登山用品には、防災用品として使えるものが多いです。
なぜならば、登山では時には落石があるような危ないルートを通り抜け、山中でテントを張って数泊し、自炊するからです。この環境は、災害が起きてライフラインが破壊された環境と似たものがあります。
しかも登山用品は軽量コンパクトに出来ているため、持ち運ぶ際の負担が少なくて済みます。
今回の記事では、登山用品を中心として防災用品を紹介します。記事の最後でエクセルチェックリストも公開しています。
・アウトドア専用の高性能な防災用品を探している人
目次
停電に備える(照明・電気系)
停電した場合の備えを以下に紹介します。
ヘッドライト
停電時の夜間に必須となるのがヘッドライトです。電気が無いと全く周囲が見えないため、モノを探したり移動することがほとんど不可能になります。
通常の(手で持つタイプの)ライトとは違い、ヘッドライトであれば両手を自由に使うことができので、作業性が格段に高くなります。交換用の電池も同時に用意しておくようにしましょう。
ソーラー充電式ライト
ソーラー充電式のランタンです。
電気や電池が無くても、日中太陽に向けているだけで充電することができます。
このランタンはカラビナを使えばザックに外付けしておくことができます。(ランタンが太陽の側を向いてさえいれば)気が付いたら充電できていて、しかも必要なときにはザックからランタンを取り外してすぐに使うことができます。
モバイルバッテリー
スマホを充電するためのモバイルバッテリーです。
スマホが充電できれば、情報収集や連絡を取ることができます。尚、対応する充電コードもモバイルバッテリーと同じ場所に収納しておくようにしましょう。充電コードがないと宝の持ち腐れとなってしまいます。もちろん事前充電も忘れずに。
携帯ラジオ
情報を得るために、携帯ラジオがあると良いです。
断水に備える(水、トイレ系)
断水したときの備えを以下に紹介します。
水
2Lペットボトルを必要分、用意しておきましょう。大人一人、一日あたり、食事で1L、飲み物で1.5L、合計2.5Lの水を消費するとされています。
災害時の備えとしては3日分があればよいとされているので、2.5L×3日間×人数分の水を備蓄しておけばよい計算になります。
ペットボトルの他には、ウォーターサーバーもおすすめです。
ウォーターサーバーとしては、アルピナウォーターがおすすめです。
高額で定期配送のウォーターサーバーが多い中、アルピナウォーターは他社の約半額で購入できて、しかも自分の頼みたいタイミングで水を注文することができるからです。
ポカリスウェットの粉末
ポカリスウェットの粉末です。
夏場だと、水を飲んでいるだけだと脱水症状になります。
初期症状としてはまず頭が痛くなり、やがては倒れます。
そこで粉末のポカリスウェットがあると良いです。手軽に塩分を補給することができます。水さえあればポカリを作れるので、わざわざ液体のポカリスウェットを常備せずに済みます。粉末のポカリであれば場所を取りません。
ナルゲンボトル
上記ポカリスウェットを作るために、ナルゲンボトルがあると良いです。
プラスチック製の軽量ボトルです。口が広く、水を移しやすいです。
携帯トイレ
トイレが使えなくなったときのために、携帯トイレがあると安心です。
落下物、破片に備える(着用品)
落下物や破片への備えを以下に紹介します。
ヘルメット
避難に備えてヘルメットがあると良いです。
少しくらいの落石が頭に当たったとしても守ってくれます。
登山用ヘルメットの内側は発泡スチロールで出来ているため、軽量でしかも衝撃をちゃんと吸収してくれることが特徴です。
手袋
災害時にはガラスが割れてしまうことがあります。
そこで、ブラックダイヤモンドのクラッググローブがあると良いです。このグローブは鋭利なものに強いグローブです(必ずしもガラスの破片で怪我をしないことを保証するものではありません)
ガス供給停止に備える(調理機器)
ガス供給停止への備えを以下に紹介します。
バーナーとガス缶
お湯が作れるように、バーナーとガス缶があると良いです。プリムスのP-153ウルトラ―バーナーであれば弱火調整ができるので使いやすいです。使わないときにはコンパクトに収納しておきます。世の中にはコンパクトにならなかったり、強火でしか使えないバーナーも多いです。
P-153ウルトラバーナーの火の勢いを撮影した図。
(左:弱火 右:強火)
P-153ウルトラバーナーの収納図。
(左:コンパクト収納時 右:使用時)
プリムスのガス缶にはノーマルとハイパワーの2種類があります。ハイパワーの方が火力が強く、数分でお湯が沸くためおすすめです。
寒いときにはバーナーの着火装置が働かないことがあります。この場合にはチャッカマンで点火する必要があります。
ガス缶は底面積が小さく不安定で、倒れやすいです。そこでガスカートリッジホルダーを使うと転倒を防止できます。
これらの調理機器については、以下記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
アルファ米
非常食としてアルファ米があると良いです。
アルファ米とは、簡単にいってしまうとおいしさを閉じ込めて乾燥させたお米です。お湯を入れるだけで15分程度で完成します。賞味期限は数年と長いです。
白米、五目ごはん、わかめごはん、松茸ごはん、チキンライス…など様々な味があります。
チタン製クッカー
調理するためのクッカーです。
クッカーには様々な素材のものがありますが、チタンが最も軽量で丈夫にできています。
やかん
お湯を沸かしたい場合には、別途やかんがあると良いです。料理と飲料用のお湯を作るためにクッカーを併用してしまうと、お湯に食事の味が移ってしまうからです。
魔法瓶(保温水筒)
魔法瓶です。
お湯を沸かした後、魔法瓶に移すといつでもお湯を使えるので便利です。
サーモスの山専ボトルは普通の魔法瓶に比べて保温性がダントツに優れています。80度のお湯を入れて山専ボトルごと冷蔵庫内に6時間放置した後、中の温度が60度までしか下がっていなかった、という実験結果もあります。
筆者もサーモス山専ボトルを、氷点下20度になる雪山で愛用しています。
避難生活に備える(生活備品)
避難生活への備えを以下に紹介します。
歯ブラシ
携帯用の歯ブラシです。
トイレットペーパー(シングルロール)
鼻をかんだり、食器を拭いたりするのにトイレットペーパーがあると重宝します。尚、ダブルロールだとすぐに使い切ってしまうため、シングルロールがおすすめです。また、食器にニオイが移らないため、無香料タイプがおすすめです。
ジップロック
ゴミ袋としてジップロックがあると良いです。ジップロックは口にチャックをでき、しかも頑丈にできているためやぶれにくく、完全に密閉できます。特に悪臭の発生しやすい夏場には重宝します。
コップ
飲料用のコップです。
ただしこちらは、魔法瓶のカップで代用することも可能です。
全身すっきりシート
特に夏場には、全身すっきりシートがあると重宝します。
箸・スプーン
コンパクトに収納できる箸やスプーンがあると重宝します。
避難生活に備える2(睡眠)
避難生活時の睡眠グッズを紹介します。
アイマスク
アイマスクです。夜中に電灯が明るかったり、周囲の人が明かりをともした場合に重宝します。
耳栓
耳栓です。
Mack’s Pillowのシリコン耳栓は装着感が少なく、防音性にも優れた耳栓です。
このほかの耳栓では、装着時の違和感が多い割には防音性が悪いものも多いです。
エアー枕
エアー枕です。
枕の有り無しで、睡眠の質はずいぶんとかわります。使わない場合には空気を抜いてコンパクトに収納しておくことができます。
まとめ
持ち運び・収納
今回紹介した防災用品は多いため、まとめて持ち運ぶのは大変です。また、部屋の中にしまってしまうといざ災害が起こった場合に探せなくなります。
そこで、登山用のザックを用意し、その中にまとめておくのがよいです。登山用のザックは、重さが体の全体に分散するようにできているため、比較的楽に背負うことができます。ザックの容量としては50L程度あればよいです。(※ただし水については2Lペットボトル1~2本程度、トイレットペーパーについては2本程度を入れるのが限度です)
事前に要練習
今回紹介した防災用品の使い方を、事前に練習しておきましょう。
例えば、ヘッドライトの電源の付け方や、ガスバーナーの付け方等です。事前練習無しに災害時にいきなり使おうとしても、慌ててしまい使えないということも考えられます。ただし、ガスバーナー使用時の火事にはくれぐれもご注意ください。
エクセルチェックリスト
今回の記事で紹介した防災用品をリスト化したエクセルを、以下のリンクからダウンロードできます。チェックリスト等としてご活用ください。各自、防災用品をエクセルに追加していただくことも可能です。
防災用品チェックリストのダウンロードはここをクリック!(エクセル版)
今回の記事は以上になります。