三脚を使うと、長秒露光撮影によって星景写真や、雲が流れる写真を撮ることができます。山の上というのは、地面がデコボコしていて、そして風の強い特殊な環境です。よって、三脚の使い方を間違えると写真がブレてしまうだけではなく、最悪の場合カメラが落下し故障してしまいます。結論としては「三脚の下の足から延ばしていく」「三脚を水平にする」と良いです。今回の記事では、山岳撮影における三脚の使い方を紹介します。
目次
三脚の名称
SLIK製のカーボン三脚・E63の写真を元にして、三脚の各箇所の名称を以下に説明します。

三脚には様々な箇所がありますが「雲台」「足」「エレベーターホール」が重要です。雲台は、カメラをセットして、撮影する向きを決める箇所です。足は、三脚の高さや水平を調整する箇所です。エレベーターホールは、足だけだと高さが足りない場合に、高さを稼ぐために使います。必要のない場合には、エレベーターホールを使わない(伸ばさない)方が安定しやすいです。

前準備
カメラを三脚に取り付ける前に、以下の準備をしておきます。
手振れ防止機能をオフにしておく
カメラの手振れ補正機能をオフにしておきます。理由は、手振れ補正機能は三脚の揺れを補正できないからです。手振れというのは高周波(小刻み)の揺れであるのに対して、三脚の揺れは低周波(大刻み)な揺れだからです。
(レリーズタイマーが無い場合には)タイマー設定にしておく
レリーズタイマーが無い場合には、カメラのセルフタイマーを2秒程度に設定しておきます。理由は、シャッターを押した瞬間のブレを防ぐためです。

(一眼レフカメラの場合限定)ミラーアップ設定にしておく
一眼レフカメラの場合には、ミラーアップ設定にしておきます。ミラーショック(ミラーが上がった瞬間のショック)によるブレを防ぐためです。ミラーレスカメラの場合には、そもそもミラーが付いていないためにこの項目については気にする必要はありません。
三脚のセット方法
三脚のセット方法を、以下に説明します。
カメラを雲台にセットする
まず、雲台を三脚から取り外します

次に、雲台をカメラの三脚座に取り付けます。雲台のタイプにもよりますが、通常、最後にコインなどで増し締めするようにしましょう。

以下は、雲台本体を手だけで増し締めしたN.G.例です。一見止まっているようにも見えますが、撮影中に重力でカメラが徐々に傾く可能性があります。

三脚の足を伸ばす
三脚の足を伸ばしていきます。このとき、下の足から順番に伸ばしていくようにします。なぜならば、下の足の方が径が太く、安定しやすいからです。また、不必要に高くすることは避けるべきです。特に山の上では風が吹いていることが多く、高くなるほど風の影響を受けてぶれやすくなるからです。

以下は三脚の足を伸ばさずに、エレベーターホールを伸ばしたN.G.例です。足だけでは高さが足りない場合に、初めてエレベーターホールを使います。もちろん、高さが足りるのであればエレベーターホールを伸ばさないに越したことはありません。

三脚の水平を合わせる
山では地面がデコボコしていることが多いです。そこで、三脚の足の長さを部分的に変えて、可能な限り水平を出すようにします。三脚が傾いていると、撮影中にカメラが転倒し、最悪の場合故障に繋がります。

カメラを三脚に取り付ける
カメラを三脚に取り付けます。そして、雲台の向きを調整して、撮影したい方向にカメラを向けます。

可能であればショルダーストラップを外すと良いです。ショルダーストラップが風に煽られて、ブレる可能性があるためです。アンカーリンクスがあると簡単に着脱できるのでおすすめです。
(持っていれば)レリーズタイマーをセットする
持っていればレリーズタイマーをセットしましょう。理由は、前述の通りシャッターを押した瞬間のブレを防ぐためです。もちろんセルフタイマーで代用することも可能です。
今回の記事は以上になります。