平日には仕事をし、週末に登山をするスタイルの方は多いと思います。筆者もこのスタイルが多いです。日本は多くの山に恵まれています。日本100名山だけではなく、日本300名山や、花の100名山、100高山などもあります。
これらの山々の中でも、ひときわ大きなスケール感を放つのが標高3,000m級の山岳が連なる日本アルプスです。筆者が初めて日本アルプスに登った際には、どこまでも続く稜線や深い山々に圧倒されてしまいました。また、日本アルプスは日本雷鳥の生息地となっており、運がよければ雷鳥に遭遇することができます。筆者の感覚では、雷鳥との遭遇率は25%程度でしょうか。天気が悪いほど雷鳥との遭遇率が高まります。
日本アルプスは山深い分、多くの山行日数を必要とします。例えば南アルプスを全山縦走しようとした場合には1週間では足りず、10日間が必要となります。一方、日本アルプスの一部の山に登るのみであれば、土日を使い一泊二日で登頂することが可能です。場所によっては、1峰だけではなく2峰に登頂可能なところもあります。
そこで、今回の記事では土日を使い一泊二日で登ることができる日本アルプスの登山コースを紹介します。
なお、本記事は夏山用となっております。雪山用の記事については下記をご覧ください。
目次
南アルプス
登山コースの紹介です。まずは南アルプス編です。
南アルプスは太平洋側に近く、まとまった降雪があるのは2~3月に南岸低気圧が通過するときです。南岸低気圧の通過する回数は限られているため、南アルプスでは北アルプスよりも積雪量が少なくなります。
積雪量が少ない分、南アルプスでは比較的高い標高でも大きな樹木が育つことができるため、標高2,600mまで鬱蒼とした樹林帯や苔を楽しむことができるのが特徴です。一方、標高2,600m以上では、大展望を楽しむことができます。
北岳
広河原を起点とし、北岳山荘や北岳肩の小屋に宿泊することで、北岳に1泊2日で登ることができます。北岳は標高3,193mを誇る、日本で2番目に高い山です。左俣コースを通れば9月でも登山道の脇に残雪を見ることができます。
森林限界を過ぎると、北岳南側の大迫力の斜面、通称「北岳バッドレス」があなたを出迎えてくれます。
北岳山荘や北岳肩の小屋は、南アルプスでは珍しい森林限界よりも上に位置する山小屋です。夜に小屋の外に出ると、運が良ければ満開の星空や、月明りに照らされる北岳や、甲府夜景を見られるでしょう。
体力や日程に余裕があれば、北岳のさらに先にある間ノ岳を目指してもよいでしょう。間ノ岳は日本第3位の標高を誇る高峰です。北岳~間ノ岳間の稜線では、絶景の稜線ハイクを堪能することができます。
甲斐駒ヶ岳・仙丈ケ岳
北沢峠にあるこもれび山荘や長衛小屋を起点として、甲斐駒ヶ岳と仙丈ケ岳に登ることができます。甲斐駒ヶ岳は尖ったピークが特徴的な岩山、仙丈ケ岳はなだらかな山容が特徴的な南アルプスの女王です。特徴の異なる山を1度に楽しむことができます。
7月中旬には高山植物の開花時期を迎えます。多種多様な高山植物を楽しみながら登山をすることができます。
鳳凰三山
青木鉱泉を起点とし、ドンドコ沢コースを通り鳳凰三山に登ることができます。鳳凰三山とは、地蔵岳、観音岳、薬師岳の総称です。
ドンドコ沢コースでは、その名の通り多種多様な沢や滝を楽しむことができます。地蔵岳~観音岳~薬師岳の稜線上では、絶景の稜線ハイクを楽しむことができます。
宿泊場所の選択肢は薬師岳小屋か鳳凰小屋があります。薬師岳小屋は2018年にリニューアルしたばかりの新しい小屋で、森林限界よりも上に位置する見晴らしのよい小屋です。
鳳凰小屋は昔ながらの山小屋です。
薬師岳小屋にはテント場がないため、テント泊をするのであれば鳳凰小屋の1択となります。
次は北アルプス編です。