できず…

双耳峰の特徴的な鹿島槍ヶ岳です。

時刻は移り変わり夕刻です。
爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳の向こう側の空が赤く染まっています。
一日が終わろうとしています。
2日目。針ノ木岳へ

夜が明けました。天気は快晴です。
ちなみに夜間の天気は悪く、星を撮影することはかないませんでした。
せっかく持ち込んだ交換レンズと三脚は使いませんでした。歩荷することができてこの上ない喜びです。

針ノ木岳を目指していきます。
針ノ木小屋から針ノ木岳への入り口は、雪渓を10メートルほど下った箇所にあります。

序盤は、一部雪が途切れている箇所も。
雪で覆われている箇所が多いので、12本アイゼンを付けたまま進んでいきます。

おはよう鹿島槍ヶ岳。


針ノ木岳へはトラバース気味に進んでいきます。
今回は夜間の気温が低くアイスバーンになっていると嫌だったので、日が昇ってから登山を開始しています。(ただし、気温が高すぎると今度は雪が腐って登りにくくなることに注意)

山鳥発見!と思い連射していたら、近くに雷鳥がいたようです。
私が気付いたときには雷鳥は逃げてしまった後でした…。

進んできた道を振り返る。

針ノ木岳山頂が近づいてきます。

周囲は大展望です。

山頂直下は急斜面になっており、緊張感を強いられます。
アイゼンの前爪とピッケルを刺しながら、慎重に登っていきます。

進んできた道を振り返る。Ver 2.

この道を進むと山頂です。
針ノ木岳山頂にて

針ノ木岳(標高2,821m)に到着しました!

針ノ木岳は北アルプス中央部に位置します。
よって、山頂からは北アルプスの名峰を一望できます。
こちらは劔岳です。江戸時代には地獄と言われただけあって、ギザギザした針山のような形をしていますね。

こちらは立山です。
劔岳とは対照的に天国と言われただけあり、なだらかな山容をしています。

五色ヶ原です。いつか行ってみたいところの1つ。

針ノ木岳山頂からは、黒部ダムと立山をセットで眺められることで有名です。
針ノ木岳と言えば、この展望です。

槍ヶ岳です。

そして遥か遠くには富士山が見えます。6月なのにこんなに遠望が効くのは珍しいですね。
焦点距離600mmでなんとか撮影できました。
下山

山頂直下の雪壁を、クライムダウンして下ります。
写真だと伝わりにくいですが、昇りよりも下りの方が遥かに怖いです。

気温が上がって雪が腐るまえに、テント場へ帰還します。

テント場に戻りました。
テントを撤収します。

雪渓を下っていきます。
雪渓の上りには数時間かかりましたが、下りはわずかに1時間弱しか掛かりませんでした。
これからの筆者の人生を象徴しているようで嫌な予感がします。


雪渓の終わりです。左側から登山道に復帰します。
尚、あまり雪渓の先に進みすぎると、雪渓の下に隠れている川にドボン!する可能性があるため注意しましょう。
川に流されたら雪渓のため脱出することもできず、冗談抜きで命に関わります。

標高が下がると、高山植物が出迎えてくれます。
これはイワハゼです。
いや、イワハゼはただそこで咲き誇っていただけです。身勝手な人間(筆者)の自己都合による解釈です。

???

ミヤマキンバイです。
黄色い高山植物は種類が多く、筆者にはわかりづらいです。

こちらはミヤマキンバイの群生ですね。
「これで名前を覚えただろう」という迫力を感じます。

濡れると透明になる花・サンカヨウです。また会ったな。

???
おそらくタンポポではないと思うのですが…。
ハリノキタンポポと命名しておきましょう。


扇沢まで戻ってきました!

車を回収します。

扇沢から最も近い日帰り温泉・薬師の湯で汗を流します。

快晴に恵まれ最高の山行となりました。
ありがとうございました。