厳冬期(1~2月)の3,000m級峰の夜には、気温は-20℃まで下がることがあります。よってテント泊をする際には、かなりの寒さ対策をしておかないと眠れないどころか、場合によっては命に関わることもあります。そこで今回の記事では、雪山テント泊をする際に筆者が実践している寒さ対策を7つご紹介します。
目次
シュラフカバー
シュラフの外側にシュラフカバーを被せましょう。
「シュラフカバーはペラペラだから、保温機能はないよな…」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。シュラフの外側にシュラフカバーを被せることで、断熱層が1層増えます。これだけでも、シュラフ内はかなり暖かくなります。
白金カイロ
ハクキンカイロを懐に忍ばせておきましょう。
ハクキンカイロとは、ベンジンを燃料として利用したホッカイロです。ただし熱量は一般的なホッカイロの13倍で、とても暖かいです。ベンジンを燃やすと聞くと火事になりそうで危ない気もしますが、そんなことはありません。ベンジンをプラチナ触媒作用で酸化させるという穏やかな化学反応を使っているため、安心して懐に忍ばせることができます。(一応、筆者は化学系出身です)
厳冬期用シュラフ
夏用ではなく冬用のシュラフを利用しましょう。段違いの暖かさです。
マット
断熱性の高いマットを使用しましょう。
意外と軽視されがちですが、地面からの底冷えはあなどれません。人によっては、シュラフよりもマットの方が大事だと言う人もいます。個人的には、サーマレストの「ネオエアー Xサーモ」をオススメします。これは断熱層に軽量の金属を用いることで、軽さと断熱性を両立したすばらしいマットです。レギュラーサイズの場合重量は570g, 断熱性を表す指標であるR値は6.9となります。ただし、付属のリペアーキットを必ず山に持っていくようにしましょう。めったにある事ではありませんが、厳冬期の山でマットがパンクした場合、寒さで眠れなくなります。
ネックウォーマー、バラクラバ、ニット帽、インナー手袋
ネックウォーマー、バラクラバ、ニット帽、インナーグローブを着用しましょう。肌にわずかでも露出した部分があると、その部分が冷えて眠れなくなります。
複数人で1つのテントに入る
複数人で1つのテントに入りましょう。
人体は36℃前後の熱を発する発熱体です。発熱体が増えるほどテント内の気温が上がります。ソロ山行の場合には、この部分については諦めるしかありません。
スノーフライ
冬用のスノーフライを使いましょう。夏用フライよりも生地が厚くできており、その分断熱性に優れます。
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雪山では雪を溶かして水を作ります。ガソリンバーナーが推奨されることも多いですが、普通のガス缶タイプのバーナーで十分です。雪山でも使える(筆者が使った実績のある)バーナーについては以下記事をご覧ください。

今回の記事は以上になります。