富士フイルムからは30種類以上のレンズが発売されています。それぞれのレンズが得意とする被写体は異なります。では、登山にはどのレンズが適しているのか?というと「フジノンレンズ XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR」(以下、XF18-135mm)が最適なレンズの1つだと考えます。
その理由の1つは、レンズ1本で様々な被写体を撮影することができるからです。XF18-135mmの広角域を使えば近くの風景を、中望遠域を使えば遠景を、望遠域を使えば小さな花や動物を撮影することができます。
今回の記事では、筆者の作例を元にしてXF18-135mmを登山におすすめする理由を6つ紹介します。
目次
XF18-135mmのメリット・デメリット(概要)
XF18-135mmのメリットは、主に以下の6点です。
・防塵防滴性があるので、埃や小雨でも安心
・圧縮効果を使って、印象的な写真を撮れる ・手持ちでもブレにくい
・画質がよい
・そこまで重くない
反対に「1本のレンズで星空撮影まで行いたい」場合には、このレンズはあまりお勧めできません。これらの理由を以下に詳しく説明していきます。まずはメリットからです。
メリット
広角~中望遠域をカバーし、幅広い撮影に対応可能
1つ目のメリットは、XF18-135mmが換算で27mm(広角)~203mm(望遠)の幅広い焦点領域をカバーしているため、幅広い被写体に対応している点です。
このレンズ1本で、広大な山の稜線から、一部の山の切り取り、小動物の撮影までをこなすことができます(ちなみに、このような高倍率レンズを「便利ズーム」とも呼びます)。山でレンズを頻繁に交換すると、センサーにゴミが付いたり、シャッターチャンスを逃したり、時間が掛かりすぎて日没を迎えるリスクがあります。よって、撮影対象が変わってもレンズを交換しなくても良いというのは登山において大きなメリットとなります。
以下に、XF18-135mmを用いて筆者が撮影した写真を紹介します。焦点距離を変えることで、様々な撮影に対応できることがわかるかと思います。
広角域の作例
XF18-135mmの広角域で撮影した作例を、以下に示します。
標準~中望遠域の作例
XF18-135mmの標準~中望遠域で撮影した作例を、以下に示します。
望遠域の作例
XF18-135mmの望遠域で撮影した作例を、以下に示します。
尚、各焦点距離が得意とする被写体については以下記事をご参照ください。
5段分の強力な手振れ補正により、暗所での手持ち撮影に強い
2つ目のメリットは、XF18-135mmが5段分の強力な手振れ補正を備えており、暗所での手持ち撮影に強い点です。
富士フイルムでは、一部の機種を除いてカメラ本体に手振れ補正機能が付いていません。この場合にはレンズ側に手振れ補正機能が付いている必要があります。以下に、ssが遅い設定で筆者が撮影した写真を載せます。いずれの写真でも手振れ補正がよく効いており、手振れしていないことがわかるかと思います。
富士フイルム製カメラ本体の手振れ補正の有無については、以下記事をご覧ください。
圧縮効果を使える
3つ目のメリットは、XF18-135mmの中望遠~望遠域で撮影をすると圧縮効果を使える点です。
圧縮効果とは、望遠レンズで撮影をした際に、写真手前と奥の被写体同士の距離が近く見える効果です。よって、中望遠域のレンズで登山者とその背後の山を撮影すると、登山者のすぐ背後に大きな山が聳え立つ大迫力の写真を撮ることができます。
防塵防滴・耐寒仕様で小雨や埃でも安心
4つ目のメリットは、XF18-135mmが防塵防滴・耐寒仕様となっており、埃や小雨が降っても壊れにくい点です。
XF18-135mmを、同じく防塵防滴仕様のカメラ本体X-T3やX-H1などと組み合わせれば、カメラ一式が防塵防滴・耐寒仕様となります。登山中に急に小雨に振られたり、埃が付いても安心です。また、3,000m級峰の春や秋の早朝や、雪山においては、気温が氷点下まで下がります。この場合でも-10℃までは動作が保証されています。筆者は実際にXF18-135mmを-20℃の冬山に何度も持ち出していますが、各種リングはちゃんと回り、撮影に支障をきたしたことは一度もありません。
高倍率ズームレンズなのに画質が良い
5つ目のメリットは、高倍率ズームレンズであるにも関わらずXF18-135mmの画質が良い点です。
一般的に、広い焦点域をカバーする便利ズームでは、便利さを取る代わりに画質を犠牲にしていることが多いです。ところが、XF18-135mmではこの例に当てはまらず、とても画質が良いです。さすがに開放では周囲の画質はやや甘いですが、F8まで絞るとカリッとした画質になります。
筆者がXF18-135で撮影した作例については、以下をご覧ください。
重量が約500gであり、そこまで重くない
6つ目のメリットは、XF18-135mmの重量が約490gであり、そこまで重くない点です。
XF18-135mmを富士フイルムのカメラ本体と組み合わせた場合、トータルの重量は1kg以下となり、フルサイズ一眼レフの本体単体以下の重さとなります。
ここまではXF18-135mmのメリットを紹介しましたが、当然デメリットも存在します。次ページに詳しく記載します。
コメント
こんばんは。
今度新しいカメラを買おうと色々調べており、こちらのブログの見つけて記事を色々読んでいました。
富士フィルムの機種も検討しており、全くカメラに詳しくないので、記事の内容が凄く参考になりました。
お時間があったら教えて頂きたいのですが、X-H1はバッテリー持ちが悪いとネットで色々な方が言われてるのですが、そんなに悪いのですか?
私も登山をしており、日帰り~テン泊までカメラを使ってるのですが、冬や、春秋の寒い時のバッテリー持ちが気になっております。
予備を持てばそれまでなのですが、バッテリー持ちが良いことに越したことはないので。。
ちなみに今使っているのは、pentaxのk-30で、登山を始めた4~5年前に初めて買った機種です。
バッテリー持ちで不満を感じたことはありませんが、手ぶれ補正等最近の機種とは大分機能差がついている気がするので、そろそろ新しいカメラが欲しいなと思い始め、今色々調べている所です。
Pentaxにするか、富士フィルムやオリンパスにするか。(Canon、ニコン、ソニーは考えてません。)
そんなこんなでX-H1のバッテリーのことをちょっと聞いてみたいと思いコメントしました。
長々と失礼しました。
横井さん
こんにちは。
自分は一時期X-T3とX-H1とを併用しており、確かにX-H1の方が電池持ちは悪かったです。
他のブログ等でも同様の情報があったように記憶しています。
個人的には、X-H1は別の理由(重い、手振れ補正段数が5段しかない、広角側でのAF精度が悪いことがある)ため、いまとなってはあまりオススメしないです。
X-T3, X-T4, X-S10をオススメします。
以下の記事も参考になるかもしれません。あわせて一読いただければ幸いです。
https://mountainviewjapan.com/fujifilm-camera-choice/
こんにちは。
先日はご回答頂きありがとうございました。
あれからブログを拝見したり、ネットで調べたりして結局X-T4を購入しました。
ただまだレンズをどうしようか決めかねており、どうしようかといった所です。
またこちらのブログを参考にさせて頂きます。
ありがとうございました。
横井さん
こんにちは。
当ブログの情報が参考になったようで、幸いです。
富士フイルムの登山用レンズについては、以下記事が参考になると思います。
合わせて一読いただければ幸いです。
https://mountainviewjapan.com/camera-lens/