日本アルプス等では、まるっこい姿が可愛いライチョウ(雷鳥)に出会えることがあります。しかし、人によってはなかなかライチョウに会えないという場合も多いのではないでしょうか。実は、ライチョウにはいつどこでも会えるわけではありません。「雷鳥の生息域」において「天気の悪い時」や「発情期」に会いやすくなります。今回の記事では、筆者が撮影した写真を紹介しながら、雷鳥に会いやすい状況をご紹介します。
目次
ライチョウとは
ライチョウは、日本アルプス等の高山帯に生息する、まるっこい姿がかわいい鳥です。ライチョウは1万年以上前の氷河期から生息している「生きた化石」です。氷河期には、ライチョウは北半球から日本までの比較的広い範囲に生息していました。氷河期が終わるときに、日本の雷鳥は気温の低い場所に逃げていきました。このとき、北半球に逃げたものが海外のライチョウ、高山帯に逃げたものが日本ライチョウです。
ライチョウには天敵が多く、保護色で姿を隠します。夏には岩場と同化する茶褐色、冬には雪と同化する白毛に体毛が生え変わります。
雷鳥の生息域
日本におけるライチョウの生息域は、北アルプス、南アルプス、頚城(くびき)山塊(妙高山など)、御嶽山の標高の高いハイマツ帯です。尚、中央アルプスのライチョウは1960年代から絶滅したと考えられていましたが、2018年に約40年ぶりに新たな個体が発見されています。
ライチョウに会いやすい状況
ガスが掛かっているとき
ガスが掛かって展望が悪いときには、ライチョウとの遭遇率が上がります。
これは、ライチョウの天敵となるテンやキツネなどの動物から姿を隠しやすくなる為です。尚、ライチョウは人間のことを敵だとは認識していないため、人間から逃げることはあまりありません。(かといって、決して雷鳥に触れないようにしましょう。法律で罰せられる可能性がありますし、何といってもストレスで雷鳥が死んでしまうこともあります。雷鳥は絶滅危惧種です)
5月の発情期
4月下旬~5月中旬の発情期には、ライチョウがお互いにパートナーを探しに出てきます。よって、ライチョウとの遭遇率が上がります。
しかも、この時期のライチョウは白毛をまとっています。登山者のあこがれ(?)白い雷鳥です。ただし、この時期の雷鳥の生息域は完全なる雪山と化しています。雪山装備と技術を有する登山者のみが、冬毛の雷鳥を見ることを許されます。
その他
天気が良くても、運が良ければ雷鳥と遭遇できることがあります。要は確率論であり、登山回数を重ねるほど雷鳥と会える回数も自然と増えてきます。
今回の記事は以上になります。