1x.comでpublishedされた写真の解説(Mt. Tsurugi on sea of clouds)

2021/8/11現在、計7枚の筆者の写真が1x.comでpublishedされています。

(1x.comについてはこちらの記事を参照)

1x.comに写真をpublishedされるための基準は公式サイトには記載がされていません。ネット上では「珍しい写真であること」「独特な視点を持った写真であること」「理論的に写真を説明できること」等がpublishedにとって重要だとされているようです。これらに加えて、筆者は「写真の美しさや意図を引き立てるレタッチ」も重要だと感じています。

1x.comでpublishedを目指している方の参考になればと思い、publishedされた筆者の写真について解説します。今回の題材は「Mt. Tsurugi on sea of clouds」です。

撮影場所・時間

秋の劒沢キャンプ場にて、昼過ぎに今回の写真を撮影しました。

劒沢キャンプ場は、北アルプス・劔岳の麓に位置します。テントの幕営指定地となっている他、山小屋も立地しています。劒沢キャンプ場からは、その名のとおり大迫力の劔岳を間近に眺めることができます。

(キャンプ場とはいっても、街中のキャンプ場とは違います。ゴミ箱もなければ、食器を洗えるような水道もありません。出したゴミは自分ですべて持ち帰り、そして食器は持参した紙で拭く必要があります)

劒沢キャンプ場には、立山アルペンルートの最高地点・室堂から往復7時間で行くことができます。日数としては1泊2日が必要です。劒沢キャンプ場にいくだけであれば最低限の登山装備と技術があれば問題ありません。

撮影条件

今回の写真を撮影した際には「周囲を覆っていたガスが取れてきて、雲海の上に劔岳が現れている」という比較的珍しい条件でした。

撮影の数十分前、筆者は劔岳登山を終えてテント内で横になっていました。周囲は、好天予報にも関わらずガスに包まれていました。こういう条件のときは意外と絶景の撮影チャンスだったりします。なぜならば、天気が好天する際に、山が一瞬だけガスをまとった幻想的な状況になることがあるからです。

この際も数十分おきにテントから外の様子を伺っており、狙いどおりに前述の写真を撮影することができました。撮影のチャンスがあることを予想できていなかったら、この写真を撮ることはできなかったでしょう。

構図・伝えたいこと

以下のように、近景、中景、遠景を持った構図としました。

構図
・近景…手前のテント
・中景…雲海
・遠景…劔岳

この構図とした理由は、劔岳とテントを対比するためです。

荒々しい劔岳は、険しさや死の象徴です。実際に、江戸時代には劔岳死の山とされていて入山が禁止されていました。いまでも定期的に遭難事故が発生しています。

手前のカラフルなテントは人々の生の象徴です。

普通に撮ると、雲海と剱岳のみを切り取って撮ってしまいがちです。しかし、これでは単調で伝えたいことの不明確な写真をなってしまいます。

劔岳と雲海のみを抜き出した参考写真。平凡な写真となってしまった。



レタッチの概要

この写真はphotoshopでレタッチしています。筆者の場合、jpeg撮って出しやlightroomを使ったRAW現像では、publishedされたことはこれまでにありません。よって、前述した「伝えたい事」を引き立てるレタッチが必須だと考えています。

レタッチの方向性は以下の通りです。

「背景の空の彩度を落として、劔岳の険しさを表現する」
「テントの色を鮮やかにして、生を表現する」

「テントが暗くなっているので、明るく持ち上げる」
「雲海のコントラストを上げて、立体感を出す」

「不要な部分をトリミングする」

レタッチ前後の写真を以下に示します。左がレタッチ前、右がレタッチ後です。このレタッチの詳細については、後日別の記事で紹介したいと思っています。

タイトル・説明文

この写真のタイトルは「Mt. Tsurugi on sea of clouds」です。邦題は、そのまま「雲海の上の劔岳」となります。

説明文は以下の通りです。単純に「雲海の上に浮かぶ劔岳が幻想的でした」というようなコメントで終わらせてはいけません。curatorは説明文もちゃんとチェックしているとされています。今回の説明文には、かつて劔岳が死の山と恐れらていて入山禁止だったこと、前述したレタッチの概要、死の山である劔岳と生の象徴であるテントを対比させていること等を記載しています。


(説明文)

Mt.Tsurugi was feared as death mountain during the Edo period (1603-1868), and entry was prohibited.
By desaturating the mountains and the sky, I expressed that it was a mountain of death.
The colorful tent in the foreground is a symbol of life.
I aimed at the moment when the clouds cleared up and became a sea of clouds.

1x.comでの写真の評価

この写真の1x.comにおけるpopularityは、78%と81%になりました。

使用機材・カメラ設定

レンズには富士フイルムのXF10-24mmF4 R OISを使用しました。焦点距離は35mm換算で15-36mmとなります。超広角域を活かした風景撮影の他に、望遠端でのやや離れた位置の被写体の撮影にも向きます(今回の撮影では望遠端を使っています)。尚、現在は防塵防滴性の付与された第二世代のXF10-24mmF4 R OIS WRが最新のレンズとなっています。


カメラ本体には富士フイルムのX-T3を使用しました。色味や、APS-Cですが高感度ノイズの低さに定評のある機種です。最新機種はX-T4になります。


カメラの設定は以下の通りです。

カメラ設定
・シャッタースピード…1/450秒
・F値…8
・ISO感度…160
・35mm判換算の焦点距離…36mm



今回の記事は以上になります。

(1x.comでpublishedされた写真の解説記事一覧はこちら!)
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