【残雪期・雪山登山】上越国境縦走~G.W.に行く残雪期限定の絶景ロングルート~

2017/5/4~5の日程で、一泊二日の上越国境縦走雪山テント泊にいってきました!

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プロローグ

2017.5.2(Tue) 13:00
俺は、会社から自宅への帰路についていた。
G.W.に入る可能性の高かった出社がなくなったため、急遽、山にいこうと考えていた。予報では明日からの3日間は快晴だ。

登る山の候補としては、まだアイゼンとピッケルを使い足りないので、残雪があるところがいい。長期連休を活かして、2日間以上歩くロングルートがいい。
そして、G.W.でも人の少ないところがいい。

となると、いくべき山は以前から目星を付けていたあそこしかない。しかし、このルートはリスクも伴う。

雪山テン泊装備を背負って30kmを歩ける体力が必要になる。
ソロなので、何かあっても助けてくれる人はいない。
本当に大丈夫か。まだ実力不足なのではないか。
そんなことを考えながら準備をするうち、時刻は深夜25時を回ってしまった。

急に休みが入ったので浮かれているのではないか。
急にザックに荷物を詰めて準備したので、何か忘れ物があるのではないか。
3日前に立山1泊登山を終えたばかりで、体力が回復しきっていないのではないか。

そんなことを逡巡した。
冷静さが冒険心を上回り、結局、山に行くのをやめることにした。

翌日、ザックから荷物を抜いた。
厳冬期用シュラフ、三脚、水。

変わりに、夏用シュラフ、軽三脚、最低限の水を詰めた。
2,000m峰なので、温度は氷点下を下回らない。星空はこれまでに散々撮影した。水は、バーナーで雪を溶かせば無尽蔵に(ガスの許す限り)手に入る。
これで2kg弱の軽量化だ。荷物は軽いに越したことはない。
山岳保険にも入り、登山届も提出した。

俺は車に乗り込み、カーナビの目的地を土合駅にセットした。


時刻は深夜25時ー。

上越国境稜線とは

上越国境稜線とは、群馬県・谷川岳近くに位置する白毛門から、新潟県・巻機山へと続く稜線です。ルート上から東側には上州武尊岳や至仏山、西側には谷川連峰、北側には越後三山の絶景を眺めることができます。ルート上の大部分では登山道が整備されておらず、藪が茂っているため夏には歩くことが困難です。一方、厳冬期には大量の雪と暴風によって進路を阻まれます。よって、藪が隠れ尚且つ天候が安定する4月~5月上旬の限られた時期にのみ歩くことができます。

今回のコース



本ルートについては、山と渓谷社の「厳選 雪山登山ルート集」に詳細が記されています。
防止のため、通行できるルートが限られています。必ずルートを下調べしてから通行するようにしましょう。



対応する山と高原地図は、「谷川岳 苗場山・武尊山」「越後三山 平ヶ岳・巻機山」です。稜線全域をカバーするためには両方の山と高原地図が必要になります。

白毛門

白毛門登山口の駐車場に車を止め、午前6時に登山開始です。


まずは川沿いに10分ほど歩いていきます。


ここから朝日岳に取り付きます。
急登の始まりです。


最初は春の様相です。


岩登り。


だいぶ雪が増えてきました。


左の鎖場から登ることも、右側の雪上を登ることもできます。


谷川岳の展望が美しいです。
これだけの快晴、きっと谷川岳にはたくさんの人が登っていることでしょう。
一方、ブログ主が登っているルートでは数名とすれ違うのみです。
なんでだろう、人と同じことができない…。


松ノ木沢ノ頭まできました。
急登ですが、荷物を減らしたおかげでいいペースで登れています。


白毛門を視界に捉えました。


ところどころ雪が崩壊しています。
白毛門上部は雪壁となっており、12本アイゼンとピッケルが必須となります。


崩壊した雪のすぐ脇を歩く箇所も。


白毛門山頂(標高1,720m)です!


白毛門からは、谷川岳の山容が見事です。
きっと大勢の人が登っていることでしょう。一方、ブログ主のルートでは…(2回目)


笠ヶ岳

次のピーク・笠ヶ岳を目指します。
稜線上は夏道が出ています。いったんアイゼンを外すことにします。


上州武尊山方面の展望が見えてきました。


大きなクラックが入っています。
あまり長居したくない箇所です。素早く通過します。
さきほどアイゼンを外してしまったため、歩きにくい。
状況に応じて、装備の付け外しが求められます。


写真上中央が、目指す笠ヶ岳です!


笠ヶ岳(標高1,852m)です。


時刻は10時40分。谷川岳にはほとんどガスもかかることなく、あいかわらず見事な山容を見せてくれています。
きっと谷川岳には大勢の人が登っていることでしょう。一方、ブログ主のルートでは…(もういい)


笠ヶ岳避難小屋です。
雪山登山ルート集では2泊3日の行程とし、ここで宿泊することを推奨していますが、時間的にはまだまだ歩くことができます。
よって、今回はさらに先を目指します。


朝日岳

次なるピーク、朝日岳を目指してレッツゴー!
雪が増えてきたためアイゼンを装着します。


絶景の雪原ハイクです。


上州武尊山、燧ケ岳、至仏山、平ヶ岳の展望が見事です。


また夏道が出てきたため、アイゼンを外します。
段々とアイゼン脱着のスピードが上がってきました。
アイゼンの着脱速度を競う大会があったら入賞できそうです。


この岩の上が朝日岳山頂です。


空と朝日岳の2ショット。
「見てごらん、天空の城ラピュタだよ…」と囁きいい雰囲気を演出しますが、すべて独り言です。今回は一人登山なのだから。


朝日岳(標高1,945m)です!


さらにジャンクションピークを目指して進みます。


新潟方面の山々が見えてきました。


ジャンクションピークにたどり着きました。
「巻機山 難路道ナシ」の看板が目印です。
まっすぐ進むと馬蹄形周回コースです。


今回は、右側に進みます。
一般ルートに分かれを告げ、積雪期限定のバリエーションルートへ。

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