【写真編集】ノート vs デスクトップPCのスピード比較【RAW現像】

「長期出張がある」「家にデスクトップPCを置く場所が無い」などの理由で、ノートPCの購入を検討しているけれども、写真編集能力に不安がある方はいらっしゃらないでしょうか。結論から言うと、ちゃんとしたモデルのノートPCを購入することでデスクトップPC以上の能力を得ることができます。今回の記事では、デスクトップPCとノートPCにおいて各種写真編集・RAW現像に掛かる時間を計測・比較した結果を紹介します。

<本ブログではアフィリエイト広告を利用しています>

スペック

今回のテストに使うPCのスペックを紹介します。


表 今回テストに使用するPCのスペック

自作のデスクトップPCノートPC
(Legion Slim750i)
CPU型番intel Core i9-9900Kintel Core i7-10750H
スコア14.709.62
GPU型番ELSA NVIDIA
Quadro P2000
NVIDIA GeForce
RTX 2060 with Max-Q Design
スコア15.6524.65
メモリDDR4-2666
16GB x4
16GB DDR4-2933
SDRAM SODIMM


デスクトップPCは2018年夏に自作したものです。CPUには当時の最新鋭であるintelのCore i9-9900Kを搭載しています。GPUにはゲームではなく画像用のQuadro P2000というミドルレンジスペックのものを搭載しています。

RAW現像向け高スペック自作PCの紹介~性能確認編~【2019年夏版】
筆者は、6年前に自作したPCを使って写真編集(RAW現像)を行っています。このPCは当時のミドルクラスの能力を持っているのですが、RAW現...


ノートPCは、2021年2月に発売されたLenovo社のLegion Slim750iです。Legion 7シリーズは同社のゲーミングPCのフラグシップモデルです。CPUにはintelのCore i7-10750Hを搭載しています。GPUにはゲーミング用としてはミドルレンジの性能を有するNVIDIA GeForce RTX 2060 with Max-Q Designを搭載しています。

Legion Slim750i (82BC004JJP)
Lenovo製Legion slim 7シリーズを写真編集にオススメする6つの理由
写真編集するには高性能・大画面のデスクトップPCを使うのが最もよいです。しかし「出張などで長期間外出してしまう」「家にデスクトップPCを置...


両者のCPUとGPUのスコアを比較すると、CPUはデスクトップが、GPUはノートPCが優れています。ただし、Quadro P2000は画像編集用なのに対し、GeForce RTX 2060はゲーミング用です。この差がテスト結果にどのように影響してくるかが見ものです。

能力比較テスト結果

それぞれのPCを使って様々なRAW現像・写真編集を行い、現像終了に掛かるまでの時間を計測・比較しました。結果を以下に示します。

レベル1.lightroom現像

最初の実施例はlightroomを使ったRAW現像です。

以下は、テントを前景として撮影した星空の写真、いわゆる星系写真です。この写真のRAWファイルを使い、lightroomのパラメーターを変更して空を明るく、テントを暗く、ノイズを少なくするように現像します。この現像処理は何年も前から存在しているプロセスであり、PCに掛かる負担はそれほど大きくはありません。

現像テストに用いた写真


lightroomの現像パラメーターと設定値

現像後の写真は以下のようになりました。この編集に掛かった時間は、デスクトップPC、ノートPCいずれも4秒という結果になり、差はありませんでした。

RAW現像後の写真


lightroomの7つの基本機能【写真が劇的に変わる!】
写真好きな方であれば、カメラ内現像や、メーカー付属の無料ソフトで現像をする方が多いと思います。ホワイトバランス、露出補正etc... ...

レベル2.adobe スーパー解像度

以下は、残雪期の鷲羽岳と双六小屋です。この写真の画素数は2,000万画素です。adobeのスーパー解像度を使い、RAWデータの画素数を4倍の8,000万画素に上げてみます。この編集にはAIが使われており、PCには高いスペックが要求されます。

【クーポン付】Topaz Gigapixel AIの実例紹介【スーパー解像度との比較】
「写真を大きくプリントしたい」「トリミングしすぎて画質が悪化した」「低画素のため画質が悪い」などのように悩んでいる方は多いと思います。この...

adobeのスーパー解像度に用いた写真


スーパー解像度を適用した写真の拡大図を、以下右に示します。左は適用前の参考例です。岩肌がきめ細かになり、画素数が増えているのが分かります。この編集に要した時間は、デスクトップPCで44秒、ノートPCで15秒という結果になり、ノートPCの方が早いという結果になりました。


レベル3. 高感度ノイズ低減処理(DxO PureRAW 3)

以下は1枚目のlightroom現像にて使用した写真です。この写真のRAWデータを、AIを搭載したDxO PureRAW 3で処理し、高感度ノイズを低減します。この編集には2例目のスーパー解像度と同様にAIが使われており、PCには高いスペックが要求されます。

DxO PureRAW 3にて処理する写真


DxO PureRAW 3の処理画面。最も品質が高く、処理に時間のかかるDeepPRIME XDを選択。
DxO PureRAWの紹介【星景・明暗差の激しい写真向き】
センサーサイズが小さかったり、画素数の大きなカメラでISO感度を高くして夜景を撮ると、高感度ノイズが目立ちます。かといってlightroo...



この編集に要した時間は、デスクトップPCで3分17秒、ノートPCで27秒という結果になりました。2例目よりもさらに差が開き、ノートPCが有利という結果になりました。

まとめ

PCの作製・購入時期に3年のズレがあることを考慮する必要がありますが、ちゃんとしたノートPCを選ぶことで、デスクトップPC以上の写真編集・RAW現像能力を得られることがわかりました。特に今回のテストに用いたLegion Slim750i4KのadobeRGBモニタを搭載しているため写真編集にはとてもおすすめしたいモデルです。価格も10万円台前半とこなれてきているため、この記事をご覧になっている時点で在庫がある場合には売り切れる前に購入を検討されることをおすすめします。

今回の記事は以上になります。

Legion Slim750i (82BC004JJP)
Lenovo製Legion slim 7シリーズを写真編集にオススメする6つの理由
写真編集するには高性能・大画面のデスクトップPCを使うのが最もよいです。しかし「出張などで長期間外出してしまう」「家にデスクトップPCを置...


表 今回のテスト結果まとめ

自作のデスクトップPCノートPC
(Legion Slim750i)
lightroom現像4秒4秒
adobe
スーパー解像度
44秒15秒
Dxo PureRAW 3
DeepPRIME XD
3分17秒27秒
error: Content is protected !!