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モノクロ写真のコツと、現像ソフト「Black & White Projects 6 Professional」の紹介

日本では彩度の高い、いわゆる「ギトギトした写真」が好まれることも多いですが、世界的には彩度の高い写真はあまり好まれません。
むしろ、モノクロ写真が好まれることも多いです。
世界で最も厳しく、プロ写真家でも5%程度しか審査に通過しないと言われているフォトストック・1xにおいても、審査に合格している写真のうち約5枚に1枚はモノクロ写真です。
よって、モノクロ写真を極めることは世界基準に照らしてみても理にかなっていると言えるでしょう。ただし、なんでもモノクロにすればいいというわけではなく、うまいモノクロ写真を撮るためにはコツが必要です。

今回の記事では、モノクロ写真をうまく撮影するコツと、モノクロ写真に特化したFRANZIS社の現像ソフト「Black & White Projects 6 Professional」(以下、Black & White)を紹介します。

本記事をオススメしたい人

・モノクロ写真を撮ることもあるが、なんとなく満足できていない人
・日の出直後や日没間際に撮影をすることの多い人
・人工照明があたっているいる被写体を撮ることの多い人
・カラー写真で行き詰っている人

モノクロ写真のコツ

モノクロ写真とは、色の情報が消えて単色になった写真のことです。
色が無い分、白と黒の濃度差や、被写体の形のみで表現をすることになります。

世の中には「モノクロにすればどんな写真でも映える」という認識もあるようですが、そんなことはありません。
光と影の両方を持つ被写体が、モノクロに適しています。
これは、光と影を持つ被写体の方が、白と黒の濃度差で表現をしやすくなるからです。

光と影の両方を持つ被写体で代表的なのは、斜めから光が差し込む射光です。
射光によって被写体に光と影ができます。

斜光のあたる鹿島槍ヶ岳


また、人工的な光によって一部分にのみ光が当たっている被写体も、同様の理由でモノクロに適しています。

人工照明のあたる木々と東京ドーム

カメラ設定のモノクロモードについて

モノクロ写真を撮るためには、カメラの設定を「モノクロ」モードにして写真を撮るか、撮影後で現像処理でモノクロにすれば良いです。
しかし、モノクロというのは単純に見えてとても奧が深いです。
同じ被写体を撮影しても、メーカーによって違うモノクロ写真が出来上がります。
これは「どの濃さのどの色を、どの白黒に置き換えるか?」という考え方がメーカー毎に違っているためです。

よって、自分が納得するモノクロ写真を作るためには、現像ソフトが必要不可欠となります。

Black & White Projects 6 Professionalの実例紹介(風景写真編)

FRANZIS社から発売されている「Black & White」は、モノクロに特化した写真現像ソフトです。
このソフトには、184種類のモノクロ専用プリセットが搭載されています。
(つまり、184通りのモノクロ写真をわずか数クリックで作成できる、ということです)

≪FRANZIS≫ Black & White Project 6 Professional



「Black & White」のプリセット選択画面。
プリセットは写真の用途ごとに大きく10種類に分かれている。
10種類のプリセットは、さらに約18種類に細かく分かれている。


Black & Whiteの編集画面。
画面左側はプリセット適用ウィンドウ
画面右側はユーザーが任意でモノクロ度合を調整できるウインドウとなっている。


以下に、筆者が撮影した写真を元に、Black & Whiteで現像した実例を紹介します。
今回の現像はすべてRAWで実施していますが、JPEGでも現像可能です。
当ブログはいちおう山ブログなので、前半では風景写真を紹介します。

実例1:斜光の槍ヶ岳

以下の写真は、日の出1時間20分後の槍ヶ岳を撮影したものです。
まだ太陽が低い位置にあるため、太陽が横から槍ヶ岳を照らし、槍ヶ岳に光と影ができています。
この写真はモノクロ写真に適していそうです。



上記写真をBlack & Whiteでモノクロにしたものを、以下に示します。
プリセットには「Landscape (Reduce haze fog)」を適用しました。
槍ヶ岳から空の青や木々の緑が消え、代わりに残ったのは「山や空の光と影」「槍ヶ岳の形」のみとなりました。
どうでしょうか。カラー写真よりも、個人的にはモノクロの方が槍ヶ岳の良さをよく表しているような気がします。

Landscape (Reduce haze fog)


この槍ヶ岳の写真に、他のプリセットを適用してみました。
以下に2例を示します。
適用するプリセットによって、雰囲気が変わりますね。
プリセット:Landscape (Old framed)では、やや茶色掛かった古い雰囲気に、Landscape (Bleach)では、黒と白がハッキリとすることでよりモノクロ調が強くなりました。

Landscape(Old framed)


Landscape(Bleach)


作例2:木々の隙間から漏れる逆光

以下の写真は、早朝の厳冬期・四阿山にて、木々の隙間から差し込む朝日です。
朝日の一部は木々に遮られ、手前の雪面に光と影ができています。
この写真もモノクロに適していそうです。



上記写真を、Black & Whiteでモノクロにしたものを以下に示します。
プリセットには「Landscape(back light)」を適用しました。

どうでしょうか。
朝日や青空の持つ温かみは消えてしまいましたが、相対的に木々の影模様が強調されました。厳冬期の山の持つ厳しさと、その一方で明るく照らす日の暖かさを表現できたのではないかと思います。

Landscape(back light)


作例3:斜光の北岳

以下は、秋の南アルプス・間ノ岳と農鳥岳方面への稜線を撮影した写真です。
草が紅葉しているため一見のどかな風景にも見えますが、標高3,000mの稜線でありすぐに呼吸が荒くなる、環境の厳しいところです。
日の出2時間後のため太陽が低い位置にあり、稜線の右側には影が落ちています。よって、モノクロ写真に適していそうです。



上記写真を、Black & Whiteでモノクロにしたものを以下に示します。
プリセットには「Landscape (Reduce haze fog)」を適用しました。

どうでしょう。
豊かな紅葉の色が消え、標高3,000mの稜線が持つ厳しさが際立ったのではないでしょうか。

Landscape (Reduce haze fog)


上記稜線の写真に、別のプリセット「Landscape (Light Glow)」を適用したものを以下に示します。
こちらでは光が柔らかくなったことで、厳しさの和らいだ写真となりました。

Landscape (Light Glow)

作例4:前景と背景

以下の写真は、木を前景として北アルプスを撮影したものです。
前景の木は暗いです。
また、背景も雲が掛かっていたり山の一部に雪が積もっていることで、光と影ができています。
よって、モノクロ写真に適していそうです。




上記写真を、Black & Whiteでモノクロにしたものを以下に示します。
プリセットには「Landscape (Shaded)」を適用しました。

Landscape (Shaded)


次ページでは、風景写真以外の構造物やストリートフォト、ポートレートにモノクロ写真を適用したものを紹介します。

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