XF10-24mmF4 R OIS WRの5つの進化点

2020年10月15日のX-Summit OMIYA 2020にて、富士フイルムの新しいレンズ、XF10-24mmF4 R OIS WRが発表されました。
これは、元からラインナップされていたXF10-24mmF4 R OISに改良が加えられた、第二世代のレンズとなります。焦点距離やF値はそのままで、いくつかの性能が進化しています。(つい先日までXF10-24mmF4 R OISの30,000円キャッシュバックキャンペーンが開催されていたと思ったら、こういうことだったんですね…)

今回の記事では、XF10-24mmF4 R OIS WRの進化点を5つ紹介します。

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進化点

防塵防滴

XF10-24mmF4 R OIS WRの進化点1つ目は、防塵防滴性が付与された点です。
埃が舞いやすく、小雨に振られることのあるアウトドア環境でも安心して使うことができます。(レンズ名のWRは、Weather Resistance, つまり天候耐性を示しています)

一般的に、単焦点レンズよりもズームレンズの方が内部に埃が入りやすいです。実際に筆者が防塵防滴性の付与されていない前機種のXF10-24mmF4 R OISを1年半ほど登山で使った後に点検に出した際には「レンズ内にそれなりに埃が入っている」と言われたことがあります。

耐寒性

XF10-24mmF4 R OIS WRの進化点2つ目は、-10℃までの耐寒性が付与された点です。

冬山にいく人も安心して使うことができます。氷点下で耐寒性のないレンズのリングを操作すると、水滴が凍りついてリングを回せないばかりか、最悪の場合には壊れてしまうこともあるそうです。筆者の知人が実際にこのパターンでレンズを壊したことがあります。

軽量化

XF10-24mmF4 R OIS WRの進化点3つ目は、前期種よりも25g軽量化され385gとなった点です。

「たった25g?」と思うかもしれませんが、防塵防滴性を付与するシーリングが追加されたのに、重量が増えるばかりか減っているのはとても優れている点です。

絞り環に数字が付いた

XF10-24mmF4 R OIS WRの進化点4つ目は、絞り環に数字が付いたことです。

これによって、絞り(F値)を変更する際に直感的に操作することができます。
前期種では絞り環に数字が記載されていなかったので、毎回液晶モニタを確認する必要があり、地味にストレスになっていました。

手振れ補正段数アップ

XF10-24mmF4 R OIS WRの進化点5つ目は、手振れ補正段数が3.5段になったことです。
前期種の2.5段から1段分高くなっています。
これによって、暗い場面でISO感度を半分にしてノイズを低減できたり、あるいはシャッタースピードを1/2にして手振れや被写体ブレを抑制できるようになっています。

一方、X-T4と組み合わせた場合の補正段数は6.5段となっており、こちらは前期種から据え置きになっています。

価格

XF10-24mmF4 R OIS WRの気になる価格は999ドルとなっています。現在の為替レート105ドル/円を使って計算すると、日本円では約10万5千円となります。実際の店頭価格やこれよりも低くなるでしょう。富士フイルムのAPS-C用レンズとしては、中価格帯に位置付けられます。

発売日

気になる発売日は2020年11月とのことです。
いまから待ち遠しいですね。

作例一覧

以下に、前期種のXF10-24mmF4 R OISを使って筆者が撮影した作例をいくつか乗せます。新機種と前期種とでは焦点距離やF値が同じであるため、基本的には同じ絵が撮れるのだろうと思っています。

超広角域

XF10-24mmF4 R OISの焦点距離10mm(換算15mm)は、超広角域に分類されます。この焦点距離をうまく使うことができると、ダイナミックな写真を撮ることができます。
以下に作例をいくつか示します。

3月の大雪山・旭岳(北海道)にて。
手前の雪原、奥にそびえる旭岳、低い高度にある太陽を1枚に収めることができた。


10月の立山(北アルプス)にて。
斜面を彩る紅葉と、その奧に聳える大日岳を1枚に収めることができた。
超広角レンズを使うと足元近くまで撮影できるため、写真を見た人がまるでその場にいるかのように錯覚する写真となる。


10月の立山(北アルプス)にて。
立山三山の終点である別山、そこに向かう登山者、両者をつなぐ稜線を1枚に収めることができた。
目の前に続く稜線を撮影するのに、超広角レンズは使い勝手が良い。


10月の立山にて。
手前のロープウェイと、奥に広がる紅葉を1枚に収めることができた。
超広角レンズでは、被写体(この場合はロープウェイ)に思いっきり近寄るといい写真を撮りやすい。


3月の南アルプス北部を撮影。
左から塩見岳、農鳥岳、間ノ岳、北岳、仙丈ケ岳。
南アルプス北部を代表する3,000m峰を1枚に収めることができた。


広角域

超広角域は、うまくはまるといい写真が撮れます。一方で、なんでも1枚に写ってしまうため写真がゴチャゴチャとしやすく、使いにくい焦点距離とも言えます。

そこで、焦点距離16mm(換算24mm)付近の広角域を使うことで写真内から不必要な被写体を除くことができ、撮影をしやすいです。作例を以下に示します。

6月の針ノ木小屋から、アーベントロートに染まる空と山並みを撮影。
焦点距離を16mm(換算24mm)とすることにより、空、山並み、雲海のみを収めることができた。


標準域

標準域に分類される焦点距離24mm(換算36mm)を使うことにより、ポートレートやモノ撮りをしたり、特定の被写体を切り取って撮影することも可能です。

以下に作例を示します。

7月の利尻岳(北海道)にて、エゾノハクサンイチゲを撮影。



前述の南アルプスにて。
北岳と仙丈ケ岳のみを切り取って撮影。


リンク

以下に関連リンクを紹介します。

(公式)XF10-24mmF4 R OIS WR

(公式)XF10-24mmF4 R OIS

X-Summit OMIYA 2020

まとめ

XF10-24mmF4 R OIS WRはとてもすばらしいレンズです。
では、XF10-24mmF4 R OIS WRを買うかと筆者が問われたら、おそらく買わないでしょう。なぜならば、気を付けて使えばXF10-24mmF4 R OISでも十分代用ができるからです。

一方、風景や建物を撮る人で、旧機種を保有していない人にとっては、XF10-24mmF4 R OIS WRはとても良いレンズだと言えるでしょう。



今回の記事は以上になります。

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