1年の間に、流れ星(流星群)を観測できる確率が高くなる時期が3回あります。
それは、1月上旬のしぶんぎ座流星群、8月中旬のペルセウス座流星群、12月中旬のふたご座流星群の時期です。
しかし、これらの時期に流れ星を写そうと夜空を撮影してみても、流れ星ではなく人工衛星が写ってしまう事の方が遥かに多いです。
ぱっと見ただけでは流れ星と人工衛星との違いはわからないため、間違えてSNSにアップすると恥をかいたりします。
(まるで他人事のように語っていますが、筆者は過去に1度経験済みです)
そこで今回の記事では、人工衛星の特徴を3つ紹介します。
これら3つのうち、1つでも当てはまればそれは人工衛星です。
目次
特徴1.光の筋に等間隔の灯りが付いている
以下の写真は、2017年8月12日に、白馬岳の頂上付近で撮影した夜空です。
時期はペルセウス座流星群の真っただ中です。
写真の中央よりやや左下部分に、光の筋が写っています。
一見、流れ星のようにも見えますね。
この光の筋を拡大したものを以下に示します。
等間隔に灯りがついていますね。
これは、人工的な光であることの証です。
つまり、この光の筋は流れ星ではなく、人工的な光=人工衛星、ということになります。
特徴2.光の筋が二重線になっている
以下の写真は、2018年12月16日に、巻機山山中の樹林帯から撮影した夜空です。
時期はふたご座流星群の真っただ中です。
写真右側に、光の筋が写っています。
一見、流れ星のようにも見えますね。
しかし、よく見るとこれは二本の光の筋となっています。
これは、人工的な灯り、つまり人工衛星であることの証です。
特徴3.連続撮影した2枚の写真で、光の筋が繋がっている
以下の写真は、2017年4月30日に立山の雷鳥平から撮影した星空です。
この時期はいずれの流星群の時期にも該当しませんが、確率が低いだけで、流れ星を見るチャンスは一年中あります。
さて、写真の赤枠内に光の筋が写っています。
一見、流れ星のようにも見えます。
このときは撮影間隔0秒で連続撮影をしていました。
連続撮影した2枚の写真を以下に記します。
時系列で左が1枚目、右が2枚目です。
光の筋が両方の写真に出ているのがわかるでしょうか。
写真1枚あたりの露光時間は30秒だったので、最大で60秒間光の筋が現れていたことになります。
流れ星はコンマ数秒(=1秒以下)で消えてしまいます。
よって、上記の写真の光の筋は人工衛星ということになります。
流れ星を撮るために
結局、流れ星を撮ろうとしても人工衛星が写ってしまうことの方が多いです。
それでは、流れ星を撮るにはどうしたらいいのでしょうか…
答えは、タイムラプス(連続撮影)機能を使って写真を量産することです。
沢山写真を撮れば、その分流れ星を撮れる可能性が高まります。
このようにして撮影した流れ星の写真を以下に示します。
写真中央よりも右下に、光の筋が出ています。
光の筋の左下先端部に光の玉が出ていて、そこを起点として右上方向に光の尾が出ています。これは流れ星である証拠です。
このときは肉眼でも同じ流れ星を見ていましたが、コンマ数秒で消えてしまいました。
尚、タイムラプスの設定方法については以下記事をご覧ください。
また、星空を撮影するためのカメラの設定や、天候条件については以下記事をご覧ください。
Adobi社のRAW現像ソフト「lightroom」を使うことで、星空写真を美しく仕上げることが可能です。
今回の記事は以上になります。