OM SYSTEMで撮る風景写真

OMデジタルソリューションズ(旧オリンパス)の提唱するカメラシステムであるOM SYSTEMは、登山における風景撮影に最適です。小型軽量なので登山でも持ち運びやすい、高画質で焦点距離の長いレンズがあるのであらゆる撮り方ができる、被写体深度が深いのでパンフォーカスになる(奥行全体にピントが合う)、そして発色が美しいからです。

今回の記事では、筆者がOM SYSTEMのカメラやレンズで撮影した風景写真を紹介します。尚、特に断りが無い限りはjpeg撮って出し(=写真編集ソフトを使っていない)の写真を掲載しています。

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紅葉

以下は、紅葉と富良野岳を撮影したいわゆる三段紅葉の写真です。

本体:OM-D E-M5 Mark Ⅲ, レンズ:ED 14-150mm F4.0-5.6 II, F8, 1/400sec, ISO200, -0.7ステップ, 63mm(126mm)


ダイナミックレンジの小さなスマホで撮影した場合、奧の空や山が白飛びするか、あるいは手前の紅葉は黒く潰れて写りがちなシチュエーションです。OM SYSTEMのカメラを使うことで、赤やオレンジの発色を美しく、さらに奧に見える白い富良野岳も破綻することなく写せています。このとき、撮影地点には三脚を置いて長時間どかない人(いわゆる三脚おじさん)たちが沢山いて、筆者は仕方が無くカメラを頭上に構えて撮影したのですが、OM SYSTEMの優秀な手振れ補正のため写真がブレることは全くありませんでした。

北八ヶ岳と飛行機

以下は、初冬期の八ヶ岳から撮影した北アルプスと飛行機です。

本体:OM-D E-M5 Mark Ⅲ, レンズ:ED 14-150mm F4.0-5.6 II, F11, 1/500sec, ISO200, 0ステップ, 90mm(180mm)


筆者が八ヶ岳を登っていると飛行機の音がしました。これはチャンスと思い、飛行機が北アルプスの目の前を通過する瞬間を狙って、焦点距離90mm(35mm判換算180mm)で圧縮効果を使い飛行機と北アルプスの奥行の位置関係が近く見えるように撮影しました。背後の空もオリンパスブルーの淡い青さとなっており、個人的に好きな色見です。今回のカメラ本体OM-D E-M5 Mark ⅢとED 14-150mm F4.0-5.6 IIとの組み合わせは、合計668 gと軽量で、換算で28-300mmの広い焦点距離をカバーすることのできる組み合わせです。今回はこのカメラ一式をサブカメラとして持っていったことで、この写真を撮ることができました。もちろんメインカメラとしても問題ありません。

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雲の十勝岳

以下は、初冬期の十勝岳に掛かっていたガスが取れた瞬間を撮影した作例です。

本体:OM-D E-M5 Mark Ⅲ, レンズ:ED 14-150mm F4.0-5.6 II, F8, 1/1600sec, ISO200, 0ステップ, 63mm(126mm)


撮影直前には、ガスで周囲の視界はありませんでした。ガスが取れて十勝岳が現れ始めたほんの数秒のタイミングを狙って撮影をしました。OM SYSTEMの誇る焦点倍率の大きいレンズをカメラに付けていたため撮影することができました。仮に標準レンズを付けていて、レンズ交換をした場合にはこの撮影をすることはできなかったでしょう。レンズ交換機動力が高いとはこのことです。

チングルマと大雪山

以下は、7月のチングルマと大雪山(旭岳)です。

本体:OM-D E-M5 Mark Ⅲ, レンズ:ED 8mm F1.8 Fisheye PRO, F11, 1/400sec, ISO200, 0ステップ, 8mm(16mm)


大雪山では、この時期になるとチングルマをはじめとした花が満開に咲き誇ります。通常の焦点距離のレンズで撮影をすると、この満開感を表現することは難しいです。そこでこのときは、換算16mmの超広角レンズであるED 8mm F1.8 Fisheye PROを使い、花に近づいて撮影をすることで奥行に遠近感を出し、イメージ通りチングルマの満開感を出すことができました。このレンズのもう1つの特徴であるフィッシュアイ(魚眼)のために、写真の左右が持ち上がっていることもポイントです。今回の構図では奧に太陽が入っているため、普通のレンズだとゴースト(紫色の光)やフレア(画面全体が白っぽくなること)が発生しやすいです。一方、このレンズは逆光耐性が強く、ゴーストやフレアは全く見られません。

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スノーモンスター

以下は、厳冬期の八甲田山の雪を被った木々、いわゆるスノーモンスターです。

本体:OM-D E-M5 Mark Ⅲ, レンズ:ED 8mm F1.8 Fisheye PRO, F8, 1/1250sec, ISO200, -0.3ステップ, 8mm(16mm)


1つ前の作例と同様に、ED 8mm F1.8 Fisheye PROを使って撮影しています。手前から奥に広がるスノーモンスターを表現できています。プロレンズであるため画質がいいことも特徴です。露出を-0.3にしているのは、雪の白飛びを防ぐためです。OM SYSTEMに限らず、雪を撮影する場合には露出を下げた方がうまくいくことが多いです。

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手持ち夜景

以下は、未明の登山道から撮影した市街地の街明かりと、夜明け前のオレンジの地平線(通称・マジックアワー)です。

本体:OM-D E-M5 Mark Ⅲ, レンズ:ED 8mm F1.8 Fisheye PRO, F1.8, 1sec, ISO500, 0ステップ, 8mm(16mm)


レンズは先ほどと同様のED 8mm F1.8 Fisheye PROです。シャッター速度が1秒の手持ち撮影のため手振れしやすい撮影条件ですが、今回の作例では全くブレていません(もちろん、手振れを理由とした撮り直しもしていません)。このように手振れ補正に定評があるのがOM SYSTEMの特徴です。シャッター速度を長くすることでISO感度を500まで下げているので、マイクロフォーサーズの欠点である高感度ノイズも気になりません。

フィッシュアイレンズなのに左右が歪んでいないのは、ボタン1つで通常の単焦点レンズモードに切り替えが可能なフィッシュアイ補正を用いているからです。「フィッシュアイレンズに興味があるけれど使いにくそうだ」と考えている人にもおすすめしたいレンズです。

マジックアワーの地平線がやや白飛びしているように見えますが、RAWデータでハイライトを下げるだけで容易に白飛びを押さえオレンジの色を出すことが可能です。

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天の川

以下は、農鳥小屋から撮影した天の川です。

本体:OM-D E-M5 Mark Ⅲ, レンズ:ED 8mm F1.8 Fisheye PRO, F1.8, 40sec, ISO125, 0ステップ, 8mm(16mm), DxO PureRAWとphotoshopで編集


マイクロフォーサーズは夜景に弱いと思われる方もいるかもしれませんが、このように天の川をくっきりと写せています。星空撮影には、ある程度のセンサーがあれば、あとはレンズの方が大事です。ED 8mm F1.8 Fisheye PROは明るい超広角レンズのため、星空撮影には最適です。尚、この写真は撮影時にISO感度の設定が低すぎて暗くなってしまったため、DxO PureRAWとphotoshopで編集しています。色味や露出の編集のみであり、合成は行っていません。

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霧氷

以下は、残雪期に撮影した霧氷と巻機山です。

マイクロフォーサーズは背景がボケにくいことがデメリットとして挙げられることが多いですが、風景写真においてはこの特徴はむしろメリットとなります。センサーサイズの大きなカメラで近くの霧氷と遠くの巻機山を写した場合、絞り(F値)を相当上げないとどちらかがボケてしまいます。F値の上げすぎは回折現象による画質の悪化を招きます。この作例では絞りを回折現象の気にならないF8までしか上げていませんが、両方の被写体にばっちりピントが合っています。

尚、この撮影に使ったレンズはED 12-40mm F2.8 PROです。OM SYSTEMのPROズームレンズには単焦点並の画質を誇るものが多いので、画質を最優先にする場合にオススメしたいレンズです。

本体:OM-1, レンズ:ED 8mm F1.8 Fisheye PRO, F8, 1/1250sec, ISO200, 0ステップ, 8mm(16mm)


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今回の記事は以上になります。

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