2020年7月24日に、北海道・利尻島の利尻山に登ってきました!
目次
利尻山の紹介
利尻山は、北海道の北、利尻島に位置する標高1,721mの山です。
島全体が山のような形をしています。
コースタイムが10時間と長いため、健脚向きの山となります。
登山コース詳細
ファミリーキャンプ場ゆ~に→北麓野営場→利尻山山頂(北峰)→北麓野営場→ファミリーキャンプ場ゆ~に(コースタイム10時間半)
尚、昭文社「山と高原地図 利尻・羅臼 知床・斜里・阿寒・礼文 (山と高原地図 1)」に本ルートの詳細が記載されています。
地図を持たない登山は危険です。必ず地図を持って入山するようにしましょう。
利尻島上陸まで

日付は7月23日。
旭川空港からレンタカーを走らせること5時間弱、稚内フェリーターミナルへとやってきました。ここから1時間半フェリーに乗り利尻島を目指します。最終便の時刻が14時半と早いため、要注意です。時刻表はこちら

ちなみに、利尻島へは新千歳空港から飛行機で行った方が時間が短く済みます。
今回は、天気の関係で急遽行先を変更したため、フェリーを使うことになりました。

フェリーの全体図。

フェリー後方には外部座席があり、窓ガラスに邪魔されずに景色を楽しむことができます。

フェリーに揺られること1時間強。利尻島が見えてきました!
いや、正確には利尻島を分厚く覆う厚い雲が見えてきました。

写真中央の岩山は、ペシ岬です。
ペシ岬の頂上には道が付けられており、登ることも可能です。
キャンプ場まで

利尻島に上陸します。

フェリーの終着地・おしどまり

30分ほど歩き、「利尻島ファミリーキャンプ場・ゆ~に」を目指します。
タクシーを使ってもよいでしょう。

ゆ~にに到着しました!
テントの受付をします。1人540円也。

広大なキャンプです。
体感ですが、50張は問題なく貼れる広さがありそうです。

もちろんキャンプ場にはトイレ・水場が完備されています。
トイレは洋式・ウォッシュレット完備の綺麗なタイプです。
トイレの手前には充電用コンセントまであります。(ただし盗難には要注意)

キャンプ場「ゆ~に」から徒歩3分の距離には日帰り温泉施設があります。
ちなみに、「ゆ~に」からさらに50分奧まで歩くと別のキャンプ場があるのですが、そちらには温泉はありません。
温泉を取るなら前者、登山のコースタイム短縮を取るなら後者のキャンプ場が良いでしょう。
夕食と買い出し

フェリーターミナルの近くまで戻ってきました。
居酒屋「力丸」さんにて夕食を取ります。

地元のうにを食します。美味。
もうすでに満足です。山に登らなくてもいい。

北海道を席捲しているコンビニ・セイコーマート利尻店へとやってきました。

セイコーマート利尻店では、弁当やおにぎり・パンの他にアルファ米を購入可能です。

ガス缶も購入可能です。
飛行機で利尻島に来る場合、飛行機内にガス缶を持ち込むことはできません。
ここで購入すると良いでしょう。
登山開始~8合目・長官記念碑まで

翌朝になりました。朝4時から登山を開始します。
コースタイムが10時間以上かかることと、フェリーの最終出発時刻が16時40分であることを考慮すると、朝4時に出発するのがよいと考えたからです。

自然休養林北麓野営場へとやってきました。
雑草の種を持ち込まないように、靴の底を水で洗います。

鴛泊(おしどまり)コースの登山口に到着しました。
ちなみに、利尻山にはもう1つ沓形(くつがた)コースがありますが、こちらは一部の道が崩落しているため、あまりオススメはできません。

甘露泉水(かんろせんすい)へとやってきました。
ここが最終給水地点になります。必要な水をここで汲んでいきます。

キャンプ場の水よりもはるかに美味しい水です。

登山道は全体的に整備されており、とても歩きやすいです。

今はちょうど高山植物の時期です。
こちらはクルマユリ。

5合目・雷鳥の道しるべに到着しました。
ちなみに、利尻島には雷鳥は生息していません。
「かつて利尻島の登山道を開拓する際に、雷鳥が頂上まで案内をしてくれた」との逸話に由来しているそうです。


高山植物がたくさん咲いています(名前がわからないからごまかす)

周囲を厚いガスが覆っており、展望は皆無です。
登山道で会った地元の方によると「今日は北風だから晴れる可能性がある。南風だと絶対に晴れない」とのことです。
さて、果てして晴れることはあるのでしょうか。先に進みます。

エゾノハクサンイチゲ?の群生です。

相変わらず周囲はガスに包まれています。

利尻山中にはトイレが無い代わりに、携帯トイレブースが数か所設置されています。
自分で持参した携帯トイレを、簡易便座に設置して用を足せる、というシステムです。使い終わった携帯トイレは登山口のゴミ箱に廃棄することが可能です。

利尻山では、たまに部分的に紅葉している木々があるのですが、何なのでしょうね?

整備されていて歩きやすい登山道です。

イワギキョウでしょうか。

雲がわずかに取れてきた!
好展望に期待が膨らみます。

一見名もなき葉のように見えますが…花を咲かせることもあるのでしょうか?

空は晴れたり曇ったりを繰り返しています。

イワギキョウ

雲の切れ間から、たまに沓形市街地が見えます。
この日は雲が北東からやってきており、西面に位置する沓形市街地は晴れているとのことです。

ウコンウツギですね。

8合目には、北海道開拓の功労者・佐上長官の記念碑が建てられています。
ちなみにこの近くには長官山というピークも存在します。佐上長官は地元に愛されていますね。
強風域を抜け、そして山頂へ

オオハナウドでしょうか?

エゾイブキトラウオです。
イブキトラウオより大型とのこと。

8合目と9合目の途中にある利尻山避難小屋に到着しました。
緊急時のみ利用することが可能です。

エゾノハクサンイチゲ?


ミヤマオグルマ?

9合目付近までやってきました。頂上まで、あともう少し!


景色がガスっているので、高山植物を見て楽しむ。


9合目からは階段が続きます。
階段の高さが低く、登りやすいです。

登山道の両脇に、エゾイブキトラウオが増えてきました。

ミヤマアズマキクでしょうか。

沓形分岐の手前までやってきました。今回のような北風が吹いている場合、この地点では強風が吹きます。風速10~15メートルといったところでしょうか。

この地点は進行方向右側の斜面が切れ落ちています。
強風も吹いているので、慎重にかつ素早く通過していきます。

沓形登山コースとの分岐点に到達しました。
前述の通り、沓形登山コースでは一部登山道が崩落しているため、一般向きではありません。


頂上を目指し、ひたすら階段を登っていきます。

ウコンウツギ。

ミヤマアズマキク。

山頂を視界に捉えました!
奇跡的にガスが晴れ、絶景の山頂を楽しむ

山頂には人がたくさん集まっています。

利尻岳の北峰山頂(1,718m)に到着しました!
日本最北端の百名山です。

ちなみに、利尻山には北峰の他に本峰があり、こちら標高は1,721mと北峰よりも3m高いです。
しかし、登山道の崩落により本峰へは登頂禁止となっています。
(上の写真で、ガスに包まれているピークがおそらく本峰)
ちなみに、北峰にもいつ登れなくなってもおかしくないと言われています。
これは、地質が弱く崩落が進んでいるためです。「ストックにゴムキャップを付ける」「携帯トイレを利用する」「登山道の外には入らない」を徹底しましょう。

利尻山の名物と言えば、ローソクの形をしたローソク岩です。
しかし、ガスに包まれていてわずかにしか見えません。

市街地もガスの中です。

山頂に滞在すること10分間。おや、ガスが晴れてきた。
写真に写っているのは沓形市街地です。
予報通り、沓形はガスの影響を受けにくいようですね。

そして…先ほどまでガスに包まれていたローソク岩がその姿を現しました!
来てよかった。最後に絶景を楽しませてくれて、ありがとうございます。
下山

来た道を戻っていきます。

ハイオトギリ
本州に分布しているイワオトギリよりも葉のサイズが大きいです。


エゾノハクサンイチゲ?
この花、たくさん咲いている割には情報が無く、同定しきれず…。


北麓野営場まで戻ってきました。
ここでは靴を洗うことが可能です。

山中で使った携帯トイレは、北麓野営場に設置されているゴミ箱に廃棄することが可能です。

おまけ。
フェリーターミナルの近くで利尻島名物・利尻ラーメンを食します。
地元の塩と海藻を使った美味しいラーメンです。
この後、16時40分発のフェリーに乗り北海道本島に帰還します。
高山植物と、最後の最後で絶景にも恵まれ、最高の山行となりました。